プロの情熱
Wikipediaから貰って来た |
「所有者による管理が行われておらず、占有離脱の状態になっている自転車」のことを放置自転車って言うんで、停めちゃいけない場所に停めて、持ち主居なくなれば、それは放置自転車。
歩行者にも車にも邪魔になるし危ないよな。
「邪魔にならないところにちょっとの間だけ」ってのもNGだ。 結局なんだかんだで邪魔になってんだよ。
放置させないように見張りのおっちゃん立てたり、撤去や保管なんかの費用に使われる税金ってどれくらいだろ?
放置自転車してる奴は「税金高い!」って文句言う資格ないな。
と、今は思うものの、若い頃はアチコチで随分自転車放置プレイをしてきちゃった俺さ。
(反省してるぜ。ラッケンロー!)
そして放置の末、盗まれたり、曲げられたり、屑かごにされたり、強制撤去されたり。
そりゃあもうしょうがない。 しちゃいけないことしたんだから文句は言えない。
強制撤去以外にも仕置きの仕方はある。
昔、放置自転車に対して、今じゃ考えられない過激な仕置きをしていた、JR船橋駅の伝説の仕置人のエピソードを紹介しよう。
俺が高校3年の頃だった。
当時俺が住んでいたのは東京の最果ての地、江戸川区の小岩。
千葉県の船橋駅まではおよそ9.5kmほど。
フラっとチャリで行く距離じゃないのだが、その日はなぜか、フラっとチャリで行っちゃったのだ。
しかもミニサイクル。今で言うママチャリでだ。
駅前にチャリを置いて友人宅へ歩いて行った。
なぜ友人宅までチャリで行かなかったのか、理由があったのだろうが、今では謎だ。
そして、帰宅のために我がチャリの放置場所へ戻ると・・・
なんと、そこには無数の放置自転車で標高3メートルほどの山が築かれていた。
大袈裟な表現ではない。本当に3メートル級のチャリ山が駅前に築かれていたのだ。
荘厳な光景だった。チャリ神宿りし山か!
もちろん俺のチャリもその山の一部になっている。
それまで、チャリ積み2層までなら経験はあったが、山は初めてだった。
相当の情熱と体力が無いと、あそこまで積めないはずだ。
凄腕の仕置人だな! もはやアートだ! ブラボー!
いや~一人で笑ったね~。
これは仕置人からのかなり強烈なメッセージになっていたようで、その時は付近に放置自転車は一台も見当たらなかった。
俺のチャリは8合目付近、やや外側に組み入れられていた。
あれなら山を崩さなくても、比較的容易に離脱できそうだ。
俺は両手両足で取っ掛かりを探しながら、果敢にもその山を登って行った。
気を付けないと、チャリとチャリの間に脚がズボっ!
手がチェーンやスプロケットに触れてオイル、ベトっ!
俺をあざ笑う、初夏の太陽 そして通行人。
思っていたより難儀して、ようやく自分のチャリに取り付いた。
だが、引き抜けない。
周りのチャリのハンドルやペダルが複雑に入り組んで、鉄壁のスクラム状態なのだ。
仕方なく、頂上を制覇してロッキー・バルボアな気分を味わい、然る後、上から一台一台、他人のチャリを外しては中腹に滑らせ、切り崩して行った。
そしてなんとか自分のチャリを山から切り離したものの、それを担いで下山するには危険過ぎる。二次災害に見舞われるのは明らかだ。
仕方なく、付近に通行人が居ないのを確かめてから、自分のチャリを山の麓まで投げた。
放物線・・・ガシャっ! あ・・・ 中学の頃のあの事件の記憶が脳裏をよぎった。
こうして無事に離脱し帰還できたのだが、チャリ山の内部に自分のチャリがある人はどうしたんだろ?
まったく過激な仕置人だぜ。
今じゃあんな過激な放置自転車仕置人は存在し得ないんだろうな・・・
と思いきや、
流派は違うが、なかなか気合の入った仕置人が我が地元に居ることが判明した。
実は今回のトピックの主題はこっちなのだ。 今までのは前フリ。
朝、原付駐輪場に入る際、入り口脇で見つけた、仕置人の仕事の痕跡を激写した写真を見て欲しい。
これはなかなかの仕事っぷりだ。
形は異なるものの、船橋駅でチャリ山を築いていた伝説の仕置人に匹敵する情熱を感じる。
プロの仕事ってのはこういうことなんだろう。
生ぬるい時代に、こんな過激さが心地良い。
うるせー!どうでもいいから早く見せろ!
はいはい、分かりましたよ! 見せますとも!
こ~れだ。
ワン・ツー・スリー!
わかんねえって? じゃあクリックして拡大して見てくれ。
どうだい? 過激だろ? ストーリーを感じるよな。 それがアートだ!
仕置人、防犯チェーン見て燃えちゃったんだろうな。 上等だ!コノヤロー!なんつーて。
このチャリの持ち主のリアクションが見てみたいね。
「あ、、、えぇ~!」っつって、周りをキョロキョロするんだろうな。
キョロキョロする動作が100%無意味なことを微かに意識しながら。
そしてしばらく思案に暮れた後、ロックを解除して車輪片手に撤去自転車の保管所に行くんだろうか。
そして、その一部始終を物陰からそっと伺ってほくそ笑んでるんだろうか。仕置人は・・・
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