遺伝的プログラムにより制御される回避行動に関する考察
車を運転していて細い道に入ったりする。
たまたまその道をそこそこの数(まぁ4人以上としましょう)の歩行者が我が物顔で闊歩していたりする。
通常、歩行者は近づいてくる車に気付き、道の左右どちらかに避ける。
この時、歩行者は左右どちらに避難するか?
答えは「両方」である。
車のドライバーはそれを見て舌打ちする。
細い道で両側にバラけて避けられると、通過時に両サイドに気を配らなくてはないので鬱陶しいのである。
ところが!
そんなドライバーも逆の立場の時は、周りの状況を瞬時に判断し、、、というかほとんど何も考えず、反射的に左右にバラけるように避難する。
歩行者は、道路の片側だけに尋常ならざる危険があるのでない限り、たとえ片側だけに歩道があろうと、必ず左右にバラける。
そして概ね、均等にバラけるのだ。
なんてえのは俺の経験から、印象に基づいて提示しているテキトーなデータであーる。
でも、これって、ドライバーの立場か歩行者の立場か、その両方かで、このトピック読んでる貴方も経験しているんじゃ?
我が息子なんか、 ちゃんと道の端を歩いていて、そのまま車をやり過ごせば良いだけの状況で、わざわざ人の少ない反対側へ飛び出して行ったりする。
「コラァアアア~!バカタレ~~~!!!」
と、とーちゃんに怒鳴られ、衆目を一手に集めることになる。
え?・・・嘘~ん、衆目集めてるの、、、俺? あ、そう・・・
まぁとにかく・・・
危険が差し迫ってきている状況では、人は、いや動物は、「咄嗟」な判断と行動が求められる。
「思考」していては間に合わないことが多いので、反射的に反応する。
この、思考ではない反射的な判断と行動って何か?っつーと、遺伝的プログラム・・・つまり、本能ってやつだ。
おそらくこの行動プロトコルみたいなものは、大脳皮質よりもっと奥、脳幹とかに近いところにあるに違いない。
集団(複数)で歩いている背後から脅威(車)が来た場合の行動プロトコルは、
なるべくバラけて逃げるってことなのだ。
つまりこれ、バラけて逃げることで、一網打尽を避け、”種”が絶えるリスクを減らそうってことだな。
半分やられちゃっても半分残れば御の字だって話なのだ。
おっと、[減らそう」とか「御の字」とか書くと遺伝的プログラムには「意思」が働いているように思えちゃう。
そうじゃない。
進化も同じだけど、そういったものに「意思」なんか働かない。
ただ、テレビにしても書籍にしても進化を説明する際には意思が働いているような比喩を使って説明されることが多いので、そう理解している人は多いが。
例えば、キリンは、首が長ければあそこの葉っぱが食べられるのに・・・首長くしてぇ~ って思って首が長くなった訳じゃない。
(俺はガキの頃、大人にそういう説明 -何万年も首長くしたいと思い続けた- をされ、そんな訳ねーよーって思ったのが進化に興味を持つきっかけになった)
たまたま突然変異で首の長い子が生まれたら、その子がたまたまその環境では長い首が生存に有利に働き、その子の子孫も同様に・・・で、やがてその集団が独立した「種」となったり、元の種(首長DNAを持たない)が絶滅したりということなのだ。
”たまたま”は色々なところに出る。それが たまたま その時の環境で生存に有利に働くことで進化に繋がる。
同じように、バラけて逃げるのも、バラけた方が全滅の可能性が減るぞ なんて意思は働いておらず、脅威を回避する際にバラける反応行動をする回路をたまたま持った個体はその回路が生存に有利に働き、その個体の子孫がその回路を増やして行き、種を保存できた(というか新たな種を構成し、絶滅を回避できた)という訳だ。
そういう回路を持たない個体や集団は捕食者に一網打尽される率が高いため、やがて滅びて行く。
バラける反応が備わったのが進化のどの時点かはわからないが、おそらくかな~り遠い遠い昔まで遡るんじゃないだろうか?
サルよりも前なんじゃないかと・・・
もしかしたら、脊椎動物としての枝分かれの頃のニョロ吉君時代まで?
な~んて考えてると凄く面白くて、
そんなこと考えるようになってからは、車に乗ってて、細い道で歩行者が左右に分かれると、「あー!この人たち、今、思考じゃなくて遺伝的プログラムで動いたんだ!半分やられても半分残れば御の字行動だ!」な~んて、妙にテンション上がっちゃう俺なのだ。
この、何かっつーとあーだこーだっつってテンション上がっちゃう回路ってのも、結構生存に有利に働くと思うんだが、、、そんなやつばっかりになると世の中鬱陶しいことになっちゃうからダメ? あ、そう・・・。
どもっすです
返信削除うーん今回のトピ最高におもしろいですねー
シマウマとかライオンに襲われた時
やはりバラケテ散るんですかね?
生存し続けるするために天敵から逃げる為の本能なる行為なのですかね
パァーと散るんですね
その際シマウマも小魚も群集心理みたいなもので繋がっているのですかね?
「お前達は右側、俺達半分は左側だ、それっ逃げろ!」なんちってる指令があるんですかね
ニョロ吉たちにもあるですかね
どこの脳で数を把握してるんだろう、ちゃんと左右半分ずつ・・・上から誰か見てるニョロ吉の主がいるわけないしなー
話違うけれどアリ塚の左右対称に作られるのもよくわかってないらしいですね
一匹一匹があの大きな「巣」の形を把握してるわけないし、遠くから見て「おーいそこもうチョット右側を大きく・・・そうそうそんな按配で・・・」なんちってるわけないし
でもなんかの伝達手段はあるんですかね
ある学者がガラスのツイ盾をたてたりおおきなビーカーに入れてグループに分けても(文が下手で伝え方がウマくなくてすいません)
ちゃんと左右対称のアリ塚が形成されるんですって・・・
蜂の巣の六角形や
くもの巣の模様も不思議です・・・
本能のままにやってるんでしょうけれど
なんでちゃんと形式的な形を成しているのだろう??
この宇宙も離れてグローバルにみると
キチっとした形になってたりして・・・
あー怖くなってきた・・・
タイケよく仰ってる生存有利説だけなんでしょうかね?
キリンの首長いのもずっと高いところのもの食べるために首が長く進化したと思ってました・・・
ダーウィンの進化論ってかなり違うのかな・・・
何億年も恐竜時代が続いたのに文明が起こらなかったのも変だし
逆に本の数年で電気扱って飛行機やロケット飛ばしてるのも早すぎるし・・・うーんわかんない
猿がだんだん進化して人間になったとは思えないような気もするし・・・
いやでも生物学ってどこまで解明されるんだろう
人間だけに言葉や文字があって・・・コンピュータこさえちゃって
これから何十年何百年何千年どこまでどんな風に文明は進み、技術は発展するのだろう・・・
何千年しても
おぅあつぶねー なんちって左右に散るんだろうか
確実に安全な右側(もしくは左側)に避けるようになるんだろうか・・・
川上ぃ~! コメントどーもありがとー!
返信削除> うーん今回のトピ最高におもしろいですねー
あ、そ~お? おもろい? 人によっちゃつまんねー話かもな~って思いながらアップしただよ。
> その際シマウマも小魚も群集心理みたいなもので繋がっているのですかね?
いや、そこは心理とか思考以前の、脳の深いところで起こる「反応」なんだと思うのよ。
で、なんとなく空いてる方に逃げるって反応をする個体は生存率が上がって、やがて「種」全体に広がったと。
> ニョロ吉たちにもあるですかね
どうだろう? どこからかね?
捕食者・被捕食者の関係が存在すればあるんじゃないのかな?
> どこの脳で数を把握してるんだろう
多分、数じゃなくて ”なんとなく空いてる方”だと思うよ。結果的にほぼ同数になるって話で。
で、そうそう、
蟻塚とか蜂の巣とか蜘蛛の巣とか本当~に不思議だよね。
> 本能のままにやってるんでしょうけれど
そうそう、思考なんか無くて、あいつらの行動は「反応」でしかないからね。
あ・・・だからこそ綺麗にできるとも言えらあね。
> なんでちゃんと形式的な形を成しているのだろう??
たまたま、結果的に、そういう特質を備えた種が、生存に有利に働いたんだと。・・・それにしても不思議だ。
> タイケよく仰ってる生存有利説だけなんでしょうかね?
だけじゃないかもしれないけど、ファクターとしては大きいと思うねぇ。
> キリンの首長いのもずっと高いところのもの食べるために首が長く進化したと思ってました・・・
「食べるため」とかって「理由」や「意思」は働かないでしょ。
何世代も何世代も思い続けて少しずつ長くなって・・・なんてあり得ないっしょ?
突然変異は無目的に起こるのよ。色々な形で。
不利な場合もあるし有利な場合は進化するし、全然意味ねー場合もあるだろうね。
> ダーウィンの進化論ってかなり違うのかな・・・
いやいやいや、とりあえずここまでの流れでは全然違わないよ。
自然淘汰説(もしくは自然選択説)の通りだよ。
でも進化ってどうもそれだけじゃ説明できなくて、概ね自然選択でありながらも、単にラッキーだったから生き延びてアンラッキーで淘汰されたってパターンも多く見受けられるとか・・・。
> 何億年も恐竜時代が続いたのに文明が起こらなかったのも変だし
そうそう変でもないよ、考え様によっちゃ。
人間にとって「文明」ってスゲーもんだけど、全ての生物が進化の先に「文明」を目指さなくたってイイでしょ?(あ、目指すとかまたこれ、比喩ですけど・・・) 文明がゼッテーイイって言ってんのは人間だけであって。
恐竜から見りゃ人間は、何であいつら大きく進化しねーの?って話でもあるし。
結局、偶然の積み重ねだよね。たまたまですわ。進化の方向にしてもその時の「環境」にしても、、、ハンパねー奇跡だよね。
ハンパねーっしょ? 地球外知的生命体なんて・・・・やっぱあり得ねーと思うよ。
> 何千年しても
> おぅあつぶねー なんちって左右に散るんだろうか
> 確実に安全な右側(もしくは左側)に避けるようになるんだろうか・・・
アハハ!
うん。かなりの確度で危険な側があるとすれば、つねに安全側に避ける反応をするDNAを持った個体は生存率上がるよね。
であればいつかは、みんな片側に避けるようになるよね。