あの映画は劇場で観たかった。 が、観られなかった。
Blu-rayの予約開始を新聞で知った数日後の4月22日には恐怖のAmazonで予約を入れた。発売日は2ヶ月後だ。
待ち焦がれてひと月過ぎた頃、恐怖のAmazon教団からお導きのメールが。
「待っている間、心を清めるためにこれも買いなさい」 と紹介されていたのが、舞台版レ・ミゼラブルの25周年コンサートのBlu-ray。
しかもお値段たったの1,980円。さらに値下げで1,318円。
「マジっすか!」と言い終えた時点で既にポチり終えていた。
恐るべしAmazon教団。
レ・ミゼラブルの初演は1985年。ロンドンだ。(原型の別物は80年フランス)
日本人キャストによる日本公演の初演は1987年。
これは是非とも観たい!と思いつつもなかなかチャンスに恵まれず、ようやく2年後、フランス革命からちょうど200年目の1989年(激動の年だった)にカミさんと観に行き、失禁するほど感動して、4年後に二人してもう一回観に行って、再び脱水症状レベルに感動した。
カミさんはさらにもう一回観ている。
鹿賀丈史、村井国夫、斎藤晴彦、島田歌穂、、、本当にスゲかった。 (野口五郎も悪くなかった)
魂を揺さぶられるほどの感動だったさ。
原作はフランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの『Les Misérables』 邦題は『ああ無情』だ。
原作の内容が深いだけに舞台の味わいも実に深い。
曲もみんなイイ。 曲はミュージカルの要だしね。
オーケストラの生演奏で聴けるのも舞台の良さだねぇ。
さて、恐怖のAmazon教団のお導きに従って買った25周年コンサートのBlu-rayは発注した翌日に届いた。

10周年コンサートも出ていて、それは以前観た。内容も素晴らしかったが、世界17カ国のジャン・バルジャンたちの母国語による『民衆の歌』の歌い継ぎがあり、日本からは鹿賀丈史が出演して歌っていたのは感動的だった。
さて、25周年コンサートはどうだろう?
その週の日曜日にカミさんと観ていたところ、息子も一緒に観出した。
我が家で一番音楽的な名前を持ちながら、我が家で唯一音楽的関心の薄い我が息子だが、珍しく最後まで寝ないで観て、さらに「この人、歌、凄いね~、上手いね~」と唸っていた。
音楽的関心の薄い息子を唸らせるほどのステージ。
そりゃ~もう、俺とカミさんは涙でグッチョグチョだ。 号泣通り越して慟哭だ。
圧倒的歌唱力。歌から来る圧倒的迫力。
台詞のすべてが歌なので、コンサートとして歌だけでもストーリーを一通り追える。
本来の舞台セットが無く、演技もその場だけの「表現」レベルの最低限。
なのに圧巻のステージだった。
1回目に観た時は感動と涙で心に余裕が無かったが、2回目に観た時はテレビの前でスタンディングオベーションしたぜ。マジで。マジで。
これでたったの1,318円。 コストパフォーマンスも圧倒的だ。
ちなみに、
ジャン・バルジャンの囚人番号、日本版と英語版で違うって知ってたかい?
って、そんな話どうでもいいか? どう違うかの理由が面白いんだけどね。(俺、自分で発見)
うん。余談ばかりで長くなり過ぎるのが俺のブログの特徴さ。
さて、話戻って、
映画版のBlu-rayの発売日6月21日金曜日に、予約していた Blu-ray コレクターズBOX が届いた。

その週末の日曜日の夜、時間を作って観ることにした。
もう近頃は親が「良い映画だぞ」と言っても素直に観ようとしない娘にも「勉強なんかしねーで、これ、一緒に観ろ」と言って、家族全員で観た。
ミュージカルの舞台の映画化というと大抵は賛否両論出るものだが、この映画に関してはネガティブな評を聞いたことがない。
俺はこの映画に、映画ならではの奥行きや規模、リアリティや絵の美しさなんかを期待しまくっていた。
そして、かの作品は俺の期待を裏切らなかった。 どころか、それ以上だった。
素晴らしい!大好きだ! 映画化してくれてありがとう!本当~にありがとう!
もう泣いた泣いた。
娘は吹奏楽部の友人が、夏祭り公演で演奏したい曲の希望として、レ・ミゼラブルから一曲出しているそうで、それもあって興味を惹かれて一緒に映画を観たらしい。
見終わって娘、「吹部でこんなの演奏したら、、、泣いちゃうじゃん!」 どうやら娘も泣いたようだ。よしよし。
定演で全曲演りたいとまで言い出した。 それやられたら・・・客席で俺、号泣だぞ。
息子も最後まで寝ないで観て満足気だった。
ただ、まだ若いもんで、ジャベールの最後の意味が分からない。 なので解説してやった。
あのシーンも泣けるな~。
映画版、
歌に関しては舞台とは歌い方や発声が違う。
例えばアップで、細かい表情で演技しながらの歌。 例えば囁くような歌。
逆に、舞台では優し発声で歌うナンバーを映画では声を張って歌ってたり。
映像作品の場合、ファンタジーでもなければミュージカルとは言えリアリティは自然に求められちゃう。
そこに舞台そのままの歌い方を持ってきたら、おそらく浮いちゃうんだろう。
これ、映画版は歌が上手くないって言ってる訳じゃない。
映画には映画用の発声や歌い方があるってことさ。 大事なのは映像と演技、その表現。歌も大事だけどそれを一番にしちゃうとダメなんだろうな。
舞台とはウェイトを置く位置が違うってことだね。
警部ジャベールを演じるラッセル・クロウが歌声渋くて、意外に上手くて良かった。 どうやらあの人、元々ミュージカルの出らしい。
ジャン・バルジャン役ヒュー・ジャックマン、良かった~。 ロングトーン痺れた。
ファンティーヌ役、アン・ハサウェイ。 掛け値なしに別嬪さんだ。
いや~、素晴らしかった。
ガチで髪を切ってるし、病気で伏せるシーンは体重を尋常じゃなく落として臨んだそうだ。 監督も「そこまでやると思わなかった」ってくらい。
この人の演技には泣かされた。
歌も良かったけど役の表現としての歌って感じがしたな。
この人の歌は、正直、舞台版より泣けた。
ウチの娘は先に映画を観て、その後で25周年コンサートを観た。
映画のファンティーヌが別嬪さん過ぎ、一方、コンサートの方のファンティーヌがちょっと太めなので娘は納得しない。
「これじゃ天童よしみじゃん!」
いや、歌は上手だからそれで勘弁してあげて。天童よしみもどっちも。
映像はリアル過ぎてちょっと引くとこもあるけどね。
マリウスやアンジョルラス、その他革命戦士たちもイイ。
最後の戦いの前日、バリケードで酒を酌み交わしながらの歌、イイねー。そして泣ける。
少年、ガブローシュ。ねー。泣くでしょ? ねー。
エポニーヌ、似てるな~と思ったら、25周年コンサートに出てたエポニーヌその人だった。
ちゃんと映画用の歌い方になってる。 泣いた~。 エポニーヌは泣きだ。島田歌穂も良かった。
コゼット、可愛いね。リトルコゼットもお姉さんになってからも。
司教役は初演の時にジャン・バルジャン演った人。もうおじいちゃんだ。
映画の場合、普通は歌を先にレコーディングしておいて、撮影時は口パクで演技するものだが、この映画は違う。
なんと、『ライブ』なのだ。 スゲー! 詳細はBlu-ray買って特典映像を見てちょーだい。
そしてあーだこーだで涙涙で・・・フィナーレ。 もうダメだ。 思い出しても泣けて来る。
さんざ色々あっていろんなミゼラブルな事があって、沢山死んで・・・・
それでも最後は、 tomorrow comes! って!
映画館で観たかったけど、もし映画館で観てたら、終わってからチョー恥ずかしいことになってただろうな。
んで、これまたどうでもいい話だが、我が家の『レ・ミゼラブル』を集めて写真を撮ってみた。
中央は日本版の舞台のパンフレット。買っておいて良かったー。 Tシャツも買えば良かったな~。
右上は日本版キャストのライブ版。 これをレコード屋で見つけた時は興奮した。
買ったのは10年くらい前かな? 歌詞カード見ながらずっと通しで一緒に歌うも、フィナーレの『民衆の歌』まで来たら泣いちゃって歌えなくなる。 絶対歌えない。
右下はロンドンキャストによるスタジオレコーディング版。
いいんだけど、ライブじゃないので迫力に欠ける。
Blu-rayあるのに、どこかの映画館でリバイバル上映したら観に行きたい。 え?やってる?近所じゃん!行くべ行くべ!
日本版の舞台ももう一回観に行きたい。「新演出」って何が変わったんだろ? 何?バリケードのセット無くなっちゃったの? それでもイイの? 観たい!
宝くじ当たったらロンドン公演とブロードウェイ公演も観に行こう。
原作も読んじゃおうかな? チョー長いんだけど、電子書籍化されてるし。99円だし。
もしも貴方がまだ観てなくて、ほんの少しでも興味がおありなら、悪いこた言わね。 観とけ。
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