Angels

ゥウ～～～ワン！ワン！ワン！ワン！ワン！ワン！

毎日毎日
俺は近所の小型犬に吠えられる
なぜか俺だけ吠えられる

こちらに越してきて早9年
未だに彼から不審者扱いされ続けているこの俺さ

家では、バイクの音が聞こえると
「あれ？とーちゃん帰って来た？」
「・・・・・　犬、吠えてないよ」
このような会話が成立する
俺の帰宅は、常に犬の吠え声と共になのだ

近頃は真夜中の帰宅が続いている
それでも奴は吠えやがる
ちなみに奴はダックスフント　猟犬種だ
俺は獲物かっ！
（アナグマ？ 野リス？ 野ネズミ？ イタチ？）

疲れて真夜中に帰宅する際に激烈に吠えられると、
激しく能天気なこの俺でも、
結構凹む・・・

なぜ俺だけ吠えられるのだろう？
俺はヨゴレなのか？・・・

俺は毎朝子供らを玄関で見送る。
カミさんはちょいとその辺まで出て見送る。（下が一年生ゆえ）

昨日の朝、見送りから帰って来たカミさんから大き目なメッセージカードを手渡された。
「はい。○○ちゃんママから」
中を見ると、、、おぉ～～～！

息子のお友達  いや、もはや俺の友達の あの彼女からのメッセージと、入学式の時に一緒に撮った写真だった。
あの時の感覚が呼び起こされる。

組んでる腕のピントを残したかったため、俺の顔までボカシが掛かった

彼女が写真の中の俺と腕を組み、同時に俺に微笑み掛けてくる。
周りの装飾もカワイイ。 ママと一緒にやったのかな？・・・

あっ、俺、ネクタイ緩っ！　チョイスも誤ったかな？ 別のシャツの方が良かったかも・・・などと今更つべこべ言っても始まらないのだ。

メッセージの冒頭は、

あぁ～・・・クラっと来た。

途中の文面、「ラブラブしゃしんをあげちゃいます」 （ハートマーク入り）
おぉ～・・・鼻の奥に・・・鉄の香り・・・

「またあそんでください」
遊ぶに決まってんじゃん！ いや、こっちがお願いしたいですだ。

緑色のラメ入りインクのペンで、丁寧に綺麗～に書かれている。
自分の名前、漢字で書けるんだね、難しい字なのに。 偉いなぁ。

心がジャブジャブ洗われ、癒された。
俺の心は、カラッと晴れた抜けるように青い空の下、玄関先で太陽に向けて置かれている一足の洗いたてのコンバース・オールスター・ハイカット - もちろん白 - あ、トンボがとまった  の如しさ。 （喩え長過ぎ！）

ありがとう。 もう、犬に吠えられても凹まないぜ。


でもあれだなぁ。
こういうことに不満を表明するパパも少なくないと思うのだが、彼女のパパは、見た目だけでなく心意気もおっとこ前なのだなぁ。
チャーミングなママからも、” 母として ”の心意気を感じるし。
イイ～家族なんだなぁ・・・
若いのに感心なのだ。 そして感謝なのだ。

いろんな巡り合わせや何やらかにやら、隅から隅までずずずい～っと、果ては宇宙の果てにまで感謝なのだ。
愛だよな・・・愛。 カモーン！

幸せを噛みしめつつ、
我が子らの父として、
そして、写真の彼女やその他の子たちが向けてくれる無垢な笑顔に対して、
それに値する人間でありたいと痛切に思う。

昨夜も真夜中の帰宅

またいつものように・・・ あれ？
今日は吠えないぞ・・・
なんで吠えないんだろう？
どうしたのかな？ ワンちゃん・・・お～い・・・

俺の心が浄化されたってことなのか？・・・
やっぱ俺、心がくすんでたのか？・・・ って、おいおい

ワン！ (by 俺）