2010年6月24日木曜日

腕時計,シャイニング

S.Kingの話じゃないぜ

腕時計を着けてると、壁や家具や机の上の何かにぶつけたり擦れたりで、そのたびに少しずつ少しずつ小キズが付いて行く。
ブレス(←金属製の時計バンドのことね)の部分にも時計自体にも、細かいキズは無数に付いて行く。

でも、腕時計愛好家でもなければ、小キズを気にしてる人って、そう多くはないんじゃないだろうか?
少なくとも俺は気にしてなかった。

うん。そう。過去形。


このブログにも書いたとおり、2ヶ月ほど前、「大人の腕時計」を買った。
で、まぁ、その、なんつーか、
別に、それ以前は腕時計を大切に扱ってなかったって訳じゃないんだけども、
やっぱり、なんやかんや言っても「重み」とかノリは違って来ちゃうもんでさ。
なにせうっとりするほど輝いてるもんで、小キズが凄く気になるようになっちったのだ。

機械式時計は、数年おきにオーバーホールに出さなきゃならない。
分解掃除、注油や摩耗部品の交換などなど・・・をやらないと動かなくなっちゃうのだ。
その際、最後にポリッシングもしてくれるので、小キズは綺麗になるらしい。

はっは~ん。なるほど~。
でも、オーバーホールに出すまでの間は小キズを抱えたままってことだ。

ふむふむふむ・・・

う~ん。

じゃあ、自分で磨いて綺麗にしちまえばイイんじゃねーの?

磨いて小キズを取るってのは、つまり、「研磨」だ。
お~、怖い怖い。 研磨だよ、研磨。ウハハ!
なんて大胆無鉄砲な俺! イェ~イ!ラッケンロー!
「大人の時計」を自分でポリッシングする人って、少数派だと思うんだけど、どうなんだろ? 実は多数派なのかな?

思い立ったが吉日とばかり、恐怖のAmazonにてステンレス研磨剤やら小道具やらを発注。
速攻で届いたので速攻で磨きに着手!

とは言え流石に初めてのことゆえ、力加減やら按配やら分からない上、ちょっとビビり気味。

そうだ! 古い腕時計を磨き倒してキャリアを積もう。

で、古い腕時計を改めて見てみると、、、いや~、良く見るとびっくりするほど沢山の小キズが付きまくりやがってる。ブレスにも時計自体にも。
正直、こんなに小キズだらけだとは思ってなかった。

よ~っし、お前、俺がこれから綺麗~に磨き倒してやるぜ!
めっちゃめちゃテンション上がってきた。

そりゃぁ~~~!
研磨ぁ研磨ぁ♪研磨ぁ研磨ぁ♪ (← モルツーモルツー♪モルツーモルツー♪ な感じね ポン太ーポン太ー♪ポン太ーポン太ー♪でもOKだぜ)
磨いて磨いてぇ~!
オー!イェ~イ! シャイニ~ング!ベイベー!カモーン!

色々使ってあれこれ試行錯誤しながら磨きの技に磨きを掛けつつ、磨いて磨いて、くすみと小キズをほとんど消し去った。
眩しいばかりのシャイニング!

あんまし上手く撮れてないけど、こんな感じ。
SEIKO presage
ウルトラ綺麗になった SEIKO presageちゃん。 磨く前の写真も撮っておくべきだった。
実は元々サテン仕上げだったのだが、磨き込んで鏡面仕上げにしてしまった。
デザインも相俟ってか、鏡面仕上げの方が思いのほかエレガントな印象に。

もうほとんど見た目は完全に新品同様。
いや~、気持ちイイ。物凄~く気分イイ~。

ここまで綺麗になると、「着けたい」って気持ちが強くなる。
ちと古い、くすんでる、歳相応じゃない、、、っていう気持ちまで全部磨き落とした感じ。


と、一応自分なりに時計磨きの技術を確立し、改めて「大人の時計」の方を磨いて、お~、小キズは綺麗に取れたぜ。 シャイニ~ング!めでたしめでたしー!


カミさんの腕時計が置いてあった。
その昔、俺がプレゼントした腕時計だ。
チェックしてみると、やはり! 無数の小キズ。
おぉ~~~!テンション上っちゃうぜぇ~!

「かーちゃん、かーちゃん! ホレホレ、良く見ると小キズがスゲーだろ?」
「あー、ほんとだー」
「俺が愛を込めて磨いてやるぜ!」

ってことで、今度はカミさんの時計を

研磨ぁ研磨ぁ♪研磨ぁ研磨ぁ♪
こういう時は持ち主の喜ぶ顔を想像しながら磨くのさ。
すると細かいところまで気合も力も愛も込められるのさ。
磨いて磨いてぇ~!
磨いて磨いてぇ~!
オー!イェ~イ! シャイニ~ング!スウィートハート!

ブレスの小キズが結構しぶとかったが、ほとんど綺麗に磨き落とした。

それがコレだ!
SEIKO ルキア新品同様にリフレッシュした SEIKOのルキアちゃん。

「ほれ、綺麗になったぜ」
「うわー!凄ーーーい!ピッカピカー! とーちゃん、ありがとー!」

この日の夜は熱かったぜ。 なんちって。


さてカミさん、
諸用で実家に行ったところ、ばーちゃん(←ウチの子らから見て”ばーちゃん”ね)が目ざとくカミさんの腕時計の輝きに気づいたそうな。

「お前の腕時計、ピカピカだねぇ、えぇ?」
「これね、とーちゃんに磨いてもらったんだ」
「へぇ~!凄いねぇ! お前の旦那はマメだねぇ~」

ばーちゃんは37年前に買った腕時計を着けているのだが、古くてボロくてくすんでて傷だらけなのだとカミさんは言う。

その話を聞いて、また俺、テンション上っちった。

「ばーちゃんのその時計な、かーちゃんの次に愛を込めて磨いて差し上げますっつって預かってきな」

後日、カミさん、ばーちゃんにそのまま伝えて腕時計を預かって来た。

37年前のセイコーの機械式 - 自動巻き腕時計。
ブレスはところどころジョイントの可動部分が固り気味でスムーズに動かない。
もちろん激しく傷だらけ。
時計は小キズどころか深いキズも多く、さらに風防ガラスがくすんでいる上、キズだらけ。文字盤も針も見にくいじゃん。

今まで一度もオーバーホールをしたことないんだそうだ。
でもちゃんと動いてる。
やっぱスゲーな。 凄いぞ!SEIKO!

しかしこりゃぁ手強いのぉ~。
でもテンション上がりまくりだぜぇ~!

ってことで、今度はばーちゃんの時計を
研磨ぁ研磨ぁ♪研磨ぁ研磨ぁ♪
ばーちゃんが腰抜かすほど磨いたろ! 腰抜かしたろ!
磨いて磨いてぇ~!
磨いて磨いてぇ~!
オ~、イェ~イ!

ブレスと時計のステンレス部分は綺麗になったぜ。

だが、問題はガラスだ。
昔懐かしのダイアモンドカット。
こんなにキズって入るもんか? ってくらい入ってる。

ガラスじゃなく、アクリル樹脂の可能性もあるな。
とりあえず、10,000番の耐水研磨フィルムを使い、水を付けて軽く研磨。
研磨キズが付かない → つまりアクリル樹脂じゃない → ガラスだ。

ガラスと判明したので、ガンガン研磨 → キズはびくともせず。
耐水研磨フィルムの番手を落としてみる。 4,000番で効果が出てきた。
研磨傷は付かず、くすみが取れて行く。
キズも目立たなくなってきた。
しかし限界も見えてくる。
こりゃ、ちゃんと「ガラス研磨」しなきゃか。

よし、奥の手だ。

電動ドリルにフレキシブルシャフトをセットし、先端にミニルーター用バフをセットして、ガラスコンパウンド(←なぜか持ってる)で研磨。
本当はガラス研磨剤の方が良いんだが、他に使うアテがないのでわざわざ買うのもちょっと・・・ってことで。

研磨ぁ研磨ぁ♪研磨ぁ研磨ぁ♪
電動ドリルも吠えるぜ!ヴィイイイイイ~~~~ン!
はい!磨いて磨いてぇ~!
でも、機械式時計だから振動がちょっと心配。ま、ほどほどに。
磨いて磨いてぇ~!
オー!イェ~イ! シャイニ~ング!グランマ!

深いガラスキズは落とせなかったがほとんど目立たなくなった。
くすみは完全に取れたので文字盤も針もクリアに見える。
ガワもブレスもガラスもピッカピカ。

ブレスを水洗いし、乾かしてから各ジョイント部分にシリコン系潤滑剤を注入。 オイル系はベタついちゃうし、556とか石油系は臭くなっちゃうからね。
潤滑剤のハミ出しを綺麗~に拭って仕上げ。可動部分もスムーズに。

時計本体は一応防水だが、念のために水拭き+乾拭きで仕上げ。
ブレスと時計をくっ付けて、完成!

それがコレだ!
SEIKO JOYFUL
ピカピカになった上、文字盤も針も見えるようになった SEIKO JOYFULちゃん。
あ!日付直しておくの忘れてた。

ブレスは本来のヘアライン仕上げを残しつつ、小キズだけ落とした。(よ!職人!)

後日、カミさんがばーちゃんに時計を渡したところ、すんげえ喜んでいたそうだ。

「凄いねぇ!これ。あらまー、ピッカピカ。 おぉ~、針が見える!針が見える!」

針が見えるって、今まで見えてなくて役に立ってなかったのかいー。


いや~、楽しかったぜ。時計磨き。

磨いていて見違えるように綺麗になって輝いて行くのを目の当たりにしてテンションが上がる。
さらに、人の時計の場合、喜んで貰えるのが凄く嬉しい。

以来、電車に乗ってて、つり革に掴まる他人の腕の腕時計に小キズやくすみを見つけるたびに、「おい、コラ!それ、俺に磨かせろや!」って声掛けたくて堪らなくなっちまってるこの俺さ。ハハ!


おぉ、そうだ。
このトピックを読んでくれたあなた。
ステンレスの腕時計持ってる? ま、金のでもいいけど。
持ってたらちとチェックしてみ? 時計本体とブレスと。
小キズとかくすみとかどうよ? ある? ありまくり? 意外とあるもんでしょ?ねぇ。

なんだったら俺が磨いて差し上げますよ。 実費プラスアルファで。(ウルトラ格安よ!プロに知られたら業界団体がヒットマン雇って送り込んで来るレベル)

あ、でも、俺の知り合い限定ってことで。
ご相談・お見積り、随時受け付け中だぜ! カモーン! 俺に磨かせろやー!

2 件のコメント:

  1. どもにんぐ♪

    いやー流石タイケだね
    仕事っプリが伝わってきますです
    おばーちゃまのSEIKO JOYFULピカピカで
    風格があって超良い時計ですねー
    素晴らしい!

    オラ先日オーバーホール出したのです
    研磨付と研磨なしがあったとですが
    研磨もやりました
    結構な出費で痛かったとです
    タイケがこんなにきれいにする技術あるなら
    次回からポリッシュはタイケに頼もうかしらん? 笑

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  2. 川上ぃ~! コメントどーもありがとー!

    「どもにんぐ♪」シャイニ~ング!


    > いやー流石タイケだね
    > 仕事っプリが伝わってきますです

    いや~、どもども。
    でも楽しかったっすわー。

    > おばーちゃまのSEIKO JOYFULピカピカで
    > 風格があって超良い時計ですねー
    > 素晴らしい!

    アハハ。イイっしょ? 岡田奈々がCMしてましたな。
    ブレスの駒の細工が細かくてねぇ。うっとりですわ。


    > オラ先日オーバーホール出したのです

    ほぅ~

    > 研磨付と研磨なしがあったとですが
    > 研磨もやりました

    あー、なるほどー。あり/なし 選べるのか~

    > 結構な出費で痛かったとです

    だよねぇ。川上の持ってる腕時計なら、そーとーでしょうなぁ。
    ちなみにポリッシュの値段だけでもそーとーなんでしょ? 高級時計だと。

    フツーの時計でもプロにポリッシュ頼むと、安くても1.2万円くらいするもんね。


    > タイケがこんなにきれいにする技術あるなら
    > 次回からポリッシュはタイケに頼もうかしらん? 笑

    マジで? おぉ~、川上さえ良ければやっちゃうよぉ~!
    目ん玉引っ込んじゃうくらい格安で。
    一応、鏡面仕上げの他、サテン仕上げもヘアライン仕上げも行けますぜ。一応ね。ま、一応ね。

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