バチカンとシーランドと釣り船茶屋

誇りとプライド

とあるIT企業で、サラっとブリっと社長をしている古い友人がいる。
最近 Googleと提携した新サービスを開始し、Google Japanの会長とも会食をしたそうだ。スげーな、おい！
そんな彼から、封書が届いた。

何だろ？

年始めにバチカンへ行ったそうだ。
へぇ！今度はローマ教皇庁と提携したサービスでも始める気かい！？ な訳ねーか。

サンピエトロ大聖堂へ赴き、そこのオーラに圧倒されて、俺にお土産を買ってきてくれたと言う。
「同封するよ」と書いてあるので封筒の中を改めたのだが、便箋以外には何も入ってない。
おかしいな？

封筒を子細に調べたところ、なななんと！ 封筒の底に3センチ程の穴が！
どうも配達中に「お土産」がヌルっとポロっと抜け落ちてしまったようだ。

「どんだけツイてねえんだ、俺！ウハハハハ！」と大笑いしたが、「いやそうじゃなくて・・・」とカミさんに促され、
これは俺に近づいていた災難をこの霊験あらたかなるバチカン土産が事前に捨て身で振り払ってくれたんだと思うことにした。
ありがたやありがたや。

私は明日、右奥歯を抜歯します。
主よ、私に勇気と力をお与えください　　　な～んちって。

俺は、いや彼もおそらく、キリシタンじゃないけれど、こういうのって嬉しいよな。
お気持ちはガシっとバシっとありがたく頂戴したぜ！ Ｙちゃん！


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バチカンと言えば、

「バチカン市国は世界一小さい国家として有名だったが、実は今は世界最小じゃない。」

なんて話を聞いたので、調べてみたら嘘だった。バチカン市国は今でも世界最小国だ。

北海上-イギリス南東沖10km にある、面積たった207平方メートルの海上施設に棲みついて、そこを自国領土と主張する ”シーランド公国”という自称国家があり、ここの人らが「ウチが世界最小国家だ」と言い張っているだけの話だった。

この ”シーランド公国 ” を国家として承認している国は一つもない。
話によると、人口は4人らしい。（え゛ー！）
なのにサッカーのナショナルチームがある（！意味不明）。 が、FIFAに加入できないようだ。（ギャハハ！）
話によると、かつてクーデター事件があって、その座を追われた元の元首が英国本土で仲間集めてヘリで急襲して奪還したらしい。
すべて事実だが、”冗談”もここまで来ると恐れ入る。いやアッパレアッパレ。


海と言えば、（← かなり無理矢理・・・）

先日の休みの日、我が子らはネコキックさん＆七色マフラーマンさん夫妻（久々に登場！）とお出かけした。
子供たちが親以外の大人と（安心して）交流する機会があるのは凄く良いことだなぁと思うね。
「親の友達」を超えた、本人同士の繋がりとしてだから尚更ね。 ありがたいことだ。

で、俺とカミさんは夕食時にみんなと合流。
ネコさん七さんが段取り付けてくれたのが、釣り船茶屋 ざうお。
店の中が漁船になっていて、周りに魚が泳いでいて、客が釣った魚を捌いて料理してくれる居酒屋だ。
うっわ！ この説明、全然間違ってないんだけど全然分からんしイメージ掴めないじゃん！

ま、とにかく店の中は漁船なのよ。　え゛～？　いやほんと。
写真も結構撮ったんだけど、上手く撮れなくて、使える写真がない。

俺らが到着した時、七さんと子供らはすでに釣り糸を垂れていた。

なかなか釣れない。

大丈夫かな？ってくらい尋常じゃなくハイテンションな店長が、「釣れなきゃ網ですくっちゃってぇー」と叫ぶ。

それでも子供ら、釣竿を放さない。
フィッシャーとしての誇りとプライドがそれを許さないのだ。
ってお前ら、釣り初めてでフィッシャーもなにもねーだろ！

全然釣れない。

「お～い、腹減ったよー。まだお通ししか食べてねーだよー」

娘が荒業に打って出た。
針に付いている餌を外し、釣り針で直接引っ掛けようというのだ。
だが、泳いでいる魚を引っ掛けるのは大変。
娘は動きの少ない獲物 伊勢エビ にロックオン！

かくして最初の獲物、伊勢エビゲット！ （高くつくぞぉ～）
数分後、その伊勢エビは活造りとなって漁船上の俺らのテーブルへ。
まだ生きてるじゃ～ん！ 怖ぇ～！ いただきま～す！ うめぇ～！

それ以降、子供ら、「釣り」じゃなく、「引っ掛け」で次々に獲物をゲット。
それじゃフィッシャーじゃなくてフッカーだよな。

調理方法は獲物をゲットするたびに店員から選択肢が示され、そこから選ぶ。
最初のアジはタタキ。次のは刺身。
ヒラメは唐揚げ。
おこぜは唐揚げ×２と煮付け。
カワハギはどうしたっけ？ 刺身？ 白子も食べたな。

これらすべて、釣った（引っ掛けた）子供らが調理法を選択。 「じゃあ煮付けで」なんちって。

でっけえサザエも引っ掛けた。
そんなもん、フツーに手で獲れるのに。　いや、そこはそう、フッカーとしての誇りとプライドが許さないのだ。

いや～、食ったぁ食ったぁ。美味かったなぁ～。

生きてる魚を釣り針で引っ掛けりゃ、そりゃ暴れる。
子供らにはそこそこインパクトのあることだったようだ。
それを数分後には美味しくいただいている。
命をいただいて俺たちゃ生きてるんだってのを意識して実感してくれたらイイな。

ネコさん七さん、良い機会をありがとう。