日産ウォーターパーク

大概にしとけ

大丈夫だよ。これからも色んなことはあるだろうし、親としてそれらに一々突っ込み続けなきゃいけないが、それでもあいつは大丈夫だよ。

カミさんにそんな風に言う俺の予測（色んなことはあるだろう）は、俺の楽観をあざ笑うかの如く呆れるくらい間を空けずに的中した。
我が家の魔王は今回もやらかしてくれたぜ。


新横浜の日産スタジアム内に、日産ウォーターパークなる施設がある。
要するに年中無休の室内プールであ～る。

昨日の日曜日、今シーズン初プールとしていつもの市営プールへ行こうとしたところ、オープンは来週末とのことだった。
天気も曇天だしってことで、俺と子供らと3人で、日産ウォーターパークへ行ってみることにした。


ホームページの写真で見るより実際は狭い感じ と聞いて想像していた通りの広さだった。

ゾーンが2つに分かれていて、チューブウォータースライダー・流れるプール・ジャグジー・サウナなどなど色々あって結構楽しめる。

スライダーやら流れるプールやらで大いにテンション上げる子供ら。

しばらく一緒に遊んでから、俺は、流れるプールの内側にある、ブクブクでジェットな風呂（写真中央上部の丸いやつ）に入った。
プールで冷えた身体に心地良い温かさ。
床からのブクブクと、壁からのジェットが気持ち良くて癒されるぜ。

このブクブクとジェットが急に停止したら「えぇ～、ウソ～、何で～？」だよね。

ウチの息子が止めました。
あの時居合わせたみなさん、ほんますんません。

ロッカーの鍵は失くさないようにちゃんと腕に嵌めたままにしておけという再三の注意にもかかわらず、外してブクブクジェット風呂で失くしてしまった我がアホ息子。
「探せ探せ！このすっとこどっこいがぁ！」
しかしブクブクとジェット噴流のアワアワに阻まれ探索は難航を極める。
そこで施設のお兄さんが止めてくれたのだ。

居合わせた人ら、「あれ？止まっちゃった」　ザワザワザワ
施設全体はかなり賑やかなのだが、急に停止したブクブクジェットお風呂は、そこだけが深い森の中の小さな池のように静寂に包まれた。

ここで事情説明したら心優しい人なんか一緒に探してくれちゃうんじゃないかと思い、そんなことになったら俺、恐縮のあまり溺死するしかないので敢えて何も言わずに探索を続けた。
あー、ヤベぇ。早く探し出せ！ すぐだ！ すぐに見つけろー！
泡がなくなり、下まで良く見える。　が、鍵見つからず。 焦る　焦る　焦る

「お客さ～ん、鍵、落し物に届けられましたよぉ～！」 と、施設の兄さん。
ホッ
流れるプールを流れて来た人に拾われ届けられたらしい。
どうやら息子、鍵を流れるプール側に落として気付かなかったようだ。

その場に居合わせたみなさんに丁重に侘びを入れ、お風呂を出た。


その後も息子、水泳帽をなくしては探索。
ふざけてねーちゃんのゴーグルをプールに投げ込んで紛失してはとーちゃんにド突かれながら探索。
別のゾーンのプールでは自分のゴーグルを失くし、自ら施設のお兄さんに泣きついて、お兄さん方3人も巻き込んで5人体勢で大探索。
（娘はお友達と会い、元のゾーンで遊んでいた）

一人のお兄さんが青いゴーグルを手に俺のところへ。
「これではありませんか？」
それは息子のゴーグルよりも遥かに高級なブランド物のゴーグルだった。
「あー、残念ながらこれじゃありません」　って、『金の斧』かよ！

結局、息子が申告していたのとはまったく別の場所から息子のゴーグルが出てきた。
息子と二人してお兄さん方に礼を言い、ゴーグルを受け取った。

何気にその場に居づらくなり、元居たゾーンへ戻ることに。
「ワーイ！ またウォータースライダー乗ろう！」
どうしてそんなに瞬時にハイテンションに移行できるのだ！お前は！
で、ちと待てコラ！ 浮き輪はどうした？
「ん？・・・・・えっと・・・・・」キョロキョロ
「お前、大概にしとけよ、このボケぇ～！」


散々遊んでプールを出た。
受付のお姉さんも凄く感じ良かったけど、中のお兄さんたち、本当にお世話になりました。色々とどうもありがとう。


プールと言えばアイス。
プールの後のアイスは、我が家では定番なのだ。
売店でアイスを買い、息子に説教垂れつつ、スタジアム前の広場で食べた。


ここのプール、時間で料金が課せられるので、そうそう気楽に利用はできないなぁ。
まぁ、そう遠くないところに住んでる人なら、一度は行ってみると良いかも。 ま、楽しいは楽しい。
けど、遠いところからわざわざ遊びにくるほどのもんじゃないかな。


帰宅してからまた息子に説教。
お前、まだ夏休みの旅行はお前の分だけキャンセルしたまんまなんだぞ！（ということになっている）
なんやかんや～、あーだこーだー。
「な」「はい」

次の瞬間、笑顔で俺の背中を登ってくる息子。
だから、どーしてそんなに瞬時にテンション移行できんだよ、お前はよぉ！

そして息子、俺の頭を観察して曰く、
「とーちゃん、頭、薄いね」

「うっるさい、ボケぇ！とーちゃんが一番気にしてることを！」

ケンタッキーに住む赤ら顔で下あごの割れたごっついアメリカ人(WASP）のおっさんが、怒りで更に顔を赤くして人差し指で相手を突きつつ歯を食いしばりながら文句を言ってる感じで、

「お前、大概にしとけよ、おい。お前、大概にしとけよ」