2012年3月20日火曜日

We love 福島

りんごなんか皮ごと丸齧りだぜ!

東北大震災から1年が経ち、区切りとして、思うところをブログに書こうと思うも、「思うところ」が色々あり過ぎてまとまらず一週間以上経っちまったぜ。

まぁつらつらっと思うままに書いてみようかなと。
後半はちょっとネガティブになるかも。
ネガティブって、後ろ向きって意味じゃなく、批判的って意味で。

実は俺、山形人のクォーター。 そしてカミさんは会津人のハーフだ。
なので東北にはDNA的な郷愁もあり、思い入れも少なくない。
な~んて取って付けたような無理やりな「思い」をねじ込まなくても、あの大震災は日本中の人々の心さえ揺さぶった。



程度の差こそあれ、震災前と震災後で「世界観」に違いが出てきた人も少なくないんじゃないかと思う。
被災者じゃなくてもね。

世界中から手が差し伸べられたり、こんな時でも冷静で整然と物事受け入れ対処し助け合っている姿を賞賛されて、「日本人」としての誇りを実感したり、一方では被災地じゃないところで物資パニックが起こったり、いろんなことがあった。

津波で壊滅的被害を受けたところは、まだまだ復興までは遠い道のりだけども、着実に歩を進めている。

大切な人や大切な物を失い、打ちひしがれて、前なんか向ける状態じゃなかった人々も、まだ前を向くのはちょっと・・・って人でも、少なくとも上は向いてる。
3月11日の震災一周年特番が始まる前の『題名のない音楽会』が、坂本九特集だった。
もちろん、震災一周年を意識してのテーマとしてだ。
『上を向いて歩こう』は泣けた。

震災特番も、一日中見た訳じゃなく、チラっチラっと見ただけなんだが、どこだっけかな?岩手だったかの、漁業が主産業で、津波で壊滅的被害を受けた街の話。
行政で海岸線ぐるりと防潮堤を作る計画が発表されたそうだ。
「景観悪くなってもったいないな~」なんて、他所者の俺が言うことじゃない。
そこで暮らす人々は辛酸舐めて大打撃被ってる訳だし、外部のもんが景観云々するなんてナンセンスだ。
「そりゃ仕方ないよね」と思っていたら、ある地元民曰く
「防潮堤なんて要らないよ。景観悪くなるでしょ。今回の津波で分かったこともあるんだから、津波来たらすぐに逃げれば良いんだよ」
まぁ大体こんなようなことを言っていた。
凄いね。
いや、この意見が多数派なのか少数派なのかは知らないけどね。
何しろ凄い。
海と共に、海からの恵みで生きて来た人の言葉だけに凄みがある。


何にしても、大多数の日本人同様、俺も同じ日本人として、一日も早い復興を願わないでは居られない。


さてと、東北大震災ではセットで語らない訳にはいかないのが原発問題。
これに関してはおそらく、ある部分で俺の考え方は少数派に属するんだろうなと思う。

いやね、東京電力には当然あの大事故に関する責任はあるよ。大きな責任が。
原発被災者には身を削って補償していかなきゃいけないよね。当然。

だけどさ、
「東京電力」って法人に対して、対応を非難したりするのは解るが、そこで働く人らを「東電社員」だってことだけで非難したり攻撃したり意地悪したりってのが、未だに全国的に少なくないっての、どういうこと?
お父さんが東電社員ってことでいじめに遭ってる子供が居たり。
これ、いじめてるガキそのものより、その親に問題あるだろ?

折角世界に誇れる日本人の心なんつってても、こんなことがあるのが恥ずかしいし、情けないにも程があるね。
俺の周りではとりあえず聞かないけど、俺の友人の、子供関係の知り合いが東電社員で、酷いバッシングを受けて短期間に白髪だらけになったそうだ。
酷い話じゃないか。

そんなことして一体何になる?
そんなことする奴ら、情けない通り越して憐れだな。


で、何しろ放射能問題だよね。
不安なのは解るけども、無知蒙昧から来る偏見と差別があまりに多くてびっくりするやら泣けてくるやら。

解らなくて不安なことへの対応として、自分で調べてある程度理解することで不安を解消するってのもあれば、何しろシャットアウトすることで防御するってのもある。
シャットアウトもアリっちゃアリだけど、その対象が人の場合はどうよ?
シャットアウトされる側の気持ちを考えてるか?
あんたがその立場だったらどう思うね?と問いたい。

福島から避難して来た人が、いろんなところでシャットアウトされてる。
学校でいじめ。 保育園入園拒否? バカの極みだな。

調べろったって専門用語も出てきて難しくて・・・ってのは分かるよ。
でも、それよりはるか以前の段階で、人を介して放射線や放射性物質は伝染らないことくらいすぐ分かる。 (伝染るって言葉を使うこと自体が恥ずかしい)
調べもしないで偏見持って差別してシャットアウト。
情けないね~。


あと、食品関係ね。
放射性物質とか放射線についてとことん調べても、最終的に科学者の見解も割れてる部分が出てきたりすると、どの見解を支持するべきかの判断に困る。
そこまで調べた人が、「やっぱり基準値以下とは言え、福島産の農作物を口にするのは抵抗がある」ってのは、もうしょうがない。それはそれでアリだろう。
調べようとも理解しようともせずに、ただ福島産ってだけでアレルギー反応起こしてる人たちの多いこと多いこと!

「基準値以下とか、直ちに影響無いとか、政府やマスコミの言うことは信用できない」
って言ってる人らの大半は、そう言ってる誰かの見解をそのまま借りてきて言ってるだけだ。
それなら、福島産以外の食品が安全だって信用できる根拠は何だ?

色々情報収集して調べた上で、自分なりにリスク評価して福島産を避けるのはいいよ。
でも、そういう人らは福島県の人の前でもきちんとその見解を表明してるんだろうか?
いや、するべきだと思うけどね。
自分なりに調べた結果、心配を全面的に解消するには至らなかったので、念のため、福島産の農作物は口にしないことにしています ってきちんと言え!
言えば解ってくれるだろうさ。相手だって。

何が言いたいのかってね、
福島県内の高速道路のサービスエリアのゴミ箱に、福島産の野菜や果物や米やお菓子が頻繁に捨てられてるんだってよ。
親とか親族とか友人とか取引先とかが福島県に居て、そこを訪問した県外の人らが、そこで頂いたものを捨てていくんだと。
この話聞いた時は悲しいやら情けないやらで涙が出たね。
しかもネットでは「そりゃ無理もないだろ」って意見が多数派を占めてるって話だ。

福島の人だってさ、この人は福島に偏見を持たないで自分と相対してくれてると思えばこそ、そういったものを渡してる訳でしょ。
誰でも無差別にあげないでしょ。世間で敬遠されがちなものを。
自分では絶対安全だって自信もあって、なおかつ、相手は自分たちを理解してくれていると思うから差し出す訳でしょ?

それをその時はいい顔して「ありがとうございます!」「これ好きなんですよ!」「帰ったら家族で食べます」とかなんとか言っておいて、サービスエリアで捨てて行く訳だ。
こっそり相手の信用も愛情も踏みにじって行く訳だ。
そんなんで「絆」だ~ぁ? 笑わせんじゃねーぜ!

俺もその口かと思われるんじゃないかと思うとやるせないね。(いや、思われてないと思うけど)
ウチは去年の夏の家族旅行は敢えて福島県に行ったし、カミさん方の親族(ブログに書いたダジャレおじさん)の家で出された桃はバクバク食べたし、その後、冬に送られてきた会津産のりんごは家族でおいしく完食したぜ。
しかも俺、普段は皮を剥いて食べるんだが、敢えて皮のまま丸齧りして食べたさ。
一体そのことに何の意味があるんだ?と問われれば、意味なんかねーさ。俺の個人的な心意気の問題だ。 ハーレー乗りでロッカーでリコーディストなら当然だぜ!
バカだなこいつって思うやつも居るんだろうな。あぁ思っとけ!


俺があまり好きではないとある芸人が福島を訪れ、そこで生産された野菜なんかを美味しくいただきましたってな内容をツイッターに書いたら非難が殺到したって話を聞いた。
非難の意味がまったく解らん。一つも解らん。
それらに対してきちんと反論し、「そこで暮らしている人たちのことも考えろ」と返した、その芸人の、芸風はともかく人間性は見直した。


世間じゃ二言目にはチェルノブイリって言い出す奴も居るけど、チェルノブイリのことろくに調べて無いで言ってるのが多いね。
ろくに調べもしないで引き合いに出すなと言いたい。

一般的にはチェルノブイリの事は良く知らなくても良いだろう。国外のことだし。俺だって「チェルノブイリ産のりんごです」って言われたらノーサンキューだ。
でも、福島県は日本の中の県だぞ。
ちょっと調べれば原発の位置を含めた地理的な事、放射性物質の拡散状況とか、各地の放射線量までみんな分かるんだぞ。
日本人なんだからちょっとは調べたらどうよ? 調べもしないでテキトーなこと言うなっての。

俺だって自分の家族を自分の心意気の犠牲にして無謀な福島旅行をした訳じゃない。
行く先々の放射線量は計画前から出発前まで毎日チェックしたし、低レベル放射線について調べられる限りのことは調べた上で決めたことだ。
いや、みんもにそれをしろと言ってる訳じゃないよ。
ただ、知ろうともしないで偏見で物言ったり差別したりはやめれと言いたいのさ。


そういや、数カ月前、娘の中学で原発や放射線に関する特別授業があったそうだ。
変な風に理解して偏見を強める子らが出なきゃ良いがと思い、授業内容を娘に聞いてみたところ、まさに世間にはびこる偏見や差別をなくすための特別授業だということだった。
娘に聞いた限りでは、なかなか良い内容だったようだ。
素晴らしい。


あとさ、
原発事故に関して「東電と政府に騙された」とか「嘘つきめー」とかって良く聞くんだけど、これちょっと違うと思う。
いや、東電や政府を擁護する訳じゃないよ。
でもさ、前にもブログに書いた事だけども、
かつての反原発運動にもさして関心を持たず、今まで問題意識も持たず、ただ電力安定供給の恩恵を受けてヌクヌクと暮らしてきた人が言うことじゃないと思うね。
そういうこと言えるのは原発事故で避難を余儀なくされた人たちだけだ。
そんな人たちがリスクを背負い込んだ上で俺たちのヌクヌク電気生活は成り立ってたんだぜ。

現地以外の人で、「原発が心配でしょうがないんだけど、本当に大丈夫なのか?」と東電や政府に問い、「絶対に大丈夫です。信用してください」って言って貰った奴が居るのか?

普段の無関心や問題意識を持たなかったことへのエクスキューズとして「騙された」だの「嘘つき」だのって言うのはかっこ悪りーな。

ちなみに俺、反原発ソングに関しては忌野清志郎が歌った『サマータイム・ブルース』のみが本物だと思う。
あの時代、あの状況で歌ってこそね。


あとさ、3流・4流・5流メディアの、しょーもない記事に踊らされてる人らも少なくないような気がしてならないね。

政府や東電を叩く記事書けば注目度上がるって図式で、どうしようもないクズ記事が氾濫してるでしょ。
例えばの話、現状の政府や東電の不作為なんかがあればそれを批判するのは意味があるけど、過去の失策をいくら叩いたって何にもならないじゃん。
その失敗をどう未来に活用するかだろ。大事なのは。
もっと建設的な方にエネルギー使おうぜと言いたいね。


あー、長々と語っちゃったなぁ。
実はもっと書きたいことがあるんだけども、この辺にしておきます。
取り乱してみっともない姿をお見せしてしまい、すみません。 いや、見せてないけど。


最後に、

このトピックのタイトル、『We love 福島』
福島問題を中心に、偏見や差別をなくしていこうじゃないかって願いを込めての事なんだけども、ま、その辺の事を意識して、 I love じゃなく、 We love としたのさ。

この We は、福島県民以外では、ウチの家族と俺の友人少なくとも一人は居るな。 と、今はごく少数派だけども、いずれ大きくなって行くことを願っているぜ。
もちろん、東北全体の復興も祈りつつ。

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