2012年7月27日金曜日

福島産プラム そして採取生活の思い出

結局なんやかんやで枇杷の話

カミさん方の親戚、福島のダジャレおじさんから、プラムが箱で届いた。
イェ~イ!福島産プラムだぜ! ィヤッホーィ!

もちろん皮ごとかぶりつきだぜ! ラッケンロォ~~~!
美味ぇ~~~!


果物と言えば甘さばかりが追求される昨今、パンチの効いた酸味と程よい甘さを併せ持つこいつは絶品だぜ!

ダジャレおじさん、ありがとう!

さて、
果実狩りの話をちょいちょい書いてるのでお察しのこととは思うが、俺はフルーツが大好きだ。
だから何だ?
いや、そんな俺の、フルーツにまつわるエピソードなんぞをと。


中学生の頃、友人らと「採取生活」をしながら下校することがちょいちょいあった。
下校途中、あちこちの空き地や公園などに立ち寄り、成っている果物を採取してその場で食するのだ。

民家の庭に成ってる果物?
うん、実はそいつも手を出した。
ただし、その家の塀から外に出てるものだけ。 これは採取生活族ロマン派の暗黙の掟だ。
大事に育てられている葡萄なんかには手は出さなかった。
ちなみに、とある家のぶどう棚には「農薬使用。食べると死ぬ」って手書きの看板が掛けてあった。

まぁ東京の下町なもんで、採取できた種類はそう多くはない。
採取生活で食した物は、以下の通り

ざくろ
実は甘酸っぱくて美味いんだが、種が鬱陶しいね。
種は、当時どこも蓋が空いてたドブにプププププって吐いてたな。

 夏みかん
収穫を目的としない自生の夏みかんの木って、冬にみかんが成るんだよな。
酸っぱいばかりで甘さが足りなくて、シトラス系大好きな俺でもあれはもういいや。

 ひまわりの種(果物じゃないが)
割って中身食べると美味い。やっぱ採れたて(成り立て)が良い。

 
柿は、渋柿が怖い。判断付かない。形なんか関係ない。
恐る恐る、軽く齧ってみる・・・ 「おぉ、これ甘いぜ!大丈夫だぜ!」
そしてみんな一斉にかぶりつく・・・と、渋柿だったりする。
渋柿でも皮のあたりは甘いので、まんまと騙されるのだ。
「ブホッ!オェエエエ! カァァァァァァァ」(よだれダラ~~~)
現場は阿鼻叫喚の地獄絵図さながらだ。 「ひ・・ひひれふ・・・」(し・・・痺れる・・・の意)

去年、ウチの娘が渋柿を食べた時になかなかナイスな物言いをしていた。
これ、「渋柿」じゃダメでしょ。こんなの「毒柿」だよ!!!
うん。全面的に正しいと思う。

 イチジク
俺は熟す前のほんのり酸味が乗ってる硬いやつが好き。
熟したやつは甘いだけであまり好きじゃない。

 枇杷(びわ)
俺が今までの人生で一番美味いと思った枇杷は、中学の敷地内に成っていたやつだ。
その枇杷の木は、校舎前、道路を挟んだ向かいの、倉庫やプールのある敷地内に立っていた。
良く覚えてないのだが、その敷地内には、用がある時以外は立ち入っちゃいけない規則があったのかもしれない。
用もなく、その敷地内で遊んでる奴を見たことがないような気がする。

そこでたわわに実った枇杷を見た時。 俺の採取生活魂が俺に「食うなら今日だ!」と強く告げた。
その時はいつもの採取生活メンバーではなく、たまたまその場に居合わせた友人らを誘い、枇杷の木に取り付いた。
5人くらいだったかな。

初夏の日差しを浴びて、色、艶、形と申し分なく育った実をもぎ、皮を剥いて、みずみずしい実を口の中へ。
美味い!美味過ぎる!
冷えてはいないが、程よい酸味にしっかりとした甘み、そしてみずみずしさ。

皆、枇杷への賞賛を口にしつつ、もいでは食べもいでは食べ・・・もう、夢中になって・・・
皮と種は、自分の前の地面に無造作に捨てた。
枇杷の木の傍で皆で円を成すように立って食べていたので、皮と種はその中心に積もって行った。

これが全部木だったら焼い芋できるなってくらい、皮と種がうず高く積もった頃だった。

「あんたたち!何してんのー!」
俺が声のした方に振り返ると、そこには用務員のおばちゃんが。

「あ~・・・え~っと、枇杷食べてます」 俺が答えた。
「そんなの見れば分かるわよ!」
(じゃあ、聞かなきゃいいじゃん)
「あんたたち、その皮と種、どうするつもりよ!誰が掃除するのよ!」
(あ、そのことで怒ってるのか・・・)
「あ、はい。俺たちで掃除します」
「いいわよ!あたしがやるから!」
(へ?・・・は?・・・)
「あ、そうですか。じゃ、、、すんません」
「あんたたち!もうこんなことしないでよ! 今度見かけたら先生に言うからね!」
「はい。分かりました。もうしません!さよならー」


なにせ美味い枇杷だった。
あんだけ食べたのにまだまだ成っている。
おばちゃんにはもうしないと言ったが、明日もまた行って食べてやるのだ・・・

で、翌日。
いつもの採取生活メンバーに前日の収穫を報告。
まだまだ残ってるから帰りに行こうぜってことになった。
この日も4~5人だったと思う。
前日とかぶっているのは俺だけ。

皆を案内し、早速採取生活活動開始。
「おぉ~、美味え~~~!」
「スゲー美味え~!」

まだこの頃は「チョー」という副詞は使われてなかった。使われるようになるのは、この後2~3年ほどしてからだ。

またもやみんな夢中になって食べた。
やがてまた皮と種の山は前日と同じくらい高くなっていった。
昨日はこれくらいの頃に・・・

「あんたたち!何してんのー!」
わっ!昨日のおばちゃんだ!
他のメンバーに対応を任せ、俺はなるべく顔を見られないようにして沈黙・・・

「昨日もあんたたちみないに食い散らかしてる子らが居たのよね。
 あんたたち、その皮と種、どうするつもりよ!誰が掃除するのよ!」
「あ、はい。俺たちで掃除します」(俺の話を聞いてる友人が昨日の俺と同じセリフを)
「いいわよ!あたしがやるから!」(じゃあ聞かなくても・・・)
「あ、そうですか。じゃ、、、すんません」
「あんたたち!もうこんなことしないでよ! 今度見かけたら先生に言うからね!」
「はい。分かりました。もうしません!さよならー」
で、話が済むかと思いきや、、、
「あら、、、ちょっとあんた!」
え?・・・俺?・・・ヤベ・・・バレた?
「あんた、昨日も居なかった?」
俺はとっさに声のピッチをいつもより5度上げて答えた。(5度=ドレミファのドに対してソがの5度上の音)
「昨日?いや居ません。今日初めてです」(不自然にミッキーマウス声)
「本当?・・・(しばしの間) まぁ、いいわ」
フゥ~・・・・



あの枇杷の美味さは何だったんだろう?
状況や「空気」が美味さを引き立たせてたんだろうか?

大人になってから「高級枇杷」ってのも何度か試したことがあるが、あの時の枇杷を超えるものには未だかつて出会っていない。

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