2007年7月17日火曜日

バカドライブGo!Go!

ビーサン漂流記

今回は、ムカつくほどほのぼのとした、父子のふれあいネタです。
(しかもムカつくほど長い)

昨日、三連休の最終日、午前中は久々の晴れ。
午後にちょっと出かける予定があったので、夕方は久々にハーレーに乗ろうと思っていた。
前回乗ってから洗車し、その後、ガレージ周りの雑草抜きをしたものの、天候がイマイチで、まだガレージに入れてないのだ。

カバーを掛けて、家の前に置いてある。
これもオツなもので、なかなかガレージに入れられないってのもあるにはある。


で、昨日の午後。
カミさんは友人のお嬢さんのバレエ発表会を観に行くと言う。
我が息子、バレエなどという高尚な芸術を理解するほど成長しておらず、一緒に観ようものなら、
喋る → 母にたしなめられる
喋る → 母に叩かれる
ガタガタわさわさ → 父にどつかれる
グズり出す → 母、ブチ切れる 父に関節キメられ、口を塞がれつつ会場の外へ

の図式は火を見るより明らかだ。
というより、自然の摂理だ。
「明日もきっと太陽は東から昇るだろう」と言えるのと同レベルに確実だ。

なので、息子は俺とドライブ。カミさんと娘は発表会という段取りになっていた。
のだが、
娘、当日になってドライブの方を選択。

な訳で、カミさんを大船の会場で降ろしてから子供二人連れてドライブへ。
この時点で午後3時。

まったく目的地を決めず、適当に流す。
どこかに停めてカーナビで情報収集しようと思いつつ、気が付いたら鎌倉に入っていた。
海まで出て、浜でチラっと遊んで帰るかな?
って、あらら・・・ なんだか道が混んで来た。

「とーちゃん、どこ行くの?」
「風の向くまま、気の向くままよ」
「とーちゃん、遊園地行きたい」
「それはない」
「BOO!」「 BOO!」
「とーちゃん、喉渇いた」
「もうちっと我慢しな」

道沿いの立派な家や変な家、渋いお店などをあーだこーだと皆で評しつつ渋滞する道をダラダラ進む。
と、
「とーちゃん、おしっこ」
「ゲ!マジでか!?」

渋滞はかなりのレベルに逹っしている。
反対車線も同様だ。
まさしく二進も三進も行かない状況。
や・ば・い・ぞ・・・

カーナビを見ると、ちょっと先にガソリンスタンド。
道なりに折れたところに出てきた。
ちょうどガソリンも少なくなっていたので、給油&トイレターイム。
ふぅ~・・・ 未曾有の危機は回避された。

給油後、元の道には戻らず、妙に空いてる道を行くことにした。
こっちの方が海に早く着きそうだ。
これならちゃちゃっと海に行って、テキトーにお茶を濁して、夕食時には帰れるだろう。

「とーちゃん、どこ行くの?」
「海見に行こうぜ」
「あとどれくらい?」
「すぐだよ、すぐ」

って、あらららら。
1km程走ったら大渋滞。
歩く速度くらいでしか進まない。

「とーちゃん、海まだ?」
「まだだねぇ」
「すぐじゃないじゃん」
「こんなに混んでなきゃすぐだったんだよ」
「とーちゃん、喉渇いたー」
「喉渇いたねぇー」

海はすぐ傍なのだが、なかなか到達できない。
自転車にキャリアを付けてサーフボードを運んでいる人をちょくちょく見る。
へぇ~、自転車用サーフボードキャリアなんてもんがあるんだねぇ。

なんやかんや、やっとのことで海沿いの道に出た。
ここからがまた地獄の渋滞。
とりあえず子供らは由比ガ浜のサーファーを見て、喜んでいる。

「あー、あの人波にぶっ飛ばされた!ギャハハハハハハ!」

この時点で午後5時40分。
海岸線の道、びっちり渋滞。渋滞爆撃。渋滞天国。渋滞ジャンボリー。渋滞三昧。渋滞満漢全席。

「とーちゃん、どこに停めるの?」
「もうちょっと行くと駐車場があるんだよ」
「もうちょっと?・・・」
「いや、この渋滞だから大分先だな」
「喉渇いた~!」
「渇いたなぁ」
息子がグズり出す。
「喉渇いたぁ!喉渇いたぁ!喉渇いたぁ!喉渇いたぁ!・・・」
「そうやってグズってたら飲み物が出てくるのか?コラァ!」
「・・・・・」

目と鼻の先の稲村ガ崎まで1時間近く掛かり、その先の七里ガ浜の駐車場にやっとのことでたどり着く。
この時は霧雨が降っていた。

とにもかくにも水分補給だ。
息子はオロナミンCを選んだ。
オロナミンCを右手に持ち、左手は腰に添えてグビグビっと飲んでいる。
「お前、その飲み方、どこで仕入れて来る訳?」
齢5歳にして、すでにオロナミンC道2級くらいの型になっているのだ。
不思議だ。神秘だ・・・

海っぺりの駐車場。海との境は防波堤のようになっている。
子供らは身を乗り出して直下の波打ち際を見て盛り上がっていた。
と、ビーチサンダルが片方だけ流れて来た。
「あー!ビーサンだ!ビーサンだー!」
ビーサンごときに何を盛り上がってるんだ?まったく。
と思いつつ俺もビーサンを見ていたら、妙にテンションが上がってしまった。
「なんだ!あのビーサン!テメ!ビーサン!コノヤロ! ウハハハハハ!」
「あー!ビーサンが波に持ってかれたー!」
「ギャハハハハハハ」「ギャハハハハハハ」「ギャハハハハハハ」

たかが波に洗われるビーサンごときで、ここまで盛り上がれるなんて、、、幸せだ。

ちょっと離れたところに、サーファーが浜に下りるための階段があった。
すでに満潮なのか、波が引いてる時に浜がちょっと見える程度だ。
台風の後とは言え、波はさほど大きくはない。
三人して手を繋ぎ、下の方まで下りてみる。

小さい波なら一番下の段が濡れる程度だが、そこそこ大きい波だと5段目くらいまでザッパーンだ。
下りたり登ったり、波が来るたびに大騒ぎ。
一番騒いでたのは俺だったかも。

盛り上がるも、俺は3つ先の波まで読みつつだ。
水をナメて掛かっちゃいかんのだ。
かといって、危険を避けてばかりじゃ面白くない。
子供らにはギリギリで避けていると思わせつつ、余裕を見て按配。

ひとしきり盛り上がった後、帰路に就く。
まだ暗くはないが、すでに7時を回っていた。
相変わらず海岸沿いは大渋滞だ。

前方、11時の方向には江ノ島の灯台。ピカー!
3時の方向には江ノ電。イェ~イ!
ダラダラダラダラ車は進む。

江ノ島の大分手前を右折し、ようやく渋滞道を離脱。
快調だぜ。イェ~イ!
江ノ電のレールが道の真ん中を走っている。
子供らびっくり。
しかも後方から江ノ電が追って来る! 「ワー!」「ワー!」
江ノ電のレールが民家の間に抜けていくところで、こちらは右折。
前に車が詰まっていたので、最後尾に付ける。
と、車の後ろをかすめるように江ノ電通過。
「ワーワーワーーー!」

と、快調に走れたのはここまで。
またもや渋滞。
どーにもならない大渋滞。延々と続くという点においてはサザエさんクラスの大渋滞。

「とーちゃん、もうすぐウチに着く?」
「こりゃまだまだだな~」
と、息子、「眠いよー。布団持ってくれば良かった」
「持ってくる訳ねーだろ!」

渋滞の中、歌のしりとりなどをしつつも、そのうち子供らは落ちた。(就寝)

ようやく我が町の突端に差し掛かった時点で9時を5分ほど回っていた。
子供らが目を覚まし、時計を見る。
普段、9時までに寝ないとバカになるといい聞かされている子供ら、
「あー、とーちゃん!もうバカ5分過ぎだよ!」

最後に事故渋滞のオチまで付いて、午後9時30分に無事帰宅。
ささっとメシ食って、ちゃちゃっと寝かしつけた。
ふぅ~・・・

家を出てから7時間。
車の外に出たのは30分足らず。
バカみたいなドライブだったが、サーファーとビーサンと波ザッパーンと灯台と江ノ電で、子供らは満足。
渋滞はかな~りキツかったが俺もなんだか満足。
カミさんも居れば完璧だったのだが、一家揃ってこんなバカドライブに行こうなんて企画が出ることもないし、微妙に絶妙だ。

計画された旅行、お膳立てされた観光地 でなくても、こんなちょっとした事が楽しかったりするんだなぁ・・・

12 件のコメント:

  1. いやー
    ほのぼのと、とっくりと
    読ませていただきました
    実は私もちょいと用がありやして二週間ほど前に江ノ島に行ったばかりなので
    なんか妙に共振してしまいました…
    それにしても
    文字だけで映像を浮かばせるタイケさんの
    文技には頭が下がります
    なんとも、あったかくて、ジーンと来て・・・
    オロナミンCの手を腰に添えての二級飲みには笑い泣きしました…
    なんだかタケシの映画観てるみたいっす
    セリフのやりとりが
    そして
    お子様たちが車中で寝ちゃうシーンに
    父親の大海のような力強さと優しさと深い愛の心を感ずるのは私だけでしょうか?

    片方だけのビーチサンダルに大笑いしている親子三人の光景のなんと・・・美しい、眩しい
    なんと幸せなオーラなのだ
    我が友よ感動を心の底からありがとう。

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  2. 川上ぃ~! 長いのにちゃんと読んでくれて嬉しく、感謝しちょります。
    てか、絶賛コメントをありがとう。
    ちと、小っ恥しくなっちゃいます。アハハ。

    > 二級飲みには笑い泣きしました…
    アハハハハ
    でも不思議でしょ? なんだろね、あれ。
    笑えるよね。本能なのかね? 神秘的だよねー。

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  3. いいねぇ。

    自分もほとんど家にいないし、子供と会話をするのは土日くらいだけど、嫁さんがいないところで子供と自分だけで長時間いるっていうのは実はなかなかないんだよね。
    なんか最初のうちは会話をするのもこっぱずかしかったりしてね。そして話すことがなくなったりしたら、確かにしりとりとかもしちゃう…(^_^;)

    この日記とビーサンで盛り上がれるタイケーに乾杯ですよ!

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  4. コジぃ~! コメントどもです~!

    > なんか最初のうちは会話をするのもこっぱずかしかったりしてね。

    え、マジっすか?
    お子様達、もう微妙なお年頃?
    でも、、、その微妙な間合いもまた良かったりするのかもしれませんね。

    > この日記とビーサンで盛り上がれるタイケーに乾杯ですよ!

    いや~、チョーありがとうございまする~。

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  5. | え、マジっすか?
    | お子様達、もう微妙なお年頃?
    | でも、、、その微妙な間合いもまた良かっ| たりするのかもしれませんね。

    上は中二の女の子でございます。
    お友達とのおしゃべりはもう誰と誰が付き合って、別れたっていうお話でモリモリだそうです。
    おそらく自分の心内も嫁さんにはこっそり話したり相談したりしているのでしょうねぇ…
    お父さんにはよそ行きの話…!?(;_:)
    ってまぁともあれ微妙な年ってところですが、可愛いですよ(^^ゞ

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  6. > 上は中二の女の子でございます。
    おぉ、それはそれは、まさに微妙初級クラスな感じですね。

    >お父さんにはよそ行きの話…!?(;_:)
    >可愛いですよ(^^ゞ

    ウハ!良いですねー。ニクいですねー。
    てか、子の親として、母親にはぜってえ敵わない部分ってありますよね。
    それはそれで、父は父としてあらねばなんでしょうねぇ。

    俺、今から子供らの微妙っぷりを楽しみにしてるですよ。
    生意気で憎ったらし~くなったりするんだろなー。

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  7. | 俺、今から子供らの微妙っぷりを楽しみに
    | してるですよ。
    | 生意気で憎ったらし~くなったりするんだろなー。

    お子さん達タイケー父ちゃんには大丈夫なような気がするよ~。

    けど「お父さんのものと一緒に選択しないで!」は今のところ自分はないですが、そういうもあったら悲しいよね~(;_:)

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  8. > お子さん達タイケー父ちゃんには大丈夫なような気がするよ~。

    アハハ。そうっすか?
    でも、ないのもどうなんでしょ? あるべきなんじゃないかなぁ。おそらく。

    洗濯?
    それはきっと堪えまさあね。
    反発されるのは良いとしても、毛嫌いされるのは、ちと悲しいっすね。

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  9. 計画しないで、どつぼにはまった旅っていがいと楽しいかったり・笑えたりで・・・・・意外性が妙にいいんだよねっ!!!

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  10. タナバタァーさ~ん!
    お忙しそうなのにコメントありがとう。

    どつぼと意外性かー。うん。そうですねー。
    予定調和的な楽しさよりも記憶にも深く残りますやね。

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  11. ほのぼ~の(はーと)
    私、なんでも頭の中で映像化してしまうので
    ちょうど癒しのショートムービーを見てる気分になれましたぁ^^
    笑いあり、感動あり・・・
    子供ら、のびのび育っているようですねぇ。
    我が家に家族が増えたらタイケー夫妻に
    子育て術を教わろう!
    そのときはよろしくです。

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  12. ネコキックさ~ん! コメントありがとう。

    癒しのショートムービーっすか。
    そりゃなによりっす。

    > 我が家に家族が増えたらタイケー夫妻に
    > 子育て術を教わろう!
    術ですか?
    そりゃぁもう権謀術数の限りを尽くして・・・なんちて、ウソウソ。
    子育ては戦いでもありますねぇ。
    刺し違える覚悟で楽しくやってます。

    ネコキックさん夫妻にナイスなベイビーが授かりますように・・・

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