2009年10月19日月曜日

ピアノ発表会2009

ここに居る全員に、俺からビールを

木曜日の昼休みにトピックアップしようとしてたのだが、仕事がドエライことになっていて叶わず、ひたすらPCに向かって呪文を入力し続け、やがて夜になり、終電の時刻を過ぎ、丑三つ時の静寂を愉しみ、ふと気づくと窓の外にはニヒルな太陽。

専務取締役が買ってきてくれた朝食を摂りながらも呪文入力は続き、午後にもなると月の上を歩いているような感覚と、遠くで微かに聞こえる音楽の調べ の幻聴。
そして、プロジェクトの相方である取引先からの電話は担当がテンパっている上早口で何語で話しているのかさえ理解できず、「ちょっ と、待ってください、、、、ちょっ と、待ってください」としか応答できないでいると「後ほどメールします」と切られた。 ??? メールで済むのになぜ電話? なぜだ? この忙しい時に

そして夜になり、ようやく事態はなんとか落ち着いた。 やることはまだ山積状態だが脳がギブアップ状態なので帰り支度を、、、あ゛ーーー!前日の昼に書きかけて放置していたブログトピック、保存しないで閉じてもうたぁ~~~! ガックリうなだれるも約0.357秒で持ち直し、久々に日を跨ぐ前に帰宅。
ブログを書く気力もなく、煎餅食べて風呂入ってバタンキュー。
翌土曜日もハーレーで休日出勤。昼休みに続きを書くも書き切れず(スゲー長げ~!)、アンニュイな日曜日の終わりに続きを書いている。


さて、、、


このブログに、娘のお友達のミミちゃん(←仮の名)のピアノ発表会について書いたのは、2年前の今頃だった。

2007年10月22日付け『心洗われる』
2007年10月26日付け『ネタが届いた』

あれからもう2年も経つとは。

まさに光陰矢の如しである。


当時、我が娘は某大手音楽教室に通っていたのだが、ミミちゃんの発表会に行った数ヵ月後、ミミちゃんの通うピアノ教室に電撃移籍していたのだ。

そこでお互い刺激し合い切磋琢磨し、 ってあらら?そうでもない? マイペース? あぁそう~。

てな訳で、
そのピアノ教室は2年ごとに発表会をやるため、先日の体育の日、ウチの娘にとってはその教室での初の発表会を迎えた。


娘とミミちゃんは連弾を演ることもあって、同系統のノリのドレス。
お揃いの大きな髪飾りはミミちゃんのママが作ってくれた。

慣れないパンプスで歩きがグズグズじゃ格好悪いってことで、会場へ行く前、家でウォーキングの練習をさせた。

軽く手振りで足の運びを説明してやった。
「モデルさんみたいに、こうやって、一本の線の上を歩くように歩いてみ。」

すると娘、見えないロープの上を綱渡りしてるかのごとく、両腕でバランスまで取りながら、もっさり歩きやがった。

サーカスかよ!

「そんで、優雅に、綺麗にお辞儀な」

すると娘、ドレスの胸元広げて、

「はい、ペロ~ン!」

「アハハハハ! どアホーーー!

「それじゃ、こうして」と両腕の上腕で胸を両側から圧迫して谷間を作ってお辞儀をしていた。


おもろいが 大丈夫かな? この娘


前にも書いたが、ピアノ発表会って、イイ。
そりゃもちろん、プロの演奏を聴くのとはまるで違う。 また別の楽しみ方ってもんがあるのだ。

ちっちゃい子らの、楽しげで無垢な演奏は音も楽しげだし、その魂は無垢だ。心洗われるぜ。

小学校高学年から中学生くらいの、気合や気概や迷いや葛藤や適当や諦めやら何やら、人によって色々滲み出る様も興味深い。

小学5年にもなると、『エリーゼのために』や『トルコ行進曲』など、なかなかムズカシー曲を演る子らも居る。
うん。シロート的にはこのお馴染みの2曲ってムズカシー曲のカテゴリーに入るんだが、ピアニスト的には初級の上とか中級の下とかその辺のものらしい。へぇ~。

そういえば俺が小学4年の時、同じクラスの女の子が上手に『エリーゼのために』を弾いていて、何人かの友人らとアホ面ぶら下げつつ、う~っとりして聞き惚れたもんだった。
本当~に、う~っとりだった。 ありゃ天上界の音だったよ。うん。
ウチの近所に住んでた子で、何度か家に遊びに行ったこともあったんだが、突然、どこか遠い街へ引っ越して行ってしまったのさ。
俺、ちょっと好きだったんだよなぁ彼女。 今、どこでどうしてっかなぁ。

おっと、余計な話を呟いちまったぜ。

で、発表会での『エリーゼ』と『トルコ』、二人とも実に上手いんだが、その分、実に惜しい感じだった。
弾けて満足しちゃったのかなぁ~? 練習は沢山したんだろうけど、いま一歩「自分のモノ」になってない感が本当に惜しかった。
ま、簡単に言うと、ところどころ雑 とか、気持ちを乗せるまで行ってないとかそんな感じ。 惜しいなぁ。


おいおい、君、寝起きかね? って中学生の女の子が居た。
髪を黒いゴムでテキトーに縛るだけのゆるゆるポニーテイル。 なんかところどころモコっとしてて、後れ毛もバッチリ。
その子が仏頂面でピアノを弾く様は、疲れた主婦が残り物と冷や飯でチャーハンを炒めているが如しだった。
演奏自体は悪くないんだが、貧相な見た目のせいで音も貧相に聞こえてしまう。
やっぱさ、別に着飾らなくても、最低限の「見た目」って大事だよな。 人様の前で何かやるってんだからさ。


かと思えば、立ち居振る舞いからして他とは違う、熱く静かなるオーラを身にまとった中学1年生のピアノマンも居た。
素晴らしい演奏にマジで感動。 ピアノや音楽と向き合う姿勢や心が、音や立ち居振る舞いにまで影響してるのだな。
彼は将来、音楽で名を成すことになるかも。 うん、これから沢山恋をすることだな。(いっぱいフラれろ)


その一方、発表会を、ピアノを、音楽を、というか人生そのものをナメ切ってるだろ、お前ー!って高校3年の男も居た。
コラ!ミスるたびに舌出すのやめれ! オーディエンスに甘えるんじゃねー!
しまいにゃつっかえるどころか何度も中断。
高3だと色々~と忙しくて なんて言い訳は成立しないぜ。 ステージ立つ以上、そんなもんカンケーねーのだ。
ステージ乱入して、後頭部を思いっ切り特大ハリセンでしばきたい! という思いに駆られ、ハァハァしながら演奏を聴き終えた。


我が娘と相方ミミちゃんとの連弾の番になった。
我が娘、流石にステージ上では綱渡りウォーキングは披露せず(すりゃいいのに)、カジュアルーに歩いてピアノ前へ。
谷間を作ることなく(作りゃいいのに)ペコりとフツーにお辞儀。

小っちゃい子らとは趣がちょっと違うドレス姿の二人のツーショットはなかなかのもんだった。(親バカ)

さぁ、連弾2曲。
あー、なんだか俺の方がドキドキするぜ。
まずはミミちゃんがメインパートを務める『涙そうそう』

うん、イイね。イイよイイよ~、その調子。
二人の息もバッチリ合っている。 仲良しとはいえ、意外なくらいバッチリだ。
お互い、出るとこは出て、抑えるところは抑えて。 イイね~。
しっとりと、情感もまぁまぁ出てて、あぁ、イイねー。
タン・タタ・タン・タラ♪涙そうそう~♪ちゃらら~ん♪っと。 よしよし。うんうん。ナイスプレイ!


そして座る位置を入れ替え、娘がメインパートの『ウィリアム・テル序曲』
OK! Hit it!

ターッ・タカターッ・タカ・タ タ タ タ ツ タ タ タ♪~~~
うん、緊張から走り気味になったりせず、かと言って遅くもなく、いい感じのテンポだ。
娘、最初は指がちょっと覚束ない感じだったが、やがて持ち直した。
タタタン・タタタン・タカ・タン・タン・タン♪
あのタタタン♪の部分、一音で細かい音割りってすんげぇ難しい。 俺には全然弾けなかった。

ミミちゃんの力強いバッキングに支えられ、メロディーが疾風のごとくに流れていく。
いいぞいいぞ。テル君が馬で疾駆していくようだぜ。
そして中盤、娘の弾く高音部での早弾きリフに、ミミちゃんが低音部でメロディーを絡める。
うぉ~、グっと来るぜよ!
一旦Aメロに戻り、そして、怒涛の終盤へ。 うぉ~、グルーヴィーだぜ~!
チャラララチャララララ♪ジャン♪
よし!決まった!  素晴らしい! ブラボー!
って、まぁ親の贔屓目ってか親バカってか、評価甘々。ま、こんな日はね。アハハハ

ピアノを弾き終え、席を立ち、ステージ前方へ行き、お辞儀。 そのお辞儀をきっかけに客席から演者に拍手が贈られる ってのが、なんとなく出来上がってるプロトコルだ。
ところが!
娘とミミちゃんの演奏の時は、彼女らがまだステージ前方へ移動し終える前から拍手が自然に沸き起こった。
親の俺がそれをやったら、親バカどころか完全バカ親になってしまうので我慢していたのだが、自然な拍手の、なんと素晴らしく温かく甘美なことか。
演奏もだが、拍手に感動してしまったぜ。
「ヘイ、マスター、ここに居る全員に、俺からビールを」って気分だった。


なんや~かんや~とあって、娘のソロの番に。

持ち曲は2曲。 ごく短いバッハの小曲(マイナー)とテレマンの『ファンタジー』(メジャー)。
どちらも対位法で書かれた曲。
対位法ってのは、2つ以上の独立したメロディーがいい按配に馴染んで一つの曲になってるやつね。
フーガやカノンも対位法のヴァリエーションだ。
じゃあインヴェンションってのは? う~ん、それはわからん。 詳しい人、俺に教えれ~♪

左右の手が独立した旋律を奏でつつ一つの曲を構成する ってのは聴いた感じよりかなり難しいのだが、その大変さがなかなか分かって貰えず悲しい と娘は言っていた。

ほぼ毎朝練習を聴いていたが、やっぱり本番となると一味も二味も違ってくるもんだ。
数日前の練習でも途中でつっかえてたりしたのだが、本番は軽いミストーンはあったものの、つっかかりはなかった。
けど、ちょっと慎重になりすぎな感じはあったな。ちょっとテンポ甘いぞ。

でも、あぁ~、 来た。 来たぞ、娘よ!


ミミちゃんのソロ。
一曲目は途中でちょびっとつっかえた。
「大丈夫大丈夫、焦らず落ち着いて」と心で訴える俺の方が焦ってたりして。
しかしミスを引きずることなく、二曲目はダイナミックでおおらかで凄く良い演奏だった。
うん、凄くイイ! 心から拍手。そしてサムアップ。


大人の生徒も出てきた。
30代前半くらいの主婦だろうか。先生との連弾だ。
なんだか年齢が上がるとともに凄いことやってくれるんじゃないかと勝手に期待して聴いたところ、初級者だった。

でもね、
大人になってピアノを習うって、小っちゃい子が習うのと全然違うよね。
思いとかモチベーションとかさ、ある意味これもまた凄く純粋だよね。
しかも自分より格段に上手な格段に年下の子らと、発表会のステージに上がるってんだから、その見上げた心意気に拍手だわ。

その彼女の演奏ってのが、俺の心に強く響いたね。
凄く緊張してて、それでも凄く一生懸命で、ひたむきで、 あぁ、この人本当にピアノが好きなんだなぁってのが伝わってきて、技術的には初級だけど、その心は一流だったさ。
二曲目に『威風堂々』を演ったんだけど、緊張しながらも威風堂々としてたねぇ。
俺は感動したよ。

弾き終えて、ホっとした表情でステージ前方へ出てくる時、まだお辞儀する前から俺はいち早く拍手を送ったよ。
彼女は驚いた表情で拍手の鳴る方を見て、俺と目が合ったね。
あ、ロマンスの予感? なんちって。ハハ!



帰り際、ロビーでミミちゃんに声を掛けて、彼女の演奏の感想を伝えた。


例の、威風堂々の主婦の姿もあった。
旦那さんと二人で居た。
あぁ、イイねぇ。ピアノ習ってる奥さんの発表会、旦那さんが観にきて、二人で帰るんだ。
声掛けて、素晴らしい演奏だったと伝えようかどうしようか迷ったんだが、やめておいた。
娘から先生経由して伝えて貰おう。


いや~、イイね、ピアノ発表会は。
いろんな「心」に触れて、俺の心も洗われましたとさ。

2 件のコメント:

  1. どもです

    >あれからもう2年も経つとは。

    あれから二年かぁ
    早いなぁー本当に光陰矢のごとしですね
    歳を取るごとに日々大切にしたいです

    娘さんのピアノ発表会
    いいですねー
    何よりも羨ましいです
    写真から気品が伝わってまいりました
    リアルで聴きたかったなー

    >ところが!
    娘とミミちゃんの演奏の時は、彼女らがまだステージ前方へ移動し終える前から拍手が自然に沸き起こった。

    わぁー
    そりゃ感動するですよ
    涙でますよ
    「ここにいる全員に俺からビールを」
    うーん、タイケ相当気分よかったね♪

    それにしてもお二人のドレスお美しいです
    もちろんタイケの愛情カメラも素晴らしいんでしょうね!

    返信削除
  2. 川上ぃ~! コメントどーもありがとー!


    > 早いなぁー本当に光陰矢のごとしですね
    > 歳を取るごとに日々大切にしたいです

    まったくですなー。


    > 娘さんのピアノ発表会
    > いいですねー

    こりゃどうもっす。

    > 写真から気品が伝わってまいりました

    アハハハ


    > わぁー
    > そりゃ感動するですよ
    > 涙でますよ

    でしょ?だよねー。

    > うーん、タイケ相当気分よかったね♪

    そら~もう~。


    > それにしてもお二人のドレスお美しいです

    こりゃどうもっす。
    二人で連弾ってことで、子供らと、お互いの母親も含めてああだこうだで決めたもんでね、
    連弾がなければまた違った雰囲気だったと思いますわ。


    > もちろんタイケの愛情カメラも素晴らしいんでしょうね!

    ハハ。んなもん大したことねっす。

    返信削除

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