ギャングエイジと金欠ピアニスト

花鳥風月

もしもお前たちに万が一の事があったら、、、とーちゃんかーちゃんの涙で、この町、床下浸水しちゃうぞ。


我が家では朝食時に、最近の事件・事故や、時に芸能ニュース、稀に政治ネタなんかの話をしたりする。

事件や事故の話をするのは、子供らに注意を喚起するためだ。
まぁそのうちそんな話も聞かなくなっちゃうんだろうな。ハハ！ ま、聞いてる内が華だよな。
そんなノリで、近頃あった痛ましい事故の話をした流れで、冒頭の床下浸水の話に繋がった訳だ。

すると息子、真顔で、「そんなに出るかねー？ 涙って」 と来たもんだ。
「・・・テメコノヤロ！ こういうのをな、誇張表現って言うんだよぉ！」
「え？何？ あ、かちょうふうげつ？」
突っ込む価値もないクソ小ボケを黙殺して誇張表現の説明をしようとするも、娘が、すかさず口を挟む。
「あ！ かちょうふうげつって漢字書けるよ！ えっと はな、とり、かぜ、つき イェ～イ！チェケラ！」
「オー、イェーイ！チェケラベイビィ！ そうだな、あ～風流だねぇ～ってな。。。って、その話じゃないわボケー！」
と、結局ノリツッコミ。

我が家の平和に心から感謝。


息子は小学3年生。 いわゆるギャングエイジと呼ばれる年齢だ。
ギャングエイジのそもそもの意味は、「排他的な徒党としての友人関係を築くようになる年頃」を意味するのだが、巷では、「反抗的でタチ悪いクソガキ期」みたいに使われている。
ま、根っこは一緒だろう。成長の証として歓迎しようじゃないか。

さて我が息子は、、、
「お前、何なんだ？この腹の贅肉！ 今日からお前だけ苗字 オヤジハラ な」
「そんなのやだよ！」
「じゃあ腕立て伏せしろ」
「う・・・うぅ・・・できない・・・」
「だらしねぇな！ じゃあ肘曲げないで良いから、そのまま腰を上下に動かしてみ」（読んでる貴方、前後じゃなくて上下だから心配すんな）
息子、一定のリズムで腰を上へ下へ。
それに合わせて俺、「ハイ！スタイリースタイリー♪スタイリースタイリー♪」
「ギャハハハハ！とーちゃん！笑っちゃってできないよー」
「何で笑うんだよ！ お前、スタイリーのCM知らねーだろ！ ワタシニ デンワシテ クダサーイ。ドーゾヨロシクー」
「ウハハハハ！とーちゃんて！」
「何が面白えんだよ！ ハイ！もっと！ スタイリースタイリー♪」
「アハハハハハ！ とーちゃん！ とーちゃんて！・・・」

やつの腹は今、そーとーギャングだぜ。
街で会ったらむんずと掴んでやってくれ。

（追記：【必見】あっかんが YoutubeでスタイリーのCMを見つけてくれました）


一方娘は・・・

近頃、お友達と外に遊びに出ては、こまごまと散財し、その結果、別のお友達とのお出かけの計画を「お金ないから」との理由でキャンセルするほど金欠状態に陥ってしまった。

ハハハ。そういう経験が大切なんだよな。

しかも今月下旬には仲良しのお友達の誕生日が。 プレゼント買えないじゃん！
やーい、困れ～困れ～。

「な、ちゃんと後先のこと考えて使わないと、そうやってど偉いことになるんだよ。アハハハ！」（俺だってどんだけそんなことを繰り返して来たことか・・・）

「お父様！ お願いです。お小遣い前借りさせてください」
「ダメー！！！ そういう事し出すと際限なくなっちゃうんだよ」

とは言え、お友達のこともあり、ちょっと気の毒なので、条件付き救済案を提示してやった。

最近、ピアノで新しい曲に入ったのだが、微妙に難しく、完成までには程遠い。
とーちゃんはその曲が好きなので、お前のその曲の演奏を早く聞きたい。
そこで、
その曲を2週間で仕上げて、とーちゃんに聞かせてくれたら、その頑張りと演奏に対して、少し（小遣いの37.5%程）お金を出してあげようというもの。
チョー頑張って1週間でできたら超っ早ボーナスがプラスされるぞ。
感動するほどの演奏なら、さらにボーナスだ！

その話のちょうど一週間後が昨日だった。
頑張って弾けるようになったから披露すると言う。 え！マジでかい！
んじゃ、弾いてみれ。

3箇所ほど微妙にもたつきはしたが、ミストーンもなく、つっかえもせず、綺麗に弾き切った。
おー、凄いなぁ。やれば出来ちゃうもんなんだなぁ。
ブラボー！ とーちゃんは感動したぞー。

もちろんそこにはお金とはまた別の「何か」が介在してるんだよな。

かくして娘は今月をどうにか凌げることになった。

う～ん、俺、甘々だな。 ハハハハ！