神奈川県禁煙条例案と赤いスイートピー

結局「愛」が足りないのだ

神奈川県知事が、ある県条例案を今年度内にも議会に提案したいと息巻いている。
その名も「公共的施設における禁煙条例（仮称）」案。

なんと、神奈川県内の不特定多数が利用する公共の建物の中はすべて禁煙にするって過激な条例だ。

イギリスやアメリカではちょくちょくあるが、もし可決成立すれば日本では初めてになる。

凄いねぇ～。分煙じゃなく、一律禁煙。
喫茶店も居酒屋もパチンコ屋も雀荘もみ～んな禁煙。
でも、完全に閉め出しちゃったら外吸いが増えるだろうな。それも問題だと思うんだが・・・
 現在は知事直属の検討委員会が賛成だぁ反対だぁと議論し、一般からの意見も聴取しつつ検討している段階。
完全禁煙を目指すが、場合によっては部屋単位の分煙も視野に入れているらしい。

この条例案は最終的にどのようなものになるのか？
それを神奈川県議会は可決成立させるだろうか？
・・・神奈川県民として、今後の成り行きが気になるのだ。


ちょいと調べてみたところ、昨年2007年のデータで、日本では男性喫煙率は40%ほど、女性喫煙率は13%ほどだそうだ。
全体で26.5%くらいってことじゃん。
今や喫煙率ってそんなに低いんだ。へぇ～。

少数派となり、状況もどんどん悪くなっているのに、未だに「周りに気を遣う」って概念すら理解しない、マナー知らずで恥知らずで不埒でならず者で無法者の喫煙者たちが存在する。（毎日お目にかかってるぜ）
そんな奴らが嫌煙・禁煙運動を加速・加熱させて来たのだし、この手の条例を生み出してるのだと言えるだろう。
マナーを守って喫煙を楽しんでる愛煙家たちには本当～に気の毒なこった。


さて実は、
俺が非喫煙者になって、これほどまでにか・・・と驚かされたことがある。

基本的事実として、タバコ吸ってる人の周りは、

煙い！臭い！不快！

喫煙者である頃から意識していたし、解っていた・・・いや、解ってなかったんだな、これ。解ってるつもりになってただけだった。
健康被害とかなんとか、そんなんとりあえず措いといて、とにかく煙くて臭くて不快。
嫌煙派の主張としては、これだけで十分すぎるくらいのレベルだ。

でも友人らと居酒屋とか（ま、禁煙でないところ）行って、友人がタバコ吸うのは全然ＯＫなのだ。
これはおそらく、「それくらいどってことねえぜ、だって俺達友達じゃん、吸えや吸えや」って心理が働いて、不快感を抑えるんだと思う。
つまり、双方の「愛」があれば、ある程度は折り合えるものなんだな。本来。

自分ではマナーを守り、周りに気を遣っているつもりでも、「これくらいは許容範囲だよな～」なんて時は、周囲の深～い「愛」に甘えていたってことだったのだ。

『赤いスイートピー』(Copyright © 松本隆)で描かれている彼女の愛がどん～だけ深いものだったか、ようやく本当の意味を理解した。
ヤニ臭いシャツ着た野郎にそっと寄り添ってくれちゃうんだぜ。マザーテレサ並みの愛だろが！


無法者の喫煙者たちが、こういった「愛」を踏みにじってきた結果なんだな、今って。

愛煙家は、そーとー気を付けないと、「趣味・嗜好の問題だ」なんて言ってられない状況なんだと、タバコやめて初めて気づいた。
言い方変えると、タバコやめるまで気づかなかった。

こういうところに、嫌煙派と愛煙家の意識ギャップが象徴されてるね。
だから、嫌煙派と愛煙家の議論なんてまったくもって不毛であって、折り合えるポイントなど無いだろう。


となると、今考えると、、、
タバコ吸わないのに、俺のために灰皿出してくれて家でタバコ吸わせてくれた友人たち、
タバコ吸わないのに、一緒に居る時にタバコを吸うことを許してくれた友人たちや過去のカノジョたち、
家族を始め、今まで俺がタバコを喫していた時にそばに居合わせたすべての非喫煙者の人たち、
感謝すべきか謝罪すべきか・・・両方だな。
ほんとうに、ありがとう。そしてごめんなさい。


え？俺？ あ、俺はね、ちょっと前までタバコ吸ってただけに愛煙家シンパ(*)ではあるけど、嫌煙者。
派閥は嫌いだから、嫌煙派じゃなく嫌煙者。
だって本当に臭いんだもん。分煙実施してる店でさえね。
歩きタバコなんか30m離れてても臭い。


マナーを守ってタバコを嗜む正統派の愛煙家は、もう嫌煙派の主張や世の中の禁煙の流れを批判したり抵抗してる場合じゃないと思う。大勢は決しちゃってるんだし。
これ以上立場を悪化させず居場所をキープするために、批判や抵抗あるいは啓蒙活動の矛先を ”マナーなんて知ったこっちゃねーぜ派”の不埒な喫煙者たちに向けるべきだろう。

そういったことも含めてすべてが鬱陶しくなった俺はタバコをやめた。
そんな俺のこんなトピックを現愛煙家 - このブログの読者に何人もいる - はどう受け止めるだろう？
俺の「愛」が伝わることを祈りたい・・・

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(*)時々 ”シンパ ”を ”親派” と誤って捉える人がいるが、これは ”シンパサイザー” である