2011年6月15日水曜日

スティーヴン・タイラーとジェニファー・ロペスの仕事っぷり

あんな風なジジイになりたいもんだ

数ヶ月前、シンディー・ローパーがどこぞの空港ロビーで、飛行機が遅れていきり立っている搭乗客たちの間からヌルヌルっと出てきてカウンターのマイクをひっつかんで歌い出し、その場を和ませたなんてニュースがあった。
シンディー・ローパー、特に好きじゃないけど、イイヤツだな。

それよりさらに半年以上前、
アメリカのどこぞのホームセンター。 いきり立つ客もおらず、何も問題ない平和な状況で、たまたまそこに買い物に来ていたスティーヴン・タイラーが、場内マイクをひっつかんで歌い出し、ホームセンター内ゲリラライブの様相で大いに盛り上がったってニュースがあった。
何やってんだあのジジイ!ブハハハ! ウチの近所のホームセンターにも来てくれないかなぁ。
久々にスティーヴン・タイラーの消息(消息って!)を聞いて、妙に和んだ。

その事件の数ヵ月後、アメリカFOXテレビから凄い発表があった。

もう今年でシーズン10となる、『アメリカン・アイドル』という、歌い手さんのオーディション番組がある。
「アイドル」ってのは日本での意味とはニュアンスがちょっと違うな。 ま、語り出すと長くなるんで割愛。
『アメリカン・アイドル』、
全米各地の地方予選から始まり、約10万人から数百人に絞られた応募者はハリウッド予選に進み、グループ審査など数週間に渡るあれやこれやの後24人のファイナリストが決定。
セミファイナル以降は視聴者投票により下位が落とされて行き、12人からファイナルステージ。毎週一人ずつ落とされ、最終的に残った一人が優勝。
この番組の面白さを言葉で説明するのはかなり難しい。
それぞれの段階にそれぞれの面白さがあり、数々のドラマがある。
「ドラマ」に関してはノンフィクションな分、か~な~りドラマチックだ。

で、この番組の名物審査員としてシーズン1から9まで務めた、サイモン・コーウェルっておっさん(イギリスの音楽プロデューサー。イギリスのオーディション番組の審査員でもある)、9を最後にもうやらないってことで、今年は誰になるかってのが始まる前の話題だった。
サイモン・コーウェルは凄かった。チョー辛口審査員なんだが、言う事一々ごもっとも。でも褒める時はきっちり褒める。キャラ的にもかなりのもので、この人が居なくなったらこの番組終わっちゃうんじゃないか?くらいの重鎮だった。

FOXからの重大発表ってのは、サイモン・コーウェルの後の新審査員の発表のことだ。

「シーズン10の新しい審査員は、スティーヴン・タイラーとジェニファー・ロペスです」
わーーーーーーーー!スゲーーーーーー!マジでかーーーーーーー!
スティーヴン・タイラーを知らない人のために書いておくと、エアロスミスのボーカルで、永遠の悪ガキなジジイ(御年63歳)だ。Wikipediaの情報によると、たい焼きとポンジュースが好きらしい。

さて、審査員。
スティーヴン・タイラーにそんなことさせてイイのか? 放送できるのか? 喋ってる間中「ピー」になっちゃうんじゃないのか? って心配したのは俺だけじゃないだろう。
でもそのインパクトならサイモン・コーウェルに太刀打ちできるっちゃできるかもね。

ジェニファー・ロペスは俺は特段興味は無かった。
歌は全然趣味じゃないし、雑誌の写真やPVとかで見る分には容貌も俺好みじゃないし。

かくして、シーズン1からずっと審査員やってるランディ・ジャクソン(マイケル・ジャクソンの兄ちゃんとは同姓同名の別人。セッションミュージシャンでプロデューサー。サミュエル・L・ジャクソンが従兄弟)と、スティーヴン・タイラーと、ジェニファー・ロペスの3人体制で、『アメリカン・アイドル』シーズン10は始まったのさ。
後ろに居るのは司会者のライアン・シークレスト。ほんとスゲーいい奴

この番組の特筆すべきポイントは、地方予選の最初っからすべてのオーディションを同じレギュラー審査員が審査するところだ。
地方予選で約10万人だよ!これ、全部やる。
普通、こういったオーディション番組は予選はスタッフが審査して、本選だけレギュラー審査員(日本だと都倉俊一とか阿久悠とか・・・古っ!)が出てくるってパターンだけど、この番組は違う。
またそこが面白いところなのだ。

地方予選はかなり痛い勘違い野郎もわんさか押し寄せて逆の意味で凄い歌を聞かせてくれたりする。
シーズン9までは、サイモン・コーウェルがそんな野郎ども(女性も居るけどね)をバッサバッサと斬りまくっていた。

自信たっぷりで大口叩いていたとある参加者、歌の先生のお墨付きも貰っているというが、歌い出したらチョー下手くそ。
「君、歌の先生が居るんだってな?」「はい。居ます」「今すぐ訴訟を起こせ!」 てな具合。

さあ、スティーヴン・タイラーとジェニファー・ロペスの審査員っぷりはどうだ?

いや~~~~、ジェニファー・ロペス、チョーーーーーー可愛い。なんて美しい!素晴らしい!参った。完全に参った。どうしても付き合いたい。
彼女は慣れるまで、なかなか批判的な事が言えなかった。
もうどうしようもなく下手くそで合格する訳ない参加者に、「靴が素敵ね♡」とか言ってあげたりする。
いい人だな~。
ちなみに、People誌の「世界一の別嬪さん2011年」に選ばれたそうだ。

で、スティーヴン・タイラー、意外にも「ピー」は1回の放送につき、1~2回くらいしか出なかった。(しかって!) いや、「ピー」無しの時もある。
応募者が歌っているところに合いの手を入れたり、テーブルを叩いてリズムを刻んだり、一緒に歌ったり、シャウトしたりもする。
基本的に優しい。審査の時も真っ向から否定することはほとんどない。
ランディ・ジャクソンがある参加者に、「君には歌の才能は無い。他の道を探すべきだ」とハッキリ告げても、スティーヴンはその参加者を真っ直ぐ見つめて、"Practice hard!"(一生懸命練習するんだ)と言っていた。
そうかと思えば、番組では昔から合格者に対して次の予選会場の「ハリウッドへ行けー」って言うことがあるのだが、スティーヴン・タイラーはどうしようもない応募者に「お前はシベリアに行けー!」って言ったことはあった。チョー笑った。

ちょいとこれは心打たれたエピソードなんだが、
とある男性参加者で、婚約者が交通事故に遭い半死半生から生還したものの、麻痺が残り車椅子生活になってるってのが居た。
VTRで紹介していたが、事故前はかなりの別嬪さんだったのに、事故後は表情も痛々しい。
それでも彼は彼女を愛してると言う。
そんな彼の歌う歌は審査員全員と、もちろん番組を観ている視聴者の心を震わせた。

聞けばフィアンセは会場に来ていると言う。
スティーヴン・タイラーと審査員たちは、彼にフィアンセを連れてこさせた。
審査員全員が車椅子の彼女と握手したりハグしたりしながら、彼を称える。
そしてスティーヴン、彼女をハグしながら、耳元で囁いた。
「あいつは君のをことを想って歌ってるから、あいつの歌は聞いてる人の心に響くんだぜ」
そして彼女のほっぺにキス。

うっわああああああああ、スティーヴン・タイラー、カッコ良すぎる。 そして俺は泣いた。


わっ!もう随分書いたのに、まだ地方予選の話か!急ごう。
それから半年あまりに渡る予選・セミファイナル・ファイナルと、あれこれ色~んなドラマがあった。
13人のファイナリスト達も個性豊かで、予選の時からガンガン成長して箔をつけて来る子もいたりで、かな~り楽しめた。
スティーヴン・タイラーはいちいちカッコイイし、「ピー」だし、おもろいし、結構いい事言ったりもする。
ジェニファー・ロペスは可愛いし綺麗だしグッと来ちゃうしコメント素敵だし可愛いし綺麗だし付き合いたいし可愛いし別嬪さんだし。

あ、そういや本選のある日、客席にジョー・ペリー(エアロスミスのギタリスト)が観に来てて、司会者に紹介された時、スティーヴン・タイラー、後ろ向いて「よっ」って手を振ってた。
な~んだ、なんやかんやで仲良しなんじゃん。 なんか嬉しい。

スティーヴン・タイラーの誕生日を祝うサプライズで、スティービー・ワンダーが登場して『Happy Birthday』を歌ったのもスゲかった。

そして最後の最後、二人残って優勝決定の日、ゲストも豪華で華やかだった。レディー・ガガ、ビヨンセ、ジューダス・プリースト(ジジイでワロタ)、トム・ジョーンズ、よく知らないカントリーの大物、ファイナリストたちのステージも。そして最後にスティーヴン・タイラーのステージ。 なんとなんと、『Dream On』を歌ったよ。ピアノ弾き語りから始めて。 最後のあの高音シャウト、63歳で見事に歌いきった。凄過ぎる。マジで凄過ぎる。カッコ良すぎる。

あんな風なジジイになりたいもんだとつくづく思った。
でも普通はあんな風にはなれないわな。俺はおそらく禿げちゃうな。アハハハハ。
いや、じゃなくて、いつまでも悪ガキで居られるってことさ。ハンパな「ちょいワル」とか「悪党」とかじゃなく、悪ガキ。

そして最後の最後に全米からの投票結果が発表される。
なんと、今回は番組史上最高の投票数。その回だけで1億2千2百万票だと。ヒエー。日本の人口に匹敵じゃん!
優勝は・・・・ おぉ~~~!そっちかーーーー!

スカパー、ケーブル、光TVなどなどで、FOX TV が観られる人は、今後もおそらく再放送あるから、是非観てみて欲しいぜ。
『アメリカン・アイドル シーズン10』
おもしろいよ~~~。マジでマジで。 いやもちろん9以前もね。

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