2011年6月23日木曜日

ビッグマン - クラスンス・クレモンズに捧ぐ

NONUKESの想い出

Bigman
ビッグマンことクラスンス・クレモンズ氏をご存知だろうか。
かの Eストリートバンドのサックス奏者である。

Eストリートバンドをご存知だろうか。
ブルース・スプリングスティーン&EストリートバンドのEストリートバンドである。

ボスことブルース・スプリングスティーンをご存知だろうか。
知ってる?うん。アメリカ万歳愛国ロッカーってか。
それはちびっ子が大きな鉄塔を見て「東京タワーだ!」と言うのと同じくらい誤った認識だ。 かなりな誤解だ。

まぁ愛国者ってのは間違ってないかもしれない。
愛国者故に体制による圧迫からの自由を歌うことで、その国のよりよい形を考えるのさ。

レーガン政権時代にリリースした『Born In The U.S.A.』が空前の大ヒットとなり、ついでにこの曲がレーガン政権に上手いこと利用されてしまったために、この時の印象でアメリカ万歳ロッカーという誤った認識が流布されてしまった感がある。
また同名のアルバムのジャケットに星条旗が使われたことも誤解に拍車を掛けたかもしれない。
でもあのジャケット、よく見てみてみ。
見様によっては、星条旗に向かって放尿してる風にも見えるんだぜ。

とは言え、チャキチャキの反体制派かっていうとそうでもなく、まぁ体制による抑圧や保守的な縛りから自分がどうありたいかってところを歌ってる感じと言えるかな。労働者階級の代弁者とでも言うべきか。
誤解してる人はそこんとこ踏まえて聴き直してみると新たな発見があるかもよ。


で、話戻って、ビッグマンことクラレンス・クレモンズ。
昔はYouTubeも無かったし、スプリングスティーンのライブって正式ルートでは発売されなかった(おそらく「ライブ」を大切にしていたからだと思われる)んで、テレビで時々チラっと流す映像くらいしかソースが無かった。
そんなんでしか見たことないのだが、ステージでのビッグマン - クラレンス・クレモンズはスプリングスティーンに負けないくらいイカしてた。
スプリングスティーンとの絡みなんかハンパねえし。
スプリングスティーンもクラレンス・クレモンズも「ライブ」を大切にしてるんだなぁ。座右の銘は「一期一会」だろうなぁ。って感じだった。「イチゴイチエー」

で、なんでクラレンス・クレモンズの話をしてるのかっつーと、前回のトピックを上げた直後、「クラレンス・クレモンズ死去」のニュースが舞い込んで来たのだ。

なんとショックな・・・・
スプリングスティーンがコメントを発表していた。

素晴らしい人たちがどんどん亡くなって行くなぁ。


実は、原発の事を書いた時にチラっと触れた、『NONUKES』(ノーニュークス)について、スプリングスティーンとビッグマンの話を中心に一本トピックを書いてみようと思っていたんだが、なん~となく勢い喪失してうやむやになっていた。
これを機会に、ちょっと書いてみたい。

『NONUKES』ってのは、アメリカでスリーマイル島原発事故が起きた後に沸き起こった反原子力運動。
西海岸系のいろんなミュージシャンが集まって、反対運動というよりは啓蒙活動的に反原子力を訴えた。
同時に代替エネルギーとして太陽光発電なんかを提唱してる脳天気さも興味深い。流石西海岸系。

その活動の集大成として、1979年、マジソン・スクエア・ガーデンで5日間に渡ってチャリティーコンサートが催された。
出演者全員NYまでの飛行機代と日当30ドルは出たがギャラは無し。収益は反核運動や支援団体にすべて寄付。
このコンサートの出演者が凄い。
ブルース・スプリングスティーン&Eストリートバンド
ジャクソン・ブラウン (ジェームスじゃないよ!ジャクソンだよ!)
ドゥービー・ブラザーズ
クロスビー・スティルス&ナッシュ
ジェイムズ・テイラー
ニコレット・ラーソン
ライ・クーダー
チャカ・カーン
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ
ジョン・ホール
ボニー・レイット
カーリー・サイモン
とか・・・

ニコレット・ラーソン!懐かしいねぇ。このコンサートではドゥービーをバックに "Lotta Love" を歌っている。
残念ながら彼女、1997年に亡くなってるんだね。

ドゥービーはマイケル・マクドナルドの頃ね。

クロスビー・スティルス&ナッシュはこれが再結成コンサートだった。

ライ・クーダー、若いよぉ。(みんな若いけど)

トム・ペティはまだペーペー(←死語?)で、会場のデカさに圧倒されてさっさとステージ降りたんだと。

コンサートの模様はレコード化され、記録映像も・・・あれは映画化されたんだっけ? よくわかんないや。


とは言え当時の俺はこんなこと全然知らない。
まだガキで洋楽どっぷりじゃなかったし、スリーマイル島事故に関しては完全に対岸の火事モードだった。

それからかな~り経ってから、このコンサートについて知った。
レコード、買ったさ。3枚組、豪華ブックレット付きだ。
大事に取ってある。

取ってあるだ~ぁ。ええいべらぼうめって、今朝、クローゼットの奥に潜り込んで汗だくになって発掘し、チャチャっと写真撮ったぜ。

あ、手ブレちゃってるじゃん。
しょうがないから恐怖のAmazonに出てるCDのジャケット写真を拝借しちゃおうか・・・とも思ったんだが、やめた。
デザイン同じでも、色味が違うし、質感が全然違うんだよな。大きさもあって。

そんで、ジャケット見開き。


あー、スプリングスティーン、中央なもんで、顔がグチャグチャになっとる!

そしてさらに、、、


レコード入れる中袋にも写真満載! 昔の「豪華LP」って、こういうのが嬉しい。
ブックレットには MELTDOWN の文字が! 原発の解説もあるぜ!

このレコード、いつかPCに取り込んでデジタル化しようと思ってたんだけど、面倒だからやめた。
CD買うわ、もう。コンチクショーめ!

後に、映像がLD化され、それも買ったんだが、今朝、LDは発掘できなかった。
DVDは出てないっぽい。


何しろこれは本当に素晴らしいコンサートだ。
チャリティーコンサートとしてはカンボジア難民救済コンサート(これも素晴らしい!)やバングラデシュ難民救済コンサートに比肩するほどのものだ。

そして、なんと言ってもこのコンサート、スプリングスティーン&Eストリートバンドがハンパねーの。
ジャクソン・ブラウンと一緒に歌う『Stay』とか堪んないの。
クラレンス・クレモンズなんか、コーラス入れちゃったりしてんの。
で、、、この『Stay』が終わってエンディングがグワ~~~ンって鳴りっぱなしで続いてるところに、ボス(スプリングスティーン)のカウントがオフマイク気味に入るのね、「ワン!ツー!スリー!フォー!」 そしてロックンロールメドレーにもつれ込む時のコーフンったらああた、もう、大変なものよ!
俺はその瞬間、何度失禁したことか!
試しに俺が死んだらすぐにこれ流してみてみ。生き返っちゃうから。
そのメドレーもほん~~~~とスゲーの。 テンション上がり過ぎて号泣するぞ、マジで。 慟哭かもしんねえ。
ボス吠えまくり、ビッグマンのサックス、叫びまくりの泣きまくり。

ものすごく残念なのが、この『Stay』からロックンロールメドレー、ベストパフォーマンスがレコードには残されてるんだけど、映像で残ってるのは別の日のやつなのね。(YouTubeにも上がっている)
いや、それも悪くないんだけど、レコード化された時のパフォーマンスは神懸り的で本当にスゲーの。
あれを会場で生で聞いた人たち探し出してハゲ率調べたら、多分尋常じゃなく低いだろうね。

ちなみに、
これまた残念ながら、レコードにも記録映像にも入ってないんだが、あの名曲『River』のPVは、このコンサートでの映像。

古いロックが好きなのに、『NONUKES』は聴いたことないってことなら、悪いこと言わねえ。聴いてみなされ。


しかしビッグマンは残念だ。
ビッグマンの御霊の安らかたらんことを。

しばらくスプリングスティーン聴き直そう。
特にサックスをじっくり味わって聴こう。

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