ハーレーとハーレー乗りのオーラ

お姫様は・・・

先週の日曜日のことだ。
所用のため車で首都高に乗り、P.A.で休憩してタバコをふかしていたところ、爆音系違法改造マフラーを付けたハーレーの音が聞こえてきた。

音の後から現れたのは、ローライダーというモデルに乗る、ワイルドなおっさん。
「俺は『ちょいワル』なんてのが流行るずっと前からこのスタイルだぜ」みたいな雰囲気。

ハーレーは見た目の派手さは抑え、こだわりの利いた小粋なカスタムをしている。
数年前の年式のようだが、ピカピカだ。

おっさん、少し離れたところからじっと俺が見詰めているのに気付き、”どうだい、俺のハーレー、カッコイイだろ？”みたいな視線を投げかけてきた。
近付いてちょいと世間話でもしようかと思ったらトイレに行ってしまった。

おっさんが帰って来た。
すぐに出なさそうなら話しかけてみようかと思うや、P.A.の工事現場のおっさん（これまたワイルド）に先を越されたので遠慮した。

工事のおっさん居なくなるも、ワイルドなおっさん立ち去る気配なし。
ちょっと行ってみようかな？

と、またもやハーレーの音。
今度はソフテイル・スタンダードというモデルをバッキバキにカスタムした、さらにワイルドなおっさん登場。
図体もデカく、おっさんもハーレーも黒ずくめ。
しかも、おっさんなのにロン毛だし、チェーンもジャラジャラさせている。
このおっさんに比べたら、先のおっさんは生徒会長だ。

Mr.ロン毛ブラッキー、先のおっさんと挨拶を交わし、ローライダーの隣に停めて二人で談笑し始めた。

ワイルドなハーレー2台とワイルドなおっさん二人。
ヤバい雰囲気に呑まれてしまい、俺、失速。


思うに、ハーレーってのは、集団になるとお祭りじみてしまい、２～３台だとヤバい雰囲気になりがちだ。

とは言え、俺と川上がハーレーでツルんだ様は全然ヤバくなく、雰囲気としちゃ平和で友好的だと思うんだけどな。

それで野山にでも行った日にゃ、小鳥達は寄って来て俺達の肩にとまり、リスや仔鹿や野うさぎ達が楽しそうに併走しちゃうだろうね。
ついでに池からは別嬪さんが出てきて、
「私はこの池の精。あなたが落としたのはこの金のヘッドライト？それともこちらのクロームメッキのヘッドライト？」
「落としてねーっつーの！」
「あなたは正直者なので、この金のヘッドライトを・・・」
「いや、くれるならクロームメッキの方ちょーだい。」
と、そこに小人達がやってきて、
「王子様、姫に口づけをして眠りから覚ましてください。」　なんと、お姫様はリア・ディゾンだぞ！
え？マジで！？どっちが？なんつって、必死の形相でジャンケンポーン！
さらに、助けてもいない亀が「竜宮城へ・・・」
丁重にお断りするとお次は、
「私がはた織りしているところを見てはなりませぬ」
知らねーよ！見ねーよ！てかお前、鶴だろ！
赤い服を着たちょっとポッチャリ目な少女は、あり得ないくらい長～いブランコをあり得ない高さまでこぎならがら、口笛が聞こえる範囲についての哲学的思索に耽り、
ブレーメンの音楽隊はハーレーを誉めそやして去っていき、狼少年は悔い改め、鬼ヶ島は周辺住民との共存に向けて和平交渉のテーブルに着く。

ぉおっと・・・　ヤバいのは俺の頭ん中か。
ファンタジーだぜ イェ～イ！