2010年8月20日金曜日

100万1回目の人生

猫,ダブルで

先日の家族旅行の最終日、諏訪大社の前の『山猫亭』という蕎麦屋で昼食を摂った。

店の屋号を『山猫亭』ってするくらいだから、創業者(いつ創業なのか知らんが)は猫好きなんでしょうな。
まぁ、現オーナーがどうかは知らんけど、猫好きってノリは店の一つの要素的に引き継がれているんでしょうな。

というのも、
俺らが座った座敷席の横に何冊か本が置いてあったんだけども、その中に『100万回生きたねこ』があったのだ。



『100万回生きたねこ』(佐野洋子) こりゃ名作だな。

俺は初めて読んだ時、感動して大泣きしたよ。
って、これ、児童書なんだけどもね。絵本なんだけどね。

俺はなぜか、この本はウチにあるもんだと思い込んでいたんだが、子供らは知らんと言う。え?ウチにあるだろ? 無かったっけ? あぁそう、無いの。
ってことで、順番に読ませてみた。

息子の感想「ふ~ん。サーカスのおじさん、アホだねー」
娘の感想「・・・うん・・・」

リアクション薄いのぉ~。とーちゃん、これ読んだ時は泣いちゃったんだぜ と言いながらまた読んで、、、うぅ~、泣ける~。

するとカミさん、「この話はね、大人が期待するほど子供の心には響かないのよ」
そうなん? ふむふむ・・・
なるほど・・・そっかー。
この本読んでグっとくる程には人生経験が深くないからね。
輪廻転生の”宗教的”な意味も知らんしね。
さらには「愛」については今のところは受けるばかりだしね。
今ひとつピンと来ないか。

そしたら大人になったらもう一回読んでみ。
って、大人のための絵本かよ!あぁ、そうかもしれない。


おっと、輪廻転生とか宗教的って言葉を使ったけども、この物語が宗教くさいとかそういう意味じゃない。
教訓じみてる訳でもない。
もっと単純。 泣けるが心は洗われるな。

100万回も生きては死に生きては死んだ猫が、最後にようやく大切なものを見つけ、知り、得、やがて哀しみも。そして彼の魂は・・・
って話。 あ~、マジで泣ける。 サーカスのおじさん、アホだし。(でも泣いちゃうのだ)


輪廻転生ってのは、死への不安や恐怖や、生きること自体の厳しさと折り合うために人類が発明した宗教上の概念に過ぎない。
ま、そこに魂の浄化とか昇華とかもトッピングして、より良き来世のために今と真摯に向きあおうとかね。
って、それはつまり、来世と言いながら今生のための精神論だったり。
と、ようするに俺は輪廻転生そのものは信じてないが、その概念や観念、宗教的世界観はアリだと思っている。(信仰とは別の意味で)

その、アリだと思っているけど、信じてないだけに、
この本を読んで思うのは、
俺の今のこの人生は100万1回目の人生でありたい ってことだな。

って、訳わからんこと書いちゃったけど、ノリで理解してくれ。

ついでに言えば、
死んでも魂は残るって言ったりするじゃん。
あぁ、確かに。そりゃ残るだろう。
でもそれは物理的・物質的に残る訳じゃなく、その人を見てきた人たちの心の中に残るってことだ。
だからこそ、生き様ってのが大切なんだよな。

ってのは物語とは関係ないことだが、そういうところまで考えちゃうのさ。

何しろ俺はこの本、超ウルトラ大好きだし、名作だと思うぜ。ラッケンロー!


そしてもう一つ。


その店には同じ作者のもう一冊の絵本『おれはねこだぜ』が置いてあった。

まず息子が読んで、笑っていた。
次に俺が読んで、、、蕎麦屋で爆笑!(厳密には一人で”爆笑”は誤った用法だが、誇張表現としてはアリだろう)
娘とカミさんにも回してみんなで読んだ。

これは傑作だ! 掛け値なしに素晴らしい!
猛烈にシュールで強烈にホラーな爆笑ファンタジーだ。

「サバを食べたな~」飛んで来たでぇ、アーーーハッハッハッハ!
「おれはねこだぜ!」ブハハハハ!
右を向いても・・・左を見ても・・・・ ギャハハハハハ!
で、ねこの最後のセリフ ・・・ ヒャーーーッヒャッヒャッヒャッヒャ!やっぱねこだぜ!

と、そんなお話。
訳わかんないね。まぁ読んでみ。


2冊とも文句なしにオススメだ。

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