2011年6月20日月曜日

永遠の0(ゼロ)

児玉清さん、ありがとう

テレビ番組の番宣で、「○○、号泣。その訳は」とか言っても番組見ると、ちょっと涙浮かべた程度。
「爆笑!」と言えばくすりと笑う程度。
ちょっと強い調子で反対意見を述べるのは「ブチ切れ」
出演者の間でちょっとした意見の対立が起きれば「大論争」
「美人○○」は大抵どってことない。(でも極稀に本当に美人なので困る)

こういった諸々は、視聴率を稼ぐための「嘘」。つまりは詐欺行為だ。
そんなことばっかりやってるから、ついに、ゴールデンタイム民放各局軒並み視聴率1桁なんてことになっちゃうんだよな。

さてそれじゃあ、本の帯に付いてる宣伝文句はどうだろう。
こういうのは微妙な表現が多いのであまり問題になるものってないかもしれない。
「繊細なタッチで描くミステリー巨編」 ・・・おぉ、って思うけど微妙だ。
「巨匠の見事な筆致に唸らせられること請け合い」 ・・・断言してるけど実は微妙だ。
「〇〇賞受賞作品」 ・・・事実だが、受賞作だから自分にとって面白いとは限らない。微妙だ。

後は解説の一部を引用するパターン。
「私は未だかつてここまでホニャララな物語に出会ったことは無かった」 ・・・ってのは解説者の個人的見解に過ぎない。微妙だ。
ただし、こういった場合、それを言ってるのは誰なのかってのが重要になってくる。

さてそんな中、
「僕は号泣するのを懸命に歯を食いしばってこらえた。が、ダメだった。目から涙がとめどなく流れた」
という解説の一部を引用した作品があった。
その解説を書いたのは、故 児玉清さんだ。

実はいくつか前のトピックで児玉清さんについて書いた時、児玉さんが解説を書いた小説を調べていてみつけたものだった。
その作品のタイトルが、
『永遠の0(ゼロ)』 百田尚樹 (講談社文庫)

ゼロ戦乗りの話で特攻の話も出てくるが、単なる「戦争小説」じゃあない。

さてその児玉さんの解説の「号泣」
これはどうなんだ?と。
本を読んで泣くことはあるが、「号泣」ってのはないんじゃないかと。
本読みながら「わーわー」叫んで泣いてる人居ないでしょ、いくらなんでも。

じゃあ、これも詐欺?
いやいや、児玉さんは「解説」を書いた訳で、その部分が帯に引用されるなんて書いてる時に意識してるとは思えない。
そもそも、児玉さんて文芸書評や本の解説は「本業」じゃない。
なので、本当に自分が気に入った作品にしか解説は書いてないような気がする。ま、児玉さんが解説書いてる他の作品なんかを考えるとね。

ということは、ここで言う「号泣」ってのは、誇張表現だな。と都合よく解釈。
俺がブログで時々、「俺の涙は滂沱となって大河を成し・・・」なんて書いてるのも誇張表現だ。

まぁとにかく、児玉清さんが解説書いて、さらに号泣なんて書いてる作品なので俄然興味を覚え、恐怖のAmazonで発注したのだ。

本の表紙裏の概要の冒頭を引用すると、
「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。
う~ん、、、深そうだな。

そして読み始めた。
あと残り43ページほどになった時点で、仕事帰りのバスの中だった。
ちょっと読んでいられなくなり、本を閉じた。
悲惨でとかじゃない。作品が酷くてってんでもない。 それ以上読み進めたらバスの中で泣き出しそうだったのだ。

そして帰宅し、真夜中に独りで残りを読んだ。
涙、出る出る。 富士の裾野の湧き水のごとくだ。(←誇張表現)
そして、涙と一緒に、声まで出た。「うぅ~~~」って。 これは誇張でもなんでもない。マジだ。
ティッシュボックスからティッシュ抜いて「うぅ~~~」言いながら涙と鼻水拭い拭い読み終えた。
読み終えてさらに3枚ティッシュを消費した。

いや~、これは参った。
ぶっちゃけ「小説」としてはツッコミどころも少なくはないのだが、それを補って余りあるほどの素晴らしい作品だ。


太平洋戦争については、人によって関心度の違いはあるだろうけど、誰もが何かしらの形で、どういうものだったのかを知り、考える必要はあると思う。
そのための情報は、資料であったりノンフィクションであったりフィクションであったり、漫画でもドラマでも映画でも、様々な形のもので良いと思う。
俺の中の、そういったものの一つに、この作品が追加されて本当~に良かったと思える。

今、カミさんに貸しているが、そのうち娘にも息子にも読んで欲しい作品だ。

ちょっとでも興味を覚えたなら、あなたも読んでみるといい。
もしも万が一気に入らなかった場合、俺が買い取って差し上げよう。それくらいオススメ。
買い取りは、文庫・新品・Amazonの伝票付きが条件だ。送料および振込み手数料はそっちで持ってくれ。

児玉清さん繋がりで、こんなに素晴らしい作品に出会えて、本当に良かった。
児玉さん、ありがとう。

2 件のコメント:

  1. どもです

    トピ読んでいて
    すでに
    泣きそうになりました
    恐怖のアマゾン行きました
    カートに入れるに
    決まってますわ
    こりゃヤバイわ
    表紙でヤバイわ
    “永遠の0(ゼロ)”
    ヤバイでしょ、、、普通に

    タイケーっ
    ありがとう!

    返信削除
  2. 川上ぃ~! コメントどーもありがとー!

    > トピ読んでいて
    > すでに
    > 泣きそうになりました

    マジっすか!

    > 恐怖のアマゾン行きました

    行きましたか!

    > カートに入れるに
    > 決まってますわ

    入れましたか!!素晴らしい!

    > “永遠の0(ゼロ)”
    > ヤバイでしょ、、、普通に

    ヤバいヤバくないで言ったらそーとーヤバいね。うん。
    作者はかなり緻密な取材をしているようで、フィクションながらノンフィクション的なところもあり、その辺もナイスです。
    「戦争」はろくでもないことだけど、その中で、家族を想い、あるいは国を想い、”仕方なく”散っていった人たちが居て今があるんだよね。
    ただ否定するだけじゃなく、考えなきゃいけないことだよねぇ。

    > タイケーっ
    > ありがとう!

    おっと、礼なら児玉清さんに言ってくれい。

    返信削除

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