グラサンが欲しいぜ

抗議無用に願います

先週の土曜日、ハーレーで実家へ行った。
往復100kmほどだ。

朝からムっとして暑い日だった。

いくら暑くても乗る時は長袖だし、グラブも付ける。
（ライディング・グローブと言う呼び方が一般的だが、俺は敢えてグラブと言う）

昔々、銀座の喫茶店でバイトしていた頃、真夏に厚手の綿ツナギ（色はターコイズブルー）を着てバイクでバイト先に行った。
汗だくのジョビジョバで茹でタコの如く上気し「暑ぃ～熱ぃ～」と喚きながら、出番待ちでカウンターのストゥールに座っていたところ、当時一緒にバイトしていたカミさん（当時は付き合ってもいない）が声を掛けて来た。

「ねぇねぇ、なんでこの暑いのに長袖のツナギなんか着てんの？」

俺は、扇いだり汗を拭いたりする動作を止め、彼女に向かってクールに人差し指を一本立て、クールな半笑いで言い放った。

「ライダーだからだ！」

大ウケした。
当時の俺は長髪で、なおかつ髪を立たせていたので、見た目からして暑苦しい。
そんな奴がわざわざ長袖のツナギ着て汗だくの茹でタコ状態で「暑い熱い」ともがいていながら、「ライダーだからだ！」と来たもんだ。
当時のカミさん、「こいつ、そーとーおかしい」と恐れ入ったそうだ。

おっと、昔話で横道にズレちまったぜ。
てか、道なんかあってないようなもんなのだ。俺のうしろに道は出来るのだ。なんちってー。高村光太郎ってか。格好よろしいなぁ～。（ちと回路が焼け気味・・・）


真夏に長袖は、かな～り暑い。
だが、快調に走っている分にはさほどでもない。
ジャケットの中に風は入るし、直射日光のジリジリは避けられる。
止まった時が地獄だ。
アスファルトからの照り返しや周りの車からの熱気に加え、又の下のエンジンやマフラーからの熱で攻め立てまくられる。

ヘルメット内もかなりヘヴィーだ。
普通の呼吸でシールド内の温度が上がる。
おっとー！　忘れちょったー！
夏になるまでにグラサン買おうと思っていたのだ。
夏はシールド外して、グラサン掛ければ、顔はそこそこ涼しい。

グラサン欲しいなぁ～。
なにしろローンを小遣いの中から按配してるので、高い買い物はきつい。
安いグラサンでは網膜がやられてしまうので、そこそこ良いやつでないと駄目なのだ。

ま、兎にも角にも、若い頃とは違うんだし、熱中症には気をつけないといかんわな。
水分補給もこまめにね。
（脱水を遅らせる意味でも長袖は良いのだ）


んで、どうやら俺、ハーレーでの走りも大分慣れて来たようだ。
以前は肌寒かったり雨天だったりということもあるが、ハーレーで100km/hを超えると風圧が「キツい」と感じていた。
だが、この風圧が良い感じだということに気付いたのだ。
お～、素晴らしいぜ！
ウハハ　ウハハ　ウハハハハハハ　ゥワァ～トゥシ！　ラッケンローーー！


実家着。
従兄弟や叔母らとなんやらかんやら話し合った。
従兄弟の奥さん、所用があり途中で出掛けることに。
「んじゃ、出る時、俺のハーレー見てってね」
「え！ハーレーなんですか？ハーレー買ったんですか？！」
「うん。買ったよー」（なんで知らなかったんだろ？）
「凄いっすねー。国家予算くらいするんですよね？」
「うんうん。するする。」
愉快な奥さんなのだ。


帰宅し、ガレージへ行くと、この前草刈りしたばかりなのに、またまた草ぼうぼう。
入庫できないので、ハーレー待たせて草刈り。
除草剤あるんだから撒いときゃ良かった・・・

ふぅ～。
ガレージの扉を開けてみた。
ワォ！なんてこった！　わしゃ蜘蛛ブリーダーかい！
ガレージ内はスティーヴン・キングなら卒倒しかねないほど蜘蛛と蜘蛛の巣だらけ。
「テメーらぁ・・・（ワナワナワナ・・・） ふざけんじゃねーぞ！ ンニャロめー！」
箒をやたらめったらブン回し、蜘蛛の巣を払いまくる。
「テメっ！」（ビュッ）
「コラァ～！」（バシッ）
「ぅお～りゃ！そぉ～りゃ！とりゃ！」（ビュッ！ビュッ！バシッ！）
「ゥオーーーーー！　ぁ痛っ・・・」（グルグルグルーーー　ゴン！（脛・・・））

※虫愛護協会の方へ：蜘蛛は潰してません。すべてガレージの外へすっ飛ばしました。抗議無用に願います。

ハァ・・・ハァ・・・　どうだ！べらぼうめ！ ハァ・・・ハァ・・・
べらぼう以前に、俺の方が汗みどろのすっとこどっこいなのだが・・・

約一月ぶりにハーレー入庫。
あー良かった良かった。めでたしめでたし。

ガレージが家の前にあればもっと良いのだが・・・
なんて贅沢言っちゃあバチが当たるやな。
置き場所なくて諦めてる人も大勢居るんだし。
ありがたやありがたや・・・