脳波スパーク!
とうとう卒業検定だ。
なんかちっとドキドキする。
ってことは邪心があるってことだ。
無心で・・・いられるかい! ハァハァ・・・
まぁとにかくベストは尽くせば結果がどうあれ・・・っつってもやっぱり・・・落ち着け、俺!
電車の中では検定のイメージトレーニング。
ライン取り、安全確認ポイントとタイミング、合図のタイミングなどの確認。
ああしてこうして・・・こうきてああきて・・・うん。
で?今どこだ?
「次は 恵比寿 恵比寿です」
わー!目黒過ぎちゃった!
ふっふっふ、こんなこともあろうかと、早めに家を出てるのさ。
検定を受ける教習生が集合する教室へ。
俺の他に3人居た。
その後1人加わり、合計5人。
内訳は、
大型自動二輪 男性2名
普通自動二輪MT 女性1名 男性1名
普通自動二輪AT 女性1名
大型自動二輪のもう一人は、#4の時の相方だった。
休日で5人というのは、かなり少ないらしい。
通常は大型と普通とで別検定官・別コースに分かれるのだが、少ないので全員一緒くたでやることに。
コース上の検定スタート地点にて、検定官が来るまでの間、教習生皆でしばし雑談。
良い雰囲気が出来てきた。
劇団ひとりと一緒じゃなくて良かったぁ~。
検定順、俺がトップ。
皆に見守られつつ検定開始。
乗車から発進までは流れるようにスムーズに。
が、走り出してしばらく、ミラーでの後方確認とウィンカーのタイミング、確認動作後の針路変更のリズムがグダグダに。
うっわー、思っている以上に緊張してるぞ、俺。
落ち着けー 落ち着け、俺!
走るにつれ落ち着きを取り戻し、
それでも油断してポカミスしないように張り詰めつつ、なんやかんやで無事に走り終える。
次は#4の時の相方。
「落ち着いて、頑張って」
「はい。行ってきます」
検定が終わった人は教室に戻って良いのだが、相方の走りを見たいので残ることに。
その間、他の教習生らと話も。
普通二輪の男性、おそらく二十歳くらい。 ストリートやんちゃ系。 ふてぶてしい面構え。
「バッチリだったじゃないすか」
「え?そう? いや、でも、確認とか合図とかのタイミングがグダグダになっちゃって・・・」
すると普通二輪MT の女性(20代前半と思われる)が、
「いや~、美しかったですよぉ。お手本の走りでした」
うら若き女性に「美しかったですよぉ」なんて言われて脳波がスパーク!
思わず最敬礼してしまった。
「は!ありがとうございますっ!」
相方、途中でコースを間違えるも、落ち着いてやり直し、つつがなく帰還。
「お疲れ様。 コースミスしたけど崩れなかったからOKだね」
「いや~、もう、どうでもいいやって気になっちゃいました」
以降も、なんとなくみんなして、「がんばって」と「お疲れさま」の声掛けが定着。
普通二輪検定は、HONDA CB400 の29番車が出てきた。
普通二輪MT教習生二人が嘆きの声を上げる。
どうも教習生の間で評判の悪い車らしいのだ。
男性の方は「まぁしょうがない・・・」って感じ。
女性の方はしゃがみこんで、「29番だけはやめて欲しかった・・・今日は落ちるかも・・・」
どうもクラッチのアタリが遠いらしく、女性には厳しいらしい。
男性、おおむねそつなく終了。
きっと合格でしょう。
女性の番になる。
あまりに悲嘆に暮れているので、皆で励まし、送り出す。
発進時、いきなりエンスト。 あらら~。 落ち着けー!大丈夫だ!ガンバレー。
その後はそこそこ良い感じで走れている。
坂道発進ポイントの向こう側に姿が隠れた。
・・・・・・・
「あれ? 来ませんねえ」
「ん? エンストこいちゃったのかな?」
「どうしたんでしょうねぇ?」
・・・・・・・
「おぉ、来た来た来た」
彼女が戻ってきた。
「お疲れ様。どうでした?」
「もー駄目ですー。 坂道発進でエンスト10回くらいしちゃいましたー」
「あららららら。そりゃ厳しいねぇ」
最後に普通二輪AT車の女性(二十歳前か?)
400CCのスクーターでコースを回り、問題なく帰還。
「あたし、何か抜かしてる気がするんですけどっ」
「抜かしてたら検定官にその場で言われるから大丈夫でしょ」
「あ・・・あたし、記憶が欠落してますー」
かなりの緊張状態だったようだ。
皆で教室に戻り待機。
一人ずつ呼ばれて、別の部屋で合否を言い渡されるのだ。
まずは俺。
「はい、
とても良かったですよ。
合格です。
おめでとう」
「ありがとうございます」
書類を渡され、会計課へ行くように言われる。
皆にサムアップ。
皆から祝福を受ける。
「じゃ、後で」
別の階の会計課で手続きをしていると、相方が来た。
「おぉ、おめでとう!」
普通二輪の兄ちゃんも来た。
「おめでとう!」
普通二輪MTの女性、書類を持たずに降りて来た。
「やっぱり駄目でしたー。キャンセル待ちして今日乗ります」
検定に落ちると、補習で1時限乗らなければ次の検定が受けられないのだ。
「あら、残念。次は頑張ってー」
普通二輪ATの女性、合格。
「おめでとう!」
さて、手続きは済んだものの、卒業証明書の発行まで2時間半ほど掛かるとのこと。
普通二輪の兄ちゃんは「じゃ、後ほど」と言い残し何処かへ。
ATの彼女は「私は一旦帰宅します」
俺と相方で、目黒駅近くのドトールへ行って時間を潰すことに。
ドトールに行くと、エンストの彼女が居た。
「あ!」
「あー!キャンセル待ち入れて、次の教習まで待機なんですぅ」
「ではお嬢さん、相席させていただいてよろしいですか?」(アホみたいにダンディな口調で)
「是非! お願いだから慰めてくださーい」
「おう、なんなら肩抱いてやるぜ」(アホみたいにワイルドな口調で)
「アハハハハ」
バイクという共通項があるため、話題には事欠かない。
3人してああだこうだと盛り上がる。
1時間ほどして、彼女がキャンセル待ちのため教習所へ。
「じゃあね。次は頑張ってね」
「はい。それじゃ」
15分ほどしたら戻ってきた。
「取れませんでしたー」
またひとしきりバイク話で花が咲く。
1時間後、再び彼女、教習所へ。
「取れると良いね。次の検定は受かるように祈ってるぜ」
「ありがとうございます。それじゃ」
それからしばらくして相方と教習所へ。
コースを見てみたら、エンストの彼女が教習を受けていた。
取れて良かったね。
めでたく卒業証明書発行。
再度教室へ行き、一人ずつ手渡される。
ATの彼女は別室らしく、野郎3人だけだが、授与時は残り二人で盛大なる拍手と祝福。
事務員、「今日はすばらしく盛り上がってますねぇ。人数が多い時でも拍手はまばらなんですけどね」
すべて終わり、解散。
「それじゃ、お疲れ様」
「お疲れ様でしたー」
「お疲れ様でしたー」
散々盛り上がっても、メルアドなどの交換は一切なし。
一期一会なこの感じ、結構好きだなぁ。 (車の免許の時もそうだった)
なにはともあれとにかく
返信削除無事合格してよかったです
おめでとうございます
よかったですね、本当に。
あとは、実車ハーレーが来るのを待つばかりですね!
は!どうもありがとうございます!
返信削除相当なレベルの心構えで臨んだのが奏効したんだと思うけど、それも川上の事前情報があったればこそです。
感謝感謝。
ハーレーが来る前にガレージをなんとかしなきゃいけないんだけど、、、
刈り取った草木の始末の目処さえ立たない有様・・・
ま、とりあえず明日は仕事休んで免許の交付を受けて来ます。