2012年6月7日木曜日

やっと読んだぜ『レディ・ジョーカー』 食らった~!

15年目にしてようやく・・・

随分昔の作品になるんだけども。
髙村薫の『レディ・ジョーカー』

グリコ森永事件に着想を得て書かれた小説。
作品中ではビール会社がターゲットになっている。

企業恐喝事件と、それに絡む人々、組織、「力」、様々な差別、人としての在り方、正義?、巨悪?、、、などを通し、この世のなんだかなぁを浮き彫りにするヘヴィーに硬派な作品。

これをようやく読んだってのが今回のお話。
いや~、期待してた以上に食らったぜ。




単行本が出たのが1997年。
その時の評判を耳にして、こりゃぜってぇ読んでみたいぜと思ったものの、ハードカバーで上下巻って電車で読むには厳しく、我が家の本棚もパンパンになっていたため、文庫化されるまで待つことにした。

でも『マークスの山』はハードカバーで持ってるんだけどねぇ。(ついでに文庫版も持ってる)

さて、文庫化って一体どれくらいでされるんだろうか?
まぁ、出版社や作家や作品によっても違うんだろうけども・・・

待てど暮らせど文庫化ならず、7年経った2004年、文庫化より先に映画化された。
配役はなかなかの顔ぶれ。映画も面白そうだ。観てみたい・・・が、原作読むまでは封印なのだ。

で、いつになったら文庫化されるんだ?・・・

いい加減待ちくたびれて、マメにチェックすることもなくなり、もうほぼ忘れかけていた。


そして今年の始め、
久々にリアル本屋に立ち寄って、並んでいる本を眺めつつ、ぷら~っと店内をうろついていたところ、新潮文庫のコーナーに平積みにされた文庫本3分冊の『レディ・ジョーカー / 髙村薫』。

ハっ!と目が止まり、足も止まり、心臓はアンダンテ、、、アンダンテ? いや、ボンゴレ・ロッソかも。もうー訳分からん。
「うぉ~~~!いつ文庫化されたんじゃい~~~!」と、伴忠太並みに(心で)吠えながら上中下巻3冊をかっさらうように手に取り、レジへ直行。
帯だの見返しだの裏表紙だのを読む必要はない。
これは即買いに決まってるのだ。

後で奥付をチェックしてみたら、2010年に文庫化されていた。
なんだそうだったのかー! 2年間も放置してしまったぜ。
しかし・・・単行本から文庫化まで13年とは!

2年間放置してしまった俺は、「読みたい!」と思ってから15年目にして、ようやく読めるのだ。
なんてこったい。なんだか凄いな。

で、他にも未読の本が数冊溜まっていたので、それらをすべて片付けて、先月になって『レディ・ジョーカー』に着手。

仕事が忙しい時期だと電車ではすぐ寝ちゃうもんで、かなりなスローペースで読み進め、先日ようやく読了。

いや~~~~~、思っていた以上に凄かった。

俺は血沸き肉踊る系とか冒険・スパイ系とか、ファンタジー・ホラー系とか、なにしろ娯楽系が好きで、あまり小難しい系(純文学系とか哲学系とか)は得意じゃない。
暗い系・重い系も好きじゃない。

けど、髙村薫って基本的に重い系で暗い系だよね。さらにディープ系。
でもなぜか、髙村薫の重さや暗さだけは受け入れられるんだな。
なんだろ? リアルな重さ? 厳然とある暗さ? それらの深さ?
暗くて重くてもネガティブじゃなく、アグレッシブなとこがいいのかな?
作家の心意気が伝わって来るのが良いのかも。


さて、『レディ・ジョーカー』、

ちなみにこれ、Lady Joker だから、正しくは『レイディ・ジョーカー』だな。
って、どうでもいい話か。こりゃ失礼。
そんなことより内容の話を・・・


旧仮名使いの読みにく~い手紙の文面から始まって、登場人物の過去や現在の背景描写が続く。
見事に重く暗く深い。

『レディ・ジョーカー』という言葉が出てくるのはしばらく後だが、その名の由来は、俺の心にかなりヘヴィーに響いた。

そして犯行。
その後の展開は・・・
うぅ・・・・そう来ますか・・・ 何だか、この国って・・・・

あれやこれや、あーだこーだで、
ラストシーンは全体的なヘヴィーでディープな感じとの対比として、ジワ~っと来たなぁ。

読んでて『グリコ森永事件』をちょいちょい思い出す。 あ~、あれもこういうことだったのかな?とか。

ちなみに、とあるアウトロー系作家の話では、髙村薫は警察関係にもアウトロー関係にも相当な情報源を持ってるはずだって話。
じゃなきゃあそこまで書けないって話にチョー納得。

ま、俺のこのしょーもない読後感トピック読んでも、訳わからんでしょう。
すんませんねぇ。
いや、とにかく凄かった。
面白いっていうか、凄かった。
時間を措いて、また読みたい。

原作も読んだことだし、映画も是非観てみたいぜ。
まぁ2時間くらいで原作のすべてが描き切れるとは思えないけど、それはまぁそれなりに。

おっと、何だこれ?


うぅぉおおおおお~。
原作読んだ後でこのポスターは、、、来るなぁ~。

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