殿堂入り
ず~~~っと観たいと思ってるんだけど、微妙に優先順位が下で、ず~~~っと観ないままの映画ってあるよね。
『ドライビング Miss デイジー』って映画は、俺の中のその手の映画のうちの一本だった。
1989年の作品。ベルリンの壁がぶっ壊された年じゃん。
日本公開は1990年5月。22年も前か。
これがスカパー!で放映されたので録画したものの、やっぱり微妙に優先順位が下で、これまたず~~~っとHDDの中に埋もれたままだった。
で、この前、やっと観た。
観て良かった~。 心に染み入るわぁ~。
もっと早く観るべきだった。
1989年度アカデミー賞9部門ノミネート。
作品賞、主演女優賞、脚色賞、メイクアップ賞の4部門で受賞。
ま、アカデミー賞獲ってなくても良い作品ってあるし、アカデミー賞獲ってるからって必ずしも素晴らしい作品とは限らないけど、ま、参考までに。
主演女優のジェシカ・タンディは最高齢での主演女優賞受賞だそうだ。
共演のモーガン・フリーマンは主演男優賞にノミネートされている。
そしてなんと!ミス・デイジーの息子役で、ダン・エイクロイド(ブルース・ブラザースののっぽの方)が出てるのは観るまで知らなかった。
コメディ映画以外でも出るんだね。しかもアカデミー賞の助演男優賞にノミネートまでされてるし。
舞台は南部アメリカ、ジョージア州アトランタ。
1948年から話は始まる。
まだ公民権法が施行される16年前だな。
アフリカ系アメリカ人の人たちがフツーに差別を受け、憲法違反(ま、法解釈にもよるんだけど・・・)にもかかわらず人種隔離政策が採られていた頃だ。
特に土地柄的にも保守的で差別や偏見も激しかったところ。
そんな社会と折り合って、の自分の立ち位置を”わきまえて”、誠実にしたたかに生きている黒人男、”ホーク” をモーガン・フリーマンが見事に演じ、
やはり当時は偏見の対象であったユダヤ系の、頑固な元教師の老未亡人、”Missデイジー” をジェシカ・タンディがこれまた見事に演じる。
ミス・デイジーと、彼女のお抱え運転手として雇われるホーク(フリーマン)との、時代背景を絡めた、四半世紀に渡る交流の物語。
時代背景として差別や偏見に関することが淡々と描かれている。(映像にもセリフにも)
だけど、押し付けがましくなく、「当時はこんなだったんだよ」的にサラっとやられて、逆に来る。
あ、車もカッコ良かったな。ホワイトウォールタイヤのハドソン。イイねー。
ちらほらと車をカッコ良く見せる撮り方してる感じだったな。
あと、”老い” ね。
ミス・デイジーもホークも、もちろん息子もその嫁も、映画の最初から25年歳を取る。
親世代の老いを痛感する世代としては、その辺りにもちょっと来るものがある。
ちなみに、モーガン・フリーマンの老いの演技がまた凄い。ちょっとヨーダ入ってる。
そしてラストシーン、
あのラストシーンは堪らないな。
俺の涙腺から生暖かい液体が・・・
エンドロールの間もね。
俺の、「大好きな映画」に、また一本追加だ。
初めまして。南部アメリカ英語に興味があり、この映画を観ました。「車をカッコ良く見せる撮り方」と言われると確かに!作者の車に対する愛のようなものを感じました。もう一度映画を見直してみたくなりました。
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