2011年10月31日月曜日

ギロイストに薔薇を

ベストパフォーマンス賞の行方は

金曜日。久々に仕事を定時で上がり、銀座に向かった。
JR有楽町駅から敢えて裏道を縫って歩く。
長年バイトで通った街だけに愛着があり、あちこち様変わりした中に変わらぬ風景を見つけてはテンションが上げつつ、目的の山野楽器へ。

ギター売り場のフロアの一角がパーカッションコーナーになっていて、そこに目的のブツは置いてあった。

結構デカい。40cmほどもあろうか。 値段は3,150円。 意外に安いぜ。
俺はこいつを手に取り、こいつの活躍を夢想しながらレジへ向かった。



2ヶ月前。娘の吹奏楽部デビュー公演の時、観に来てくれたネコキックさん(以下ネコさん)・七色マフラーマンさん(以下ナーさん)夫妻と、我が家でごく軽いセッションを行った。
ナーさんがiPhoneに入れているドラムスアプリでリズムを刻み、そこにリコーダーやギターを合わせたり。
その時、次までに各自ちゃんと練習して、一曲ちゃんと演奏してみようじゃないかという話になったのだ。

後日、メールでやり取りして、まず、曲が決定。

『アンパンマンマーチ』

楽器の編成と担当は、
ネコさん:キーボードでベース
ナーさん:iPhoneでドラムス
息子:鍵盤でハーモニカ(ようするにピアニカね)
娘:アルトなリコーダー
カミさん:ソプラノ的リコーダー
俺:ソプラニーノ版リコーダー

この編成で、キーはCとして俺がアレンジし、PCで全パートを打ち込んで音源を作成。
さらに楽譜も出力し、Googleのサービスを利用して各自へ配布した。
(この頃、Google+が一般公開されていれば、相談も配布ももっと楽だったのだが・・・)


本番予定日は娘のピアノ発表会の日だったのだが、あれこれあってセッションは延期。
先週土曜日の、娘の中学の文化祭に、ネコさんナーさんも来てくれることになり、娘が帰宅してから我が家でセッションということになった。

そしてこの日は、遠路はるばる義妹(以前このブログにも書いた、クラシックギタリストである従兄弟の奥さん)も、娘のステージを見に来てくれることになった。
ならば折角なのでセッションにも参加して貰おう ってことで、俺は前日に山野楽器へ走ったって訳さ。

そこで買ったのが、

ギロ


『ギロ』 だ。
ギザギザの部分を棒でこすってギーギー鳴らすやつ。
義妹は何をやらされるのか知らない。 本番が楽しみだぜ。


娘のステージは午前と午後と両方がっちり楽しんだ。
部員が代わる代わる曲間のMCをするのだが、笑いを取ろうとしたネタの寒さも、間合いのグダグダっぷりも、実に中学生らしくて微笑ましい。
寒いネタのオチですかさずリアクション叫んで会場に笑いを起こした俺の愛を感じてくれたか?君ら。

演奏は良かった。
吹奏楽でディープ・パープルメドレーって、えぇ!って思うけど、意外にイイ。最後は「ラッケンロォォォオオオオ~~~!」と叫んでいた俺さ。


そして我が家へ。
娘が帰宅するまで各自パート練習。

俺は義妹にギロを見せた。「じゃ、これ。ギロ。よろしく」「ギロっすか!分かりました!」
そして弾き方をレクチャー。 最初の音をゆっくり伸ばしてから次の3つを早く切る。 と、やってみせる。
ギー・チャッ・チャッ・チャッ ギー・チャッ・チャッ・チャッ
「はい!分かりました!頑張ります!!」 
本番前に初めて手にする楽器でガッツリ要求されてるにもかかわらず、スゲー気合入ってる。


iPhoneをオーディオに接続したところ、なかなか迫力あるドラムスになった。

そしてビデオカメラのセッティングやら何やらかにやら・・・

義妹は何かに取り憑かれたように、一点を見つめ、一心不乱にギロをこすりまくっていた。
金魚鉢を宙に浮かすことも可能じゃないかと思わせる程の集中力でひたすら練習に打ち込む彼女。
ギー・チャッ・チャッ・チャッ ギー・チャッ・チャッ・チャッ・・・
「あ!ギロ、イイね。凄く良くなった。」
「本当っすか? ありがとうございまっす!」


待てよ・・・
息子はサビの主旋律と、サビ前のちょっとした単音伴奏以外は暇にしている。
「お前、暇な時はトライアングルやるか?」
実は、ギロと一緒にトライアングルも買っておいたのだ。

息子にトライアングルのレクチャー。
持ってる手で、トライアングルの頂点を包みこむようにして叩いて、ミュート音。 「チッ・チッ・チッ」
そして手を広げて響かせる 「チーン」
これを続けてやる。 「チッ・チッ・チッ・チー チッ・チッ・チッ・チー ・・・」
「分かった!やるやる!」


娘、帰宅。
着替えて練習に入る。 文化祭で2ステージ演って来て、帰宅したらアンパンマンセッションだもの、忙しいやなぁ。


軽く合わせてみようってことで、ビデオ回して演ってみた。
予想通りのグダグダっぷりがまた楽しい。
ビデオを再生してみたところ、おいおい、ほとんどみんな横か後ろ向きじゃないか!

写り込んでいた菓子やペットボトルを片付け、各自の位置や向きも直して再度。
あーミスったー! やいのかいの ワハハハハー 集中力切れたー! ちょっと休憩~
ってノリで数回の演奏を経て、最後、これで決めようぜってところで・・・ おぉ、一番イイんじゃないの?これ。

ビデオをテレビに繋いで最後の演奏を再生してみた。
おぉ、イイじゃんイイじゃん。演奏はベストだった。
しかし、まぁ、ほとんどのメンバーは楽譜を睨みつつの演奏で、見た目の面白味が無い。
これは反省点として、次回は何か考えようぜ。
ギロの彼女はどうだ? おぉ、直立不動でギロを見つめながら一心不乱に奏でているぜ! オーラが見えるぜ!

そしてなんと、やっぱりこういう時に美味しいところをさらって行くのは息子なのか。
カメラに向かって余裕の表情で、さらにノリノリで鍵盤ハーモニカを奏で、鍵盤ハーモニカのホースを加えたままトライアングルを打ち、また再び鍵盤ハーモニカ演奏に移る様に、メンバー全員心を奪われた。
トライアングルも上手に操ってやがる。
「おまえ、今日のベストパフォーマンス賞に決定!」

しかし、急遽入れることになったパーカッションで、ギロってのはベストな選択だったと思えるくらい、サウンドに馴染んでいた。
馴染んでいたのはサウンド的にだけでなく、奏者的にもだ。
既にして君は立派なギロイストだ!


そんなこんなな実に楽しいセッションだった。
動画を一般公開できないのが残念だ。
観たい人は Google+ に入って来てくれ。


ちなみに、義妹はギロを大変気に入ったようで、「ギロ、買う予定です」とメールが来た。
やはり君は天性のギロイストだったんだねぇ。

2 件のコメント:

  1. >金魚鉢を宙に浮かすことも可能じゃないかと思わせる程の集中力でひたすら練習に打ち込む彼女。

    そうそう!あの集中力はすごかった。
    私は ギロの音に合わせて
    ツボからヘビを出すんじゃないかと
    思ったね。

    ギロイスト誕生の瞬間を見たもんね。

    新曲も決めましょ。
    そんで ストリートにでましょ。

    返信削除
  2. ネコキックさ~ん! コメントどーもありがとー!

    > 私は ギロの音に合わせて
    > ツボからヘビを出すんじゃないかと
    > 思ったね。

    ウヒャヒャヒャヒャ! レッドスネーク、カモーン!じゃないですか!

    > ギロイスト誕生の瞬間を見たもんね。

    誕生したねー。

    > 新曲も決めましょ。
    > そんで ストリートにでましょ。

    おぉ~、ストリートかー! イイねー!

    返信削除

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