2012年4月8日日曜日

最後にハイタッチを

6年間のハイタッチ

春なのに薄ら寒い。けど春だね。着実に春だ。

春はスギ花粉の季節であり、桜の季節。
春は終わりの季節であり、始まりの季節。
春はカミングアウトの季節であり、でもみんな既に気付いててリアクション薄い季節。
春は出会いの季節であり、お別れの季節。

そして彼らは名古屋へ引っ越して行った。



息子が幼稚園年中さんの時に近所に越してきた一家が居た。
三人兄弟で一番上が息子と同い年。
その下の妹ちゃんは2つ下。
その下の弟君は兄ちゃんの4つ下だ。

お兄ちゃんと息子は幼稚園が一緒だったので、朝、近所の公園で一緒にバスを待った。
俺はその頃、息子を公園で見送ってから仕事に行っていたので、その彼とハイタッチで挨拶を交わしていた。

息子とお兄ちゃんが小学生になり、今度は妹ちゃんが朝、公園で幼稚園バスを待つようになった。
俺がバイクで家を出ると、公園で幼稚園バスを待っているママと彼女にちょいちょい会った。
そんな時は公園の入口までバイクで近づいて、彼女とハイタッチして挨拶。
じゃーねー!行ってらっしゃーい! と手を振り合う。ママも俺に「行ってらっしゃい」と声を掛けてくれる。
毎日じゃなかったが、ちょいちょい。 彼女が年長さんになってからは手の位置を上げて、ジャンピングハイタッチになった。
そんな挨拶を彼女が小学校に上がるまでやっていた。

彼女が小学校に上がると、今度は弟くんが幼稚園に通うようになった。
もちろん、朝、会えば彼ともハイタッチだ。
園バスの来る時間も少し変わったり、俺が出かける時間もちょいちょい変わったりで、会ったり会わなかったり。
それでも会えば必ずハイタッチを交わしていた。


しかし、今年に入ってから俺の勤め先の始業時間が変わり、それまでよりも30分以上早く出るようになった。
その前からなかなか時間が合わず、朝、弟くんとのハイタッチが長い間できてなかったところで、もう壊滅的にできなくなってしまったのだ。
残念だな~。

彼も春から小学生だ。
小学生になれば、朝の付き添い当番の時には会える。
が、お兄ちゃん、妹ちゃんと、な~んとなくだが、小学生になってからはハイタッチしてない。
まぁねぇ、他の子たちと一緒に登校する状況ってのもあるし。


ところが、
彼らはお父さんの仕事の都合で4月に名古屋へ引っ越すことになった。

前学年の最後の週は俺が付き添いの当番だったので、お兄ちゃんと妹ちゃんとは少し話ができた。
4年後にはこっちに戻って来るかもしれないそうだ。
その時にウチの息子がどんだけ成長してるか楽しみだみたいなことを言って俺を笑わせてくれた。

弟くんとはお別れの挨拶ができないな~。


彼らが引っ越す当日の朝。
俺はいつものように、仕事に行くためバイクで駅に向かった。
彼らの家の前には既に引越し屋のトラックが来ていて、積み込みを始めていた。

随分早い時間から始めるんだな~ と思いつつトラックの横を通り過ぎ、何気なく振り返ると、家の前に、妹ちゃんと弟くんが居た。

俺、急ブレーキ。 彼らも俺に気づいてこちらを見ている。
彼らに向かって手を差し出し、「最後に!」
妹ちゃんがチョー笑顔で走ってきた。
幼稚園卒園以来、久々の・・・「ハイターッチ! イェ~イ!」

そして今度は弟くんに向けて手を差し出すと、彼も満面の笑みを湛えて走り寄り、「ハイターッチ!イェ~イ!」
そして俺は二人に「じゃーな。元気でな!」 いざとなると気の利いた言葉って出てこないもんだ。
二人は笑顔で頷いた。
その時、俺たちの周りだけは本来の春の陽気のように優しく暖かだった。

じゃあね、バイバーイ! 手を振り合い、俺はバイクを走らせて駅に向かった。


お見送りにはお友達やそのママらが随分集まったそうだ。
妹ちゃんはウチのカミさんのところに、朝、お父さんとハイタッチしたよと告げに来たとのことだ。
みんなに見送られ、ママの目には涙。

みんな元気でねー。4年後戻って来られると良いね。



息子は同級生の一番上のお兄ちゃんから貯金箱をプレゼントされた。

「これに小遣い貯めて、名古屋に遊びに来いよ。 高速バス使えば安いから」

いい~センスだな~。貯金箱プレゼントして、これで金貯めて遊びに来てくれって、凄いな。カッコイイじゃないか。

で、その貯金箱を見せてもらった。


わっ!こびとだ! ハハ!小っさ!
初めて見る人にはちょっと不気味かもしれないが、そこが魅力で広く一部で爆発的にブレイクし、ウチの息子もハマった『こびとづかん』(←敢えて「ず」ではなく「づ」なのだ)のキャラクター、「リトルハナガシラ」の貯金箱。

これじゃ名古屋往復する高速バス代貯まらないんじゃねえの?
でも、「あいつ、こびとづかんのキャラクター好きだしな」って思い、これをチョイスした彼の思いがめっちゃめちゃ伝わって来て、凄くいい感じだな。

息子よ、お金を貯めて、一人で名古屋に冒険に行きやがれ~。

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