2009年9月4日金曜日

西の魔女は死んだのか?

アイ ノウ

先日、家族揃ってネコキックさんのとこに遊びに行った際、ネコさんが『西の魔女が死んだ』(梨木香歩/新潮文庫)という本を貸してくれた。

今朝、通勤電車内にて読了したので、ちょいとこの作品について書いてみようかなと。



ここのところ、A.J.クィネルの作品をいくつも再読していて、血は沸騰し肉は躍りまくり魂は灼熱状態だったもので、そこでポロっとこんなにも清々しい作品を読んで、そのギャップを腰を抜かすほど楽しみつつ、感動に浸りまくった。

人から本を薦められたり借りたりして読んだ時って、普段自分が選ぶ本にはない新鮮さを楽しんだりっての、あるよね。
おそらく俺なら読んで何か感ずることがあるだろうと思ってくれてこれを貸してくれたネコさんに感謝だぜ。



さて、『西の魔女が死んだ』の話。

「魔女」なんて言ってるところからしてファンタジーと捉える向きもあろうかと思うが、これは俺の捉え方としてはファンタジーじゃないな。 実にリアル。

「魔女」の意味するところは、ある意味哲学的でもあり、同時に非常にシンプルに心に訴えることだったりだ。


多感な年頃の少女、主人公の ”まい”は、しばらく”魔女”であるおばあちゃんの元で暮らすことになる。
そこで、おばあちゃんの、静かでやんわりかつ確固たる世界観に触れながら、「魔女修行」と称し、自ら考え、意識し、同時に無意識のうちにも様々なことを得ていく。

そして・・・・


人の、色々な在りようとか、影響とか、生死観とか、魂とか、そんなのをその作品の(おばあちゃんの)世界観を通して、絶対的にではなく、ふんわりと描いている。
そこから何を感じるかは読者次第だ。
俺は、東の魔女へのメッセージで泣いた。

その世界観や一部のちょっとオカルティック気味な描写から、やっぱりファンタジーじゃんって捉え方もあるかもしれないが、俺にとってはそれこそがリアルだった。
オカルティックなことがリアルなんじゃなく、そんな感覚の存在がリアルっていうか、いや、なんつうか、そういう”世界観”って大事だよなとかねってことね。

そして、そんなこんなを含めて、物語として描かれてない部分をめちゃめちゃ想像して目頭熱くなっちゃうのだ。

ちなみにこの ”ちょっとオカルティック気味な”部分をまともに捉えて反発してしまう人には、この作品はくだらないものになってしまうだろう。
自分がそういう派じゃなくて良かったぁと思う。
ちなみに俺は、現実主義ロマン派冒険ファンタジー好きだぜ族だけどもさ。

ま、なにしろ良い作品だった。
これはノリ的には児童文学っぽい感じもするが、むしろ大人が読むべきじゃなかろうか?とも思える。
いや、もちろん、微妙なお年頃の少女にもおすすめだ。 捉え方は色々だろう。

娘にも読ませてやりたい。 娘には微妙~に難しい言葉がいくつも出てくるが、この微妙感が逆に良い時期かもしれない。
今読んで、数年後やもっと大人になってからまた読んでみたらおもしろいかも。

その前にカミさんにも薦めてみよう。 ま、息子はそのうち。

もう一篇収録されている作品は、”まい”のその後の、とある話で、そっちも俺は好きだぜ。


いや~、本って本当にイイもんですね。
明日からまた A.J.クィネル読もっと。

2 件のコメント:

  1. ネコキック2009年9月6日 23:41

    こんばんはー

    清々しい風を送れたようで 
    よーかったっと!!


    この本は 幅広い年齢層に
    読まれているみたいです。

    娘さんのお友達も読んでるって
    言ってたよね。

    フリーアナウンサーの内田恭子さんも
    愛読書にしてるんだって。


    西の魔女から東の魔女へのメッセージは
    深くて温かい愛ですねぇ。

    まいは おばあちゃんの魂が
    今書いたもののように思っただろう。

    でも、本当は死の前に書かれたものかも
    しれないし、
    あるいは まいの頭の中の『想い』が強く
    窓にメッセージがあったように
    見えたのかもしれないし。

    この場合、事実はどうでもよくて
    おばあちゃんの思いを汲み取れたことが
    素晴らしくて・・・・

    うーん。上手く言えねぇ。


    これを読むと 『想い』を上手に
    使おうと思えます。

    ネガティブな想いは よりネガティブを
    呼ぶし、マイナスをプラスの想いにすれば
    物事は 逆回転して少しずつ明るい未来が見えてくるものだなーと。
    (引き寄せの法則です)

     
    あとさーー
    これを読むと 
    あー 早起きさんになろう!
    って思いまふっ^^

    返信削除
  2. ネコキックさ~ん! こんばんはー! コメントどーもありがとー!

    > 清々しい風を送れたようで 
    > よーかったっと!!

    いや~、ほんとどうもありがとう。良い本に出合えると幸せ感じますわ。

    > この本は 幅広い年齢層に
    > 読まれているみたいです。

    へぇ~。
    ウッチーもね。


    > 西の魔女から東の魔女へのメッセージは
    > 深くて温かい愛ですねぇ。

    いや、ほんと、あれはやられた。
    色んな想いが凝縮されて泣いたっす。

    > この場合、事実はどうでもよくて

    そうなのそうなの。

    > おばあちゃんの思いを汲み取れたことが
    > 素晴らしくて・・・・

    うん、まさにそうだよね。

    > うーん。上手く言えねぇ。

    いや、大丈夫。良く分かるよ。


    > これを読むと 『想い』を上手に
    > 使おうと思えます。

    大事だよねー。

    > ネガティブな想いは よりネガティブを
    > 呼ぶし、マイナスをプラスの想いにすれば
    > 物事は 逆回転して少しずつ明るい未来が見えてくるものだなーと。

    うんうん。凄ーく大事なことだよね。


    > あとさーー
    > これを読むと 
    > あー 早起きさんになろう!
    > って思いまふっ^^

    アハハ。なるほど。
    自然の営みっつーか、自然たろうとするっつーか、流れ的にイイことだよね。

    返信削除

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