2011年10月7日金曜日

義父の死と娘のピアノ発表会(中篇)

じーちゃんに捧ぐ


義父の死と娘のピアノ発表会(前篇)からのつづき)

親族はそれぞれ思い思いの席に着いた。
じーちゃんはどこに座っただろ? 俺の右隣はず~っと空いてたから、そこに居たのかな?

俺は三脚をセッティングしてビデオを据え付け、さらにデジイチ取り出して準備。
いつもはカミさんがビデオ係なのだが、今日はなんとな~くのノリで、俺がビデオもカメラも扱う感じ。 忙しそうだな、俺。

ちなみに今回の会場のピアノはスタインウェイ。 やっぱカッケーなぁ。




今まで何度も書いてるけど、ピアノ発表会ってイイ。
よその子の演奏でも、知らない子の演奏でもイイ。
プロには無い良さがあるものなのさ。

小さな子らの、無垢で楽しげな演奏が続く。

時々、テクニック云々よりも表現力で「おぉ!」って子が居たりする。
今年も新たに一人、小学3年生の女の子をチェック。彼女の音に、心を鷲掴みにされちゃったんでね。

2年前、この子は素晴らしい!と思った小1の男の子が居た。
今年3年生になったその子の演奏。「お!あの子じゃん」
いや、びっっっっっっくりした。
天性の表現力にテクニックが備わりつつある。
たった2年間でどんだけ上手くなってんだこいつー!


我が娘の一人前が、ミミちゃん(仮名)の演奏だった。
さあ、どうかな?
ぅ~ん、頑張ってるなぁ。うん、うんうんうん・・・
中学生になってあれこれ忙しい中、頑張って練習したんだな~ってのが伝わって来る。
グっと来ちゃったぜ。
運動会の時もそうだったけど、彼女のひたむきさには心を打たれる。
ちょっとミスもあったけど、良い演奏だったぜ!

そして我が娘の番。
ソロ2曲。 最初の曲は『亜麻色の髪の乙女』。 SoftbankのCMでお父さんが星空眺めてるシーンで掛かってた曲ね。
朝、家を出る前に練習していた時の完成度から予想される本番での演奏レベルを超える出来だった。
ミストーンはあったがつっかえはせず、良い感じの仕上がり。 本番に強えーな。
じーちゃんへの想いを乗せてるのか? と思ったらグっと来てしまった。

2曲目、曲名何だっけ? 『やんちゃな黒人』?違うな。ま、そんなやつ。
結構細かい音割りでツラッチャ・チャッチャ・ジャバジャバジャバジャバ・・・ 決めて来たなぁ。

きっとじーちゃんも拍手してるよ。うん。
敢えて弾く直前の写真

休憩時間になり、来てくれていたネコキックさん七色マフラーマンさん夫妻と挨拶。
「いや~、昨夜、カミさんのお父さんが亡くなりましてね」
「え゛~~~~~~~~!」
そりゃ驚きますわな。

我が娘の吹奏楽部の演奏会デビュー公演を観に来てくれたり、ピアノ発表会を観に来てくれたり、もはやウチの子らにとっては親戚のおばちゃんおっちゃんも同然の間柄だ。


客席で遊んでいた、例の小3ピアノ少年に声を掛けた。
「なぁ、君の演奏は素晴らしいな」
「え?・・・何ですか?・・・」知らないおっさんに声掛けられて訝しげだ。
「君の演奏、素晴らしかったよ。俺は感動したよ」
すると笑顔になり「どうもありがとうございます!」
小3とは思えないしっかりした受け答えだ。
と、傍に、俺がチェックしたピアノ少女も立っていてこの会話を聞いていた。
「あ、君の演奏も凄く良かったよ。俺、覚えてるよ」
嬉しそうに微笑んでいた。(チョー可愛い~)
二人とも、次(2年後)の発表会が楽しみだ。


娘とミミちゃん(仮名)の連弾。
今回は『One Summer's Day』 久石譲ね。
『千と千尋の神隠し』で使ってた曲。『いのちの名前』のタイトルの方が有名かも。
良い曲だよな~、これも。

ちょっと前まで先生から「お尻に火が点いてます」って言われるくらい壊滅的状況だったのに、なんとか本番に向けて仕上げて来た。
あぁ、良いねぇ。 二人の音のバランスも良いし・・・ ぉおっと、そこタメたか。グっと来たぜ。


しかし、やっぱり、ビデオとカメラと両方扱うのは忙しないな。
写真はあまり撮れなかった。


次の休暇で親族連中は引き揚げ。
発表会はまだまだ続く。

息子はじっと演奏聴いていられる限界をとっくに超えている。
そんな息子の状態を機敏に察知してロビーに誘って遊んでくれたのが七色マフラーマンさんだ。
いつもすんません。どうもありがとう。


2年前、中1ながら凄い心意気と腕前を披露した少年は中3になり、中1の妹とピアノ2台で連弾。
モーツァルト『2台のピアノのためのソナタ』 『のだめカンタービレ』で千秋先輩とのだめが連弾してたあれね。
いや~、凄いな。 なんなんだこの中学生!
この子らの演奏も凄いんだが、やっぱモーツァルトは凄い。何だ?その曲!凄過ぎだよ。


と、なんやかんやで無事終了。
あんまし寝てないのに、演奏中はほとんど居眠りしなかったな。ほとんどね。

記念撮影から何から全部終わって解散。
ミミちゃん(仮名)一家と挨拶交わし、ウチらはネコさんなーさん夫妻と夕食を共にしてから帰宅。

ウチに帰って来たら疲れがド~~~~っと噴出した。
まぁでもピアノで癒されたから良かったな。



そして翌日の日曜日、娘は部活に行き、俺たちゃじーちゃんとこへ。
入棺の儀なのだ。 いや、「儀」ってほどでもないけども。
そして一日置いてから通夜、そして葬儀。
きっちり送ってあげないとな。


義父の死と娘のピアノ発表会(後篇)へつづく・・・

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