マルボロマンと至高の一服

俺はブリブリマン

荒野で一人佇んでいると、見知らぬ男が歩いて近付いてきた。
昔、マルボロのCMで見たワイルドなタフガイ的風情。
誰だ？・・・何者だ？・・・・

大きな岩をベンチに、2メートルくらいの間を空けて差し向かいに腰を掛けた。
何者だろう？・・・　悪い奴ではなさそうだが・・・

と、その男、「あれ？・・・」　俺の後方を指差した。
振り返ると、低木が生い茂っていた。
「煙草の木だね」男が言う。
これが煙草の木・・・、これが煙草の葉なのか・・・

「ちょうど今が旬だね」男が重ねて言う。
旬？・・・ 木を良く見てみたところ、紙巻きタバコが実っていた。
見れば見るほど、あっちの木にも、こっちの枝にも紙巻きタバコが実っている。
フィルターを下にしてぶら下がるように実っている。

男がこちらに近寄り、実っているタバコを一本摘み取って香りを愉しみだした。
俺も一本摘んでみた。 あぁ・・・良い香りだ・・・

男がタバコに火を点け、吸い始めた。
俺のタバコもいつのまにか火が点いている。
俺はそのタバコを口に咥え、深く吸い込み、肺を紫煙で満たした。
ふぅ～・・・ あぁ、なんて美味いんだろう。
って、あーーー！吸っちゃった！！！

で、目が覚めた。
まだ夜中だった。

それにしても美味いタバコだった。 至高の一服だった。

こんな夢を見てる俺が面白い。
加工品のタバコがそのまんま木に実ってるっての笑える。

見知らぬ男と差し向かいになってる状況ってのは、軽微なストレス状態の象徴なんだろうな。
んで、タバコなんてどこにでもあるし簡単に手に入る。
吸えばその「軽微なストレス状態」から開放される。
そんな誘惑は己の中にあるのだ～。ヒッヒッヒッヒッヒィ～
ってことでしょうな。

夢の中では、とりあえず何も考えずにフツーに吸っちゃってるのが面白い。
実は吸いたいと思ってるのがバレバレだ。

え？吸いたいの？
うん。 習慣的に吸ってたタイミングで、喫煙欲求は生まれる。
「吸いてぇ～」っていう意識じゃなく、吸ってるイメージとそれを欲してる感覚ってのが来るね。ボワン！と来る。
でもそれを、ブリン！と ”落とす ”ことは出来てる。

あれやこれやの鬱陶しさから開放されて、その点はすでに凄く良い気分だ。
これをフイにしたくない。
ちょっと油断したら簡単にフイになっちゃうんだぞぉ～ って夢でもあったんだな。
実に面白い。


で、非喫煙者歴7日目。
相変わらず眠いし、微妙にボーっとした感じ。
でもタメ息の回数は減ってきた。

感情の振り幅が大きい。
息子としょっちゅう観てるCGアニメ映画（Cars）で、改めて妙にグっと来たりするし、
駐輪場の細い通路での行き違い時、待ってる俺を認めていながらダ～ラダラ歩く相手に対して、イメージの中ではサスペンス劇場（R指定）だし、
そのノリで言えば先日の人相激ワルオババは誰も知らないところに埋められている。

その他の身体症状は今のところ出てない。
ニコチン離脱症状で便秘になる人も居るらしいのだが、
幸い俺は毎朝ブリブリマンだ。