面白いネタがあっても、そうそうブログやSNSには書けない。
「我が子に訴えられないように」などと冗談で書いていたが、海外では親を提訴した子どもが居るそうな。ハッハッハ!やるな~。
そんな訳で、いや、どんな訳か良く判らんのだけども、今日は久々に娘のネタを書こうと思う。
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このブログで以前書いたが、娘が中学時代に所属していた吹奏楽部が娘の代にコンクールで大変な活躍をした。
奇跡という人も居たが、俺はその言葉は敢えて使わなかった。 だってみんな本当~に頑張ったからねぇ。
そういったノリや体制はその後も引き継がれて、「常勝校」として定着するものと・・・思っていたのだが、なかなか現実は厳しい。
俺は訳あって娘の卒業後もその中学の吹部の手伝いをしているのだが、メンバーは変わるのは当然としても状況も不変じゃない。依然恵まれた環境ではあるものの、諸行無常の響きありまくりなのだ。
あれから3年。
あれは本当~に凄いことだったんだなぁと、つくづく思う今日このごろ。
そしてその中学の吹部ではあの時のことは『レジェンド』として語られている。
俺はその語り部の一人だ。
中学でレジェンドを築いたメンバーたちの多くは高校でも吹部に入るか、また別の音楽系の部活に入った。
音楽とは関係ないことを始めた子たちも居る。
何をやろうと、きっと中学での経験がその後にも活きてるんだろうなと思う。
そう、以前このブログに登場したF川ちゃんは高校でも吹部で八面六臂の大活躍だった。
風の噂では高校の吹部では個人でも『レジェンド』になったとか。 凄げーぜ!イェーイ!
で、ようやく娘の話になる。 いつものように前フリ長い。
我が娘も負けじと高校でレジェンドになった・・・という話だ。
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娘が高校に入って初めての夏が急速に自らのアイデンティティを喪失し、秋がそれに取って代わろうとあからさまに画策し始めた頃、「それ」は起こった。
部活を終えての帰路、彼女はいつものように大きな駅のホームで乗り換えの電車を待っていた。
電車がホームに滑り込んで来て停まり、すべてのドアからそこそこの数の疲れた人々を吐き出す。
そしてそれ以上の数の人たちが列をなして電車に吸い込まれて行く。 発車のチャイムと「ドアが閉まります」のアナウンスのプレッシャーを受けつつだ。
彼女は乗車すべく前の人に続いて歩いていた。
一体何がどうなるとそうなるのだろう? あろうことか、ホームと電車の間を跨ぎ超える時に、彼女が履いていたローファーの片方が脱げてしまったのだ。
身体はそのままの勢いで電車内へ。 ローファーはホームの下。 後から人も乗って来る。
想定し得ないことが突然起こると脳はその対処方法を探すことができなくなる。いわゆるパニックだ。
そこで人を掻き分けて降り、電車が行ってから駅員に言って落とし物拾いアーム(正式名称不明)で拾って貰う のが正解なのだが、彼女は電車内であたふたするばかり。
そして無情にもドアは閉まり、電車は走り出した。
まぁ落としてしまったものはしょうがないか。
電光石火で開き直った片方靴無しJKが電車内で練った次善の策は・・・
次の駅で降りて戻り・・・はしない。地元駅まで平静を装って乗り続け、電車を降りるや否やホームをダッシュしエスカレーターを駆け上がり、一目散に改札を駆け抜け駅前の車溜まりまで飛ぶように移動した。
高速で移動すれば周りの人たちに片方の靴がないことに気づかれないだろうというニヒルな計算だったそうだ。
そしてかーちゃんに電話。
「もしもし・・・これこれこういう訳で、、、車で迎えに来て」
電話を受けたかーちゃん、1回では話が理解できない。
「え?何? ローファー脱げた? 駅で? でどうしたの? え? そのまま帰ってきただーあ? え?え゛~~~?」
驚き、そして大笑いし、車を出した。
その後、俺が仕事から帰宅。
大事件についての報告を受けるも1回では話が理解できない。
「え?何? ローファー脱げた? 駅で? でどうした? え? そのまま帰ってきただーあ? え?え゛~~~?お前、あれ、本革だぞ!おい!」
驚き、そして大笑いし、翌日やるべきことを伝えた。
反対側のホームからは線路脇に落ちているJKのものと思われる片方だけのローファーが見えていたことだろう。
おそらく何人かはそれを見てホラーな想像をしたに違いない。
翌日、娘は中学時代に履いていた古いローファーを履いて出かけた。
問題の駅で駅員にローファーを落としてしまった旨を訴えたところ、駅員が足元を見て「え?両方履いてるじゃない」。
「いや、じゃなくて・・・昨日の・・・」
かくして落としたローファーは無事に戻ってきたのだった。
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ローファー、デカっ! |
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娘はこの「事件」を学校の友人らに話した。 おそらくネタとして面白おかしく話したのだろう。
そーとーウケたらしい。
そしてその話は燎原の火の如くまたたく間に学校中に知れ渡った。
学年が変わりクラス替えがあり新しい友人ができたりする。また友人の友人で紹介があって知り合いの輪が広がったりする。
その際、それまで知らなかった相手から、「あ!あのローファーの?!」と言われるようになったそうだ。
3年生の文化祭(娘の高校は6月に文化祭がある)の後夜祭では、それぞれがみんなから寄せ書きして貰ったTシャツを着たそうだ。
寄せ書きだけではなくその人物のアイデンティティーを表す言葉や絵なども書かれるらしい。
娘のTシャツの背中側中央に大きく書いてあったのは、「ローファー命」 という言葉だった。
この話を聞いた人は大抵、脱げて落としたのにそのまま帰るなんて!と思う。
事後の行動や彼女のキャラも相俟ってレジェンドとなった訳なのだが、実は娘の居ないところでもう1つの事件があった。
娘の事件から数年を経たある日、娘の友人らが何人かで電車に乗り込む際、その中の一人がローファーが脱げてホーム下に落としてしまったのだ。
やはり電車に乗り込んでしまい、立ち尽くす彼女。「ローファーが・・・」
その時その場に居合わせたそれぞれがほぼ同時にローファーレジェンドを想起した。
ハっ! 「乗っちゃダメーーー!」
彼女らは瞬時に反応し、その子を連れてみんなで電車から降りた。
そして駅員を呼び、落とし物拾いアームで拾って貰い、事なきを得たのだ。
彼女らの賞賛に値する判断と行動、そして友情と愛に、全米が涙した。(映画化決定!)
そしてそれらの礎となっていたことで、娘のレジェンドに箔が付いた。
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ちなみに娘のローファー事件が起きた9月26日は娘の仲間内で「ローファー記念日」とされている。
娘が我が家のトイレに掛けてあるカレンダーの9月26日の欄に「ローファー記念日」と書き入れたので、俺がその下に、
「急にローファー脱げちゃった(926) で覚えよう!」
と書き足しておいた。受験勉強で色んな年号や日付けを覚えるのに大変な時に妙な語呂合わせ情報を入れないでぇー!と抗議された。
つい先だっての今年の「ローファー記念日」、娘は友人から「ローファー記念日おめでとう」とキットカットのプレゼントを貰った。 あぁ青春 そしてレジェンド。
なんか・・・
返信削除ええ話しじゃん
笑いをしかっりとりつつもその奥に深い人間ドラマが・・・
もう超短編ノンフィクション小説じゃん
本書けばいいのに
爆笑ノスタルジーSFファンタジーハードボイルド小説とか
俺は買うぜぇ
どぼちょんBさん、どうも!ご無沙汰しとります。
削除気に入って貰えて何よりですたい。
なんかこの、、、若かりし日々ってやっぱイイよね。
本書けばって、ハハハハ。 うん。。。印税生活も悪くないねぇ・・・ なんちて。
臨場感あふれるスリルありサスペンス(?)ありの人情コメディ♡楽し~!
返信削除ご家族全員の(とりわけ父の)レジェンドを合わせたら大長編作品が出来そうです!✨
粟の穂さん、コメントどうも!
削除楽しんで貰えて何より何より。
俺はレジェンドとは縁無いでしょー。そこまでは行かないちょっとしたエピソードならそこそこあるかもね。