2009年3月26日木曜日

『VOICE』観て涙して尊厳死について考える(シーズン I)

自分が自分であり続けること

いやいや、WBC! いやボクシングじゃなくて World Baseball Classicね。
すっごいねー、日本連覇! 天晴れ天晴れ!

でも近頃仕事が忙しくて、WBCの映像は一つも見てないのさ。
せめて決勝戦くらいは見たかったなぁ。

イチローねー、最後の最後に・・・本当に、野球の神の光臨だわ。
ま、本人言うように「おいしいとこ取り」だけども。
み~んなお疲れ様で、イチローばっか騒いじゃアレだけど・・・そんでもねぇ。どうなってんだ?イチロー!
ちなみにイチローが打った時、2chのサーバーがいくつか落ちたらしいぞ。

え? 何? 俺? あ、プロ野球好きじゃないけど・・・何か?


さてさてさて、、、


ブログに書こう書こうと思っているうちに最終回を迎えてしまった、ドラマ『VOICE ~命なき者の声~』。
このドラマは来たなぁ。

始まる前の番宣見た時は別に触手は動かなかった。
俺、実は、大学生モノのドラマって相性が良くない。
青臭さや”悩まし”感や”仲間”感やらがみんな鼻に付く。いや、そういうの嫌いじゃないはずなのに、なぜか大学生モノのドラマだと鼻に付くことが多かったのだ。
高校生モノは全然OKなんだけどねぇ。


そんな訳で『VOICE』は観るつもりはなかったのだが、、、何の因果かたまたま偶然出くわした。
(俺はてっきり第1回目の放送だと思っていたのだがすでに第3回目だった)
まぁどうでもイイや的なノリで、PCいじりながら観てると・・・・気付いたら俺、涙ポロリ・・・


このドラマ、青臭さや”悩まし”感や”仲間”感やら、み~んな全然アリ。イイ!
主人公の閃きが超自然的だったり推理が無理矢理だったりなところも・・・(このドラマの)形式美的なノリで許せちゃう。
「キタキタキター!」なんつーて、テンション上がっちゃうね。
主役の瑛太はイイなぁ。 作品ごとにそれなりの雰囲気作ってるね。 イイ役者だなぁ。


ドラマの内容は、とある医大の法医学ゼミでの5人の学生の・・・まぁ色々だ。
司法解剖や行政解剖を通して、死者の最期の声に耳を傾け、真実を探る。 それで難事件解決!なんて単純な話じゃない。
死者の最期のメッセージを遺族に届けたり、、、遺族のためにと思っていたのにそうじゃないことも・・・で悩んだり、、、

最終回、凄~く良かったけど、一番泣かなかった回だなぁ。
被害者がダンカンで、現場に花を手向けに来た友人がガダルカナル・タカって、、、ちと悪乗りっしょ?笑ってもうた。


※最終回の一つ前の回、録画してあるけどまだ観てない方、以降ネタバレ注意です※

末期ガンの作家の話、泣いたぁ。
登場人物すべてが愛に満ちてて、切なくも温かくて泣いた。

有名な作家がガンの闘病中、容態が急変して死んでしまう。
あまりに急で、奥さんは納得行かない。
担当医と院長に泣きながら食って掛かる。おかしいんじゃないですか? 医療ミスじゃないんですか?
院長は適当にいなすだけだ。 最善は尽くしたんですが・・・
しかしその裏で、院長自らカルテの改竄をおこなう。 担当医に口止めもする。 怪しい!怪し過ぎるぞ!

この院長の息子が前述の法医学ゼミの5人のうちの一人。
彼は(青い)正義感や使命感や倫理観から、真実を知りたいと思い、奥さんに旦那さんの解剖を勧める。

大病院の院長である親父を敵に回し、解剖によって真実を解き明かそうとするものの・・・
医療ミスの可能性は発見するも、担当医師らの協力がなければ真実は解らないところまでしか辿りつけない。

解剖なんかしなきゃ良かった・・・と泣き崩れる奥さん。

しかし何やら色々腑に落ちない主役の加地君(瑛太)、色んなとこ行って調べまくる。
釣られて仲間も、作家の以前の病院の担当医の話を聞きに仙台までバイク2ケツで行ったり。

そして、、、真実は解き明かされた。

ガンが脳にまで転移してきた作家。
言葉を紡ぐことが彼の仕事、彼のアイデンティティーだった訳だが、意識の中から言葉するりと抜け落ちて行くようになる。
記憶が危うい。自分が自分でなくなって行くのが怖い。
若い頃から、作家としての彼のファンでもある長年連れ添った奥さんの前で、彼は最後の最期まで”彼”でありたいと思う。

そこで、同郷で学生時代以来の親友が院長を務める病院に転院し、院長に尊厳死(というか安楽死)を依頼する。
そんなことを頼めるほどの関係だってことだ。
院長も、その頼みを承諾する。
医療倫理を超越したところで、二人の関係性の上で、そんな凄まじい頼みを、尊厳死という名の下、人の命を絶つ依頼を聞き入れる。

さらに、というかもちろん、作家は奥さんには一切秘密にして欲しいと願う。
院長との関係すら一切秘匿し、すべてを上手い具合にやってほしい。
お前ならできるだろう・・・
頷く院長。

そして、それは行われ、作家は静かに、眠るように息を引き取った。

というのが全貌。
すべてが解き明かされ、すべてを告白した院長が、奥さんに深々と頭を下げる。
大変申し訳ありませんでした。

そこで奥さんの涙ながらのリアクション、

・・・どうもありがとうございました。

ここで俺の涙の防波堤は完全決壊。
涙は滂沱となり鼻水の奔流と合流し大河を成して大海へ・・・・

院長は自ら警察に出向く。
その姿を見て、息子は、お父さんは医者として間違ったことをしたけど、僕はお父さんを立派だと思う。 なんてな事を言う。
だからお父さんを超える医者になるために頑張ると。
ドラマの最初の方からこの2人は色々と軋轢やらすれ違いやらがあっただけに、ここもまた大泣きだった。


自分が自分であり続けることは大切だ。
出来れば最期までそうありたいと願う。
しかし、それが叶わないと知りえた時点で尊厳を保つための死を選ぶことは”罪”だろうか?


おっとっと、、、なんだか長々と書いちゃったんで、続きはまた次回。
今回のトピック、タイトルに ”シーズン I”って付けたしとこう。
次回、シーズン II でお会いしましょう!

2 件のコメント:

  1. どもです
    WBCの決勝戦、たまたまだけれど実家で観ました、イチローの最後の決めの一発には興奮して一緒に観ていたカミサンとお袋とハイタッチして「ヨッシャー!」なんちって涙してました。
    野球はもちろんサッカーも競技関係はまったく観ないというか興味ないのに、何故か燃えましたー

    >え? 何? 俺? あ、プロ野球好きじゃないけど・・・何か?

    ブッハッハー 僕もです、「先週WBC日本凄いね」って知人に言われて「何?WCB」って、って言うくらいわかんないでした、選手もイチローと松坂しか観ててわかんなかったし・・・
    タイケとチト(だいぶかな?)意味が違うと思いますが、プロ野球は好きとか嫌いじゃなくて観ないですワン。

    『VOICE ~命なき者の声~』
    んー、タイトルからして来ますね

    でも
    >なぜか大学生モノのドラマだと鼻に付くことが多かったのだ。
    高校生モノは全然OKなんだけどねぇ。

    ってどうしてなん?
    僕は逆かも
    つか
    鼻に付くって アハハ

    >お父さんは医者として間違ったことをしたけど、僕はお父さんを立派だと思う。

    うんうん、手塚治虫のブラックジャックでもよく扱われていたテーマですね
    堪えのでない難しいテーマなのかな
    簡単に言うわけではないのですが
    ケースバイケースで「あり」の時もあると思う・・・

    >自分が自分であり続けることは大切だ。

    ムム、妙に突き刺さる言葉です

    >しかし、それが叶わないと知りえた時点で尊厳を保つための死を選ぶことは”罪”だろうか?

    うーん、深くて考えてしまいます
    “罪”の基準ったら変だけれど、、自分で死を選ぶ・・

    シーズンⅡが待ち遠しい!

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  2. 川上ぃ~! コメントどーもありがとー!

    > イチローの最後の決めの一発には興奮して一緒に観ていたカミサンとお袋とハイタッチして「ヨッシャー!」なんちって涙してました。

    なー、だろー?川上ぃ~! 感動するだろ~? (川上が・・・って想像してちょっと笑ったけど・・・アハハ)
    ある目的に向かって邁進し、それをモノにする姿って、個人でも団体でも、そこには他者の感動を呼ぶ何かがあるんだよぉー。
    川上は良く「勝ち負け」自体を否定するけど、いろんな種類の「勝ち負け」があるんだよぉ。
    川上が言うような、しょぉ~~~~もない「勝ち負け」もあれば、感動的な「勝ち負け」もあり、それこそ尊い「勝ち負け」だってあるんだよぉ。
    物事の多面性を認めろよぉ、川上ぃ~。

    例えばアスリートやファイターや勝負師にとって、競技・試合・勝負はその人の「表現」の場であって、その「表現」こそがアイデンティティーだろ?
    そこに付随する「勝ち負け」だって色々だよ。
    それはその人の心意気とか人間性とかで、色~んな形(とかレベル)になるんだと思うなぁ。
    それは芸術家の「表現」となんら変わることはないと思ってるよ、俺は。


    > 僕は逆かも
    あ、そーなん? 大学生モノのドラマの方が受け入れやすい? へぇ~。

    > 鼻に付くって アハハ
    アハハ 鼻に付くんだよ~


    > うーん、深くて考えてしまいます
    > “罪”の基準ったら変だけれど、、自分で死を選ぶ・・
    深いテーマだよなぁ~。

    > シーズンⅡが待ち遠しい!
    俺も!俺も!!

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