バイカーズウォレット？

チェーンはご勘弁　ロープでヨロシク

財布の話をしよう。
俺は、財布と言えば二つ折りタイプ派だ。
自分で財布を買うようになってからず～っとそう。
長いタイプは柄じゃないし。
今後も、未来永劫財布と言えば二つ折りタイプだ。

と、去年の晩秋まではそう思っていた。

去年の晩秋まではね。うん。そう。今の俺の財布は長いタイプなのだ。
柄じゃないって？ 俺が一番そう思ってたさ。
でも長いタイプっつっても色々あるもんでねぇ。


去年の晩秋。俺の誕生日の数週間前のこと。
おっと、これは世界的に有名な話だが、万が一知らない人が居るといけないので話しておこう。
俺の名前には、俺の誕生日が記されている。
タイケーの圭の字。
漢数字の十一十一を縦に重ねて 圭 。　そう、俺の誕生日は11月11日なのさ。
ま、あまりにも有名過ぎてうんざりする話な。

話戻して、
俺の誕生日の数週間前。カミさんに欲しい物はないか？と尋ねられた。
使っている財布がくたびれて来てるので、財布が欲しいと答えた。
もちろん、二つ折りタイプ。
牛のヌメ革の、がっしりした財布が欲しい。
ヌメ革ってのは、なめしただけで染めや塗装がしてない革ね。
使い込むうちに自然に飴色に変わって行く、その過程を味わいたい。

と、そんなこんななある日、家族でみなとみらいに買い物に出た時、革製品専門店に立ち寄ってみたのだ。
おぉ～、あるわあるわ。
革製の財布やらバッグやら、魅力的な商品が山ほど売られている店だった。

財布と言えば二つ折りタイプ。
と思っていたのだが、そこにいくつも置いてある、長いタイプの方に目が行ってしまう。
あらら、これ・・・
長い財布っつーと、おっさんや、いけ好かない兄さんが持ってるいけ好かないタイプのピカピカしたタイプを想像しがちな俺だったため、ヌメ革でカービング装飾され、コンチョが付いてる財布は、改めて見てみると意外にも良い按配だった。

あー、なんだ？ マズイぞ。 俺は二つ折り派だったはずだ。何だ？この感覚・・・
駄目だ。今日は決められない。　と、店を出た。
何だか頭の中がグルグルでもやもや～な感じ。

帰宅し、落ち着いてから、今度はネットで探してみた。

バイカーズウォレットと言うらしい。
バイカーなのに、今までその名称は知らなかった。
ジーパンのケツポケットに入れた時、上にはみ出す部分がかっこ良く見えるようにコンチョが使われたりしている。

今まで見たことなかった訳ではないのだが、なかなかヌメ革のカッケー財布を持ってる奴は居なくて、さらに、落としたりパクられたりを防止するため、チェーンを付けてベルトのキーホルダーに繋げてる奴が多い。
まぁ若い人ならイイけどさ、いい年ぶっこいてのチェーンはないよな。あれは勘弁だわ。

しかし、探せば渋くてカッケーのも結構あるものなのだ。　まぁそういうのはなかなか渋いお値段だが。

あれこれ見ているうちに、もう完全にバイカーズウォレット狙いになってしまった。
俺のポリシーは揺るぎないと思ってたのに、ここに来て転向とは！

カービングの派手なやつ、やシンプルなやつ、蛇革と合わせたやつ、あーだこーだ、なんやかんや、色々あって面白い。

長いことあれこれ見ていて、ついにあいつに出会っちまった。

「おぉ～～～！これだぁ～～～～！」

候補をいくつかピックアップして、最後にその中の一番いいのを選ぶ　ってのとはまるで違う。
もうピンポイントでこいつしかないって感覚。
こういう感覚は大切にしなきゃいけない。もうこれしかない。

カミさんに伝えた。「かーちゃん、これ買ってー！」

カミさん、ネットで発注。
めでたしめでたし・・・とは行かなかった。
「在庫あり」と表示されていたにもかかわらず、納期60日。

「ふざけんな！」とキャンセル。
同商品を扱う別のショップを探し問い合わせるも、メーカー側は基本的に受注生産で職人が手作りで作ってるので納期はやはりそれくだい掛かるとのこと。

だったら商品ページにそう書いておきゃいいのに。

俺は何しろその商品に首ったけ状態だったため、こうなりゃ納期なんかどうでもイイぜってことで、カミさん、改めて発注。
「他にもっと安く出してるお店もあったんですけど、そちらの対応が一番良かったのでそちらで買うことにしました」などと店のご機嫌を取ることも忘れない、あっぱれなカミさんだ。
この働きかけに対して店側は、・なるべく早く納品できるように務める　・メーカーには革の一番良い部分で作るようにねじ込んでおく という2点を約束してくれた。
ハハハ。　一番良い部分て・・・まぁサービストークだろう。


その問題の財布が我が家に送られて来たのは、なんと去年のクリスマスだった。
改めて、バースデイプレゼントとしてカミさんから手渡された。
オー、サンキュー！スウィートハート！素晴らしい財布だぜ！！！

と、まぁそんなこんなな今の俺の財布が、コレだ！！！

ハーフダラーコンチョ付き。　キーホルダーもセットだ。
キーホルダーは、革の部分をグルっとベルトに回してパチンと留め、下の金属のパックン部分にキーリングを付けて使う。

このカービング（彫り）、シンプル過ぎず、派手でなく、スッキリでバランスも良く、そーとーイカしてる　と思うんだな、俺は。

カービングをもっと良くみて見よう。

ね、美しいでしょー。　首ったけになっちゃった気持ち、分かるでしょー。わかんねーか？あーそーか。

そういえば、本当にイイ～部分の革が使われてた。
色ムラもヨレも擦れもキズも汚れもなし。 わずかにカービングのキズがあったくらい。
捩じ込みは本当だったのか？ 本来この商品は常に良い部分を使うのか・・・

中はこんな感じ。

カードなんかは、前に使ってた二つ折りタイプの方が沢山入る。


そして、このエッジ処理に注目して欲しい。

これ、凄いでしょ？
普通、こういうのって、ロウに浸したタコ糸で縫ってあるんだけど、糸じゃなくて革紐。
しかも、編み込みながら通してある。
ハンパねーっす！


チェーンもおまけで付いていたので、とりあえず付けてみた。

やっぱ、いい年ぶっこいてチェーンはないよな。ハハ！
まぁ普段はバッグ（やっぱり革）に入れてるからイイんだけども、遊びに行く時なんかはジーパンのケツポケットに入れる訳で、そうなるとやっぱ、落としたりパクられたりは心配だ。

なので、そんな時用の、革紐を編み込んだロープを買った。（これは自分で）

色がちょっと違うけど、そのうち財布の方はこのロープに近い色に変わっていくことだろう。
実際、ジーパンのケツポケットに入れて、ベルトに付けたキーホルダーと革ロープで繋がっている様を撮っておけば良かったな。

コンチョ（丸い金属の部分ね）は、そのうち、インディアンジュエリー（ホピ族が好きだ）のシルバーコンチョに付け替えたいと思ってるんだが、これがまたイイお値段でねぇ。


と、まぁ、いつもに輪をかけて、テンション上がってま～っす。