ドラッグレーサーかよ！

アクシデント発生

昨日の午前中、ハーレーでチョイ乗りに出た。
日差しも風も空気も匂いも、タンクに映る雲も申し分なく、絶好のハーレー日和だった。

帰ってきてガレージに入る時、ちょっとしたアクシデントに見舞われた。
あろうことか進入ライン取りをミスってしまい、上リスロープの途中で立ち往生してしまったのだ。

フロントブレーキを掛けたが、後ろにズルズルズリ落ちてしまう。
超半クラ坂道発進するも、なんと後輪空回り。
ついでに空回りしながらちょっと右側にスライドしてしまった。
コンクリ打ってある部分から落ちてはいないが、もう少しずれたら土の部分。
そうなりゃ下までズリ落ち、斜面で転倒するは必定。

マジでかな～りヤバい状況なのだ。
だがこの俺、ヤバい状況だがまだ考える余裕がある場合、普段では有り得ないくらい冷静になるタチなのだ。
自分でも驚くほど冷静。
脈拍も呼吸もまったく乱れず、思考はいたってクリアだ。

もうこうなりゃ、力任せにタイヤを空転させて、磨り減ったタイヤがコンクリに乗ったところでグリップ力を得るしかない。
失敗すりゃ急斜面で転倒。
場合によっちゃ業者を呼ばなければ引き起しは無理だろう。
脚の一本も折るかもしれない。
一発勝負なのだ。

車体を傾けないように注意を払い、高回転での半クラから一気に繋いだ。
エンジンの唸りとタイヤの悲鳴。
そして・・・なんと煙が！
タイヤから物凄い量の煙がモクモクモクモク～！
うっわ！ ドラッグレーサーかよ！
まさに、あたかもドラッグレースのタイヤウォームアップのごときだ。
焼けたゴム臭が鼻を突く。 足元が熱い。
「頼む！・・・」
俺の祈りが通じたのか、突如タイヤがグリップ力を得た。
そしてロケットのようにガレージ内に突入。
ここでも尋常ならざる冷静さを発揮し、スロットルを戻して前後ブレーキ。
壁への激突も免れた。

エンジンを止め、サイドスタンドを出してハーレーの脇に立つ。
と同時に、心臓バクバクバクバク・・・ 物凄い虚脱感。 膝の力が半分抜けた。
あ～、怖えかったぁ～。
冷静だった反動が、事後に一気に押し寄せて来た。


タイヤに触ってみたところ、かなり熱くなっていた。
タイヤ溝はちゃんと残っているが、何km走行分磨り減らしちゃったんだろ？
ま、転倒しないで何よりだ。

とりあえず家に入ってコーヒーを喫した。
ふぅ～。 熱いぜほろ苦いぜ。
本当～に、ちょっとした油断が致命的なアクシデントに繋るのだ。
それを思い起させてくれた一件だった。
これからも慢心することなく、ハーレー道に精進していく所存な～のだ。