2本のウクレレ:作って直して

か~な~り昔、25年以上前だったか? 職場のボウリング大会の賞品でウクレレ作成キットをゲットした。

楽器もDIYも大好きな俺としちゃイェーイ!だったが、いつか作ろうと思うもそのいつかがなかなか訪れず放置状態に。

しかしなぜか突然「作らねば!」という衝動に駆られた。神の啓示だろうか。
昨年2024年の夏の終わりから秋に掛けての話だ。


今回のトピックも長いよー。

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冒頭の写真だと綺麗に見えるが、まずはしっかりサンドペーパー掛けをする必要がある。
ボディートップもバックも板として切り出した時の丸鋸の跡が残ってるしね。

ひたすらサンドペーパー掛け。180番辺りから始めたかな? 400番で仕上げた? そうだっけ? まぁそんな感じ。

敷いてあるのはAmazonペーパー
ハーレーの整備でもDIYでも大活躍


ヘッドトップとボディートップはがっつりペイントする計画。その他は木目を活かす。

とりあえず全部をオイルステインで着色した。
オイルステインは布で塗布できるので使い勝手が良いね。


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指板がシンプル過ぎるのでポジションマークを入れよう!と思い、Amazonでギターのポジションマーク用の貝を「そんなん売ってねぇだろ」と呟きながら探したらあっさり見つかってびっくらこきながら注文。

マスキングテープで穴あけ時の表面割れが
防げる上マーキング明瞭で剥がせば消える

ドリルで穴を穿ち貝を嵌める。
貝の厚さが指板の厚さを下回っていたので裏側から木工用パテで埋めて固定。

表側はサンドペーパーで磨いて面合わせ。

2個並びのマーク、ちょい中心ズレた




これを強力木工用ボンドでネックに張り合わせ、2本のクランプで固定して一晩寝かせた。



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そんな工程を毎日少しずつ進めていたある日、

お手伝いしている中学吹奏楽部の保護者会的組織の役員会でのちょっとした集まりがあり、そこで今ウクレレ作ってるという話をしたところ、

「ウチ古いウクレレがあるんですけど穴空いてるし部品取れてるしボロボロなんですー」

と仰る役員さん(当時副会長)が。

それもしかしたら俺、リペアできるかもしれない。できそうなら材料費だけでやりますよ

といった流れから、自分のウクレレ作成と平行して役員さんからお預かりした瀕死の「ウクレレ子ちゃん」の蘇生も並行して進めることと相成った。

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YAMAHA  No.60C
穴塞ぎ直後
ウクレレ子ちゃんはYAMAHAのヴィンテージウクレレ。
役員さんの旦那さんのお父様のものだったそうだ。
リペア着手前の姿の写真を撮らなかったのが悔やまれる。

ボディートップの下部には割れと穴。
割れは板ズレしてるし穴の奥からはまっ灰色灰色スケがこちらを伺っていた。

背中にも長い割れがあって板ズレし、ブリッジは完全に外れていたが弦と繋がってプラプラしていた。

グラディエーター


ネックも歴戦のグラディエイターの如しだし、あちこちにキズが元で広がる黒染みがあった。

まず割れの修正と穴塞ぎに着手した。

割れ部分は慎重に板ズレを直し木工用ボンドで接合。

穴をどう塞ぐかだ。
穴の形に板を切り出して当てる? 時間掛かりすぎちゃうな。

穴の縦サイズは大きめのティアドロップ形ギターピックの幅より小さく、横サイズはピックの縦よりちょっと大きい。

これだ。

上手いこと工夫して内側からギターピックを貼って土台とし、上に木工用パテを埋めて穴を塞いだ。 イェーイ!職人だぜ。

そこまでやってから着手前の写真の撮り忘れに気づいて撮ったのが↖の写真。


年季が凄い

ペグのリペア前の写真がこちら。ウエスでゴシゴシ拭いた後だな。

木で削り出されただけのヴィンテージペグ。
味わい深いがチューニングはとってもやりにくい。


塗装とキズと黒ずみを落として未塗装状態

キズからの腐食や黒ずみが多いのでギア付きのペグに交換した方が良いかなとも思ったが、、、

味わい深さを取って復活に向けて削って磨き倒した。



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よーし本体塗装の全剥がしだ!

サンドペーパーは何番から始めたっけ? 60番だ。

あられもない姿のウクレレ子ちゃん

ブリッジが最初から外れていたのは都合が良かったがボンドを落とすのは大変だった。

この過程でキズから広がった黒染みも綺麗に取れた。
ヘッドには YAMAHA のロゴがあったがオーナーに確認の上でこれも全剥がし。




背中の割れは極力目立たなく仕上げたい。

季節の変わり目は古傷が疼くぜ!

指板は1,000番のサンドペーパーで汚れを落としてからコンパウンドでしっかり磨き上げたらしっかり光沢を放った。

美しいぜ!




ボディーの中のラベルも大分汚れが付いていたが破らないように気をつけつつ魔法の液体で汚れをできるだけ落とした。

読めるぜ!




そしてブリッジ。かなりな状態だったがサンドペーパーで全剥がししてスッキリ。

ボディーに取り付ける際は慎重に測ってきっちり取り付けた。位置がズレると音痴になっちゃうからね。

強力木工用ボンドで貼り付けてクランプで固定して二晩寝かしたので簡単には剥がれないだろう。


穴に紙が詰めてあるのはこれからの塗装に備えて。 塗装で穴が塞がれないように。


ウクレレ子ちゃんは工程が進むたびにオーナーに進捗報告していたので写真を沢山撮ってある。

俺のももっと撮っとけば良かった。 その時はブログ復活は考えてなかったんでね。

俺のウクレレくんは、
・ナットを高さ調整してから組み込み
・ネックとボディーの接合
・ブリッジの接着とサドル組み込み
を終えた。

ちなみに、キットに入っていたブリッジとペグがあまりにショボかったのでこれらもAmazonで調達した。


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両ウクレレともに塗装工程に入るぜ!

せっかちな俺には塗装は鬼門なのだが頑張るのだ!

俺のウクレレくんは、以前やったヘルメットのなんちゃってリペイント方式に味を占め、ヘッドと表面板はグリーンメタリックにしようという目論見。
なぜかグリーンのキャンディーペイントのスプレー缶って無いので下地にラメ入りシルバー+ゴールドキャンディーペイントからの青いキャンディーペイントという作戦。
さらに一部に白のトライバル柄のステッカー入れてアクセント付けようかなと。

一方ウクレレ子ちゃん。
ポアーステインという塗料で元の色に近いものがウチにあったのでこれで着色してからクリアで仕上げよう。 これ、いつ買ったんだっけな? 使った形跡もない。

塗り込み作業で一抹の違和感を覚えつつトップ全体を塗ってみたものの・・・んー?
オイルステインとは使い勝手が違うのねぇ。似たようなものかと思ったら。

なんか変。イメージ通りじゃない。 やり直しじゃい! 塗料を剥ごうとサンドペーパーで擦ってたら・・・あらら?ちょっと待って。なんかイイ感じになった?

程よい感じ

斑にはなるが木目が良く出て味わい深い。 こういう塗装のギターとかあるしな。
元の塗装はベタ系で木目は控えめだったが、これは木目が程よく主張してるし。

全体を程よくサンドペーパー掛けした上で経過をオーナーに報告し、これで良いか元の塗装に寄せた方が良いか聞いてみたところ、「味があってカッコいいですねー」 ということでこれで行くことに。


さて俺のウクレレくん。

ラメフレーク入りシルバースプレーをまず吹いて、その上からキャンディーペイントのゴールドを吹いて下地ゴールドを作った。
うん。悪くない。ゴールドトップでも良さそうだなぁ。

乾いてからブルーのキャンディーペイントを乗せたところ、、、おぉ、ちゃんとグリーンになったぜ!

だが、ヘルメットの時のようなメタリック感は出なかった。なぜだろう?ラメが溶けた? もっと乾燥するべきだったか? ま、しゃあないか。

さらにそれだけでは飽き足らず、ギターのペイントでよく見るサンバーストっぽくしたいぜとか言い出したんだよねぇ。誰がって俺がさ。

昔、TVで観たFenderのギターファクトリーのペイント職人は片手でギターのネック掴んで持ってスプレーガンでプシューって黒の縁取り入れてサンバーストにしてた。マジかーい! 俺から見たら神業だありゃ。 と思っていることをスプレー缶でやろうってんだから無謀にも程がある。

ボディートップ以外をきっちりマスキングし、めっちゃドキドキしながら黒のキャンディーペイントをボディーの端に沿ってシュワーーーっとやってみたら・・・まぁ初めてにしちゃ上出来 って感じにはできた。

そして、白ではなくパール色のトライバル柄ステッカーをボディーの一部とヘッドに貼った。 うーん、イイねぇー。(写真は後ほど)

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写真撮る前に綿棒とかよけとけ!
上が俺のウクレレくん下がウクレレ子ちゃん
俺のウクレレくんのヘッドトップとボディートップ以外、そしてウクレレ子ちゃんの全体は刷毛塗りクリア仕上げ。

サンディングシーラーで下塗り3回の本塗りウレタンニス3回。 ペグもほぼ同様にクリアコート。

塗りの工程はすべて1日に1回か2回まで。時間を置いて十分乾かしてサンドペーパー掛けしてから次の塗りへ。
というのを毎日、昼休みや夜に外でやっていた。

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俺のウクレレくんのヘッドとボディートップのクリア仕上げ。

スプレー缶を噴射する時は水平に吹くのが基本だ。 基本ね。
なのに、クリアを吹く時はウクレレを仰向けに置いて上から下向きに吹いちゃったんだな。

魔が差したというかなんというか・・・なるべく真下じゃなく斜めにはしてたんだが。

下向きが何でダメかって? 缶の中身が減ってきた時に、スプレーがブホブホブホってなっちゃうことがあるのねー。

これで無数の細かい気泡が乗ってしまった。ヘッドにもボディーにも。
痛い。痛すぎる・・・違う!バカ過ぎる!

気泡、固まってから削り取れるだろうか? 今取っておくか? うーん・・・
なんて悩んでいるうちに、気泡の部分だけ下の青が溶け出して更その下の金色が出て来た。

何?どういう現象?  何なんこれ? キャンディーペイントの乾燥が足りてなかったのか?

プロだったら「あぁ、◯◯やっちまったな」とか専門用語があったりするんだろうな、きっと。
絶叫マシンに乗ってるかのような嫌~な感じが下半身を襲うも瞬時に持ち直した。

そしたら余ってるトライバル柄シール貼って隠せばオッケー♪

当初の決定デザインよりも沢山のトライバル柄シールがヘッドとボディーに追加投入された。 こういう柔軟さがDIYでは重要なのねー。

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ウクレレ子ちゃんにはクリア乗せる前にヘッドにYAMAHAの音叉ロゴを貼っておいた。これ実はツウには判ってしまうがちょっとしたアレが・・・
アレって何?:あの辺をドラッグ選択すると出てくる →  ヤマハ発動機のロゴなーのだ  楽器の方のロゴの音叉は丸部分に食い込まない  

しっかりクリアを乾燥させて、最後は水研ぎした上でコンパウンドで磨いて仕上げた。
ピッカピカじゃーん!

新しい弦を張って弾いてみたら・・・おぉ、鳴ってるー! 流石YAMAHA。
ヴィンテージペグは味わい深い。でもチューニングすぐズレる。

仕上がりはこちら。

ギターは下から上に弦が太くなるがウクレレは下から 細→中→太→めちゃ細 の順番。へぇ~そうなんだー。

ウクレレ子ちゃんに掛かったリペア経費は弦代込みで1,130円だった。いやー楽しかったなー。 

蘇らせて行くひと過程ごとに喜びを感じたねぇ。うん。上手くできて良かった良かった。

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俺のウクレレくんも塗装完了後にギアペグを付けて弦を張って完成。
うん。響きも悪くないねぇ。

そんな俺のグリーンサンバーストパールトライバルスペシャル。 Here we go!

もっと光沢出すつもりだったんだけどそこまで出なかった。
もっと明るいグリーンに出来たらメリハリ出ただろうな。
とか色々あるけどこれで満足満足。

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せっかく作ったのでウクレレ練習しよう。
チューニング方法、奏法、コードなどを調べ、まず着手したのは『Somewhere Over The Rainbow』
名曲だよね。 ドラマ Glee でシュー先生がウクレレで演ったバージョンを練習した。

実はこのバージョン、とあるハワイアンミュージシャンのアレンジバージョンで、映画『ジョー・ブラックをよろしく』のエンディングで使われている。
ブラピ主演の1998年の映画だ。 アンソニー・ホプキンスも出てる。
ちょびっとホラーファンタジーなラブ・ロマンスなんだが、俺は好きだ。

さて、曲のコードのコピーは今でも秒でできるのだが歌詞の覚えは悪くなったな~。毎朝の散歩の時にず~っと口ずさみながら川辺を歩いてた。 傍から見たらやべーおっさん。 


当時飛騨高山で暮らしていたGlee好きの我が娘がちょろっと帰ってきた時、これ演ろうぜっちゅうてウクレレ弾いてハモった。 2回練習して3回目はちゃんとハモって歌詞も見ながらとは言えちゃんと歌えてたのは我が子ながらあっぱれや。

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そして、次の役員会の日に無事にウクレレ子ちゃんを引き渡した。
大変喜ばれ、他の役員さんたちにも称賛されたのでリペアした甲斐もあるってもんさ。

ついでに自分のウクレレもみなさんにお披露目。F川ちゃんも見に来てイェーイ!
さらについでに Somewhere Over The Rainbow も弾き語っちゃいましたとさ。
めでたしめでたし。


他にも色んな曲をウクレレでと、お気に入りのロック曲をあれこれ演っているんだが、 Bon Jovi の Livin' On A Prayer が意外にもハマっておもろかった。
元々俺ってBon Jovi は好きじゃなかったんだが、とあることがきっかけで再評価。 今じゃ Bon Jovi兄さんって呼称だ。 あ、カンケー無い話だな。それはまた別のお話。

 

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