2007年9月4日火曜日

アルコールに強い下戸

グータラ種族なのだ

俺は酒を飲まない。というか飲めない。
下戸なのだ。
ちなみに下戸というのは、アジア人(モンゴロイド)にしか居ないらしい。

まったく飲めない訳ではなく、少しは飲める。
飲めない俺だが、ウィスキーは水割りよりロックの方が美味いと思う。
スコッチはキツいが、バーボンは美味いと思った。
日本酒や焼酎はあまり飲んだことがなく判らない。
ワインのウンチク語りやシロートのテイスティングは笑える。(ワイン好きの方、ご容赦!)
新宿のジャズ・バーでアホみたいにシェイカー振ってカクテル作ってた俺ってのが一番笑える。

で、下戸のこの俺、無理してガンガン飲むと、、、
これが決して酔いつぶれる訳ではない。
記憶が飛ぶこともない。
実のところ、俺のアルコール分解能力はかなり高い。
なので、ちゃんと酔っ払ったことがないのだ。
普段から酔っ払いと同等のテンションと思考なので、酔う必要もないのだが。
ハハ!

ならばどうなるかと言うと、強烈な頭痛・猛烈な不快感・吐き気 などの十字砲火に見舞われる。
二日酔いではなく、飲んでる最中に、しかも酔わずしてだ。
そして、人類史上最初に酒を発見した古代エジプト人が呪わしく思えて仕方なくなる。
「うぅ・・古代エジプト人めー!・・・」
(※これは誤った認識です。それ以前から人類はアルコールを摂取していたようです)


通常、体内にアルコールが入ってくると、肝臓がこれを「ヤバいもの」として処理しようとする。
まず、ADH というアルコール脱水素酵素がアルコールを迎撃し、水とアセトアルデヒドに分解する。
迎撃力を上回って摂取されたアルコールは血管を通って脳に到達し、脳の各機能を徐々に麻痺させていく。
つまりこれが「酔う」ということ。
ちなみに、記憶が飛ぶというのは、記憶する機能が麻痺しているということだ。
その時はちゃんと(というかそれなりの)自分の意思や判断で行動しているのだが、脳の海馬の部分(短期記憶メモリ)がアホアホになっているため、それを記憶できない状態なのだ。

で、このADHがアルコールを分解した後にできるアセトアルデヒドというのは毒なのである。
これに限らず、「アルデヒド」と付くものはすべて毒。立派な発がん性物質だ。
毒を放置していてはいけないので、肝臓君は次にアルデヒド脱水素酵素である ALDH1 と ALDH2をスクランブル出撃させる。
主に活躍するのはALDH2の方。
ALDH2アセトアルデヒドを酢酸に変えて無毒化した上、エネルギー源として利用できるようにする。
凄いな ALDH2!カッコイイぞー!

ところがなんと! きちんと自分の仕事をしないグータラALDH2を持っている種族が居る。

それが俺なのだ。

ALDH2生成に関わるDNA塩基配列のたった一箇所が普通の人と異なるため、アセトアルデヒドを分解できないALDH2が作られてしまうのだ。
(ちなみに、俺の母方の家系はほとんど下戸)

「飲んでいればそのうち強くなる」というのは、ALDH2がグータラでない人だけの話だ。
飲み慣れないうちは、ADHALDH2 を生成する細胞が少ないため、アルコールやアセトアルデヒドの処理能力が低い。
そういう人に無理やり飲ませると急性アルコール中毒になり、最悪、死に至らしめてしまう。
飲み慣れていくにつれ細胞が増えて行き、処理能力が上がっていくのだ。
(飲まなくなると細胞は減っていく)

俺の場合は、いくら細胞が増えても ALDH2がグータラなので、アルコールは分解できるがアセトアルデヒドを分解できない。
それどころか、細胞が増えれば増えるほどアセトアルデヒドの生成効率が高くなる始末。
何しろアルコール分解能力は高いので、入って来たアルコールは大量のアセトアルデヒドになってしまう。
そして、飲めば飲むほど身体は毒漬け状態となり、アルデヒド中毒症状が現れてしまうのだ。

そんなカラクリを知らなかった俺は、「飲んでいればそのうち強くなる」を信じ、それを拠り所に17歳の頃から10年近く、随分無理して飲んだ。(20代前半が一番激しかった)
酒に酔うのではなく、酒を飲むという行為を通して友人らと騒ぐことに酔っていたのだな。
だが、体内でアルデヒドを代謝できないので、体外に排出するしかなく、人知れず・・・ね。(てか知られてるのも数多い)
その頃、吐かなかった「飲み会」は皆無だった。
酔っ払わず、記憶も飛ばないが、俺的にはほんとーに限界まで、いやそれ以上に飲んだ。
意識はハッキリしてるのに視界狭窄を起こしたこともある。あれはビビったぁ・・・
古代エジプト人への恨みは、ファラオを復活させる一歩手前まで膨らんだものさ。

まぁでも、それなりに良い経験だったし、良い思い出でもあるんだな。

一向に飲めるようにならず、無理して飲むことを放棄しつつあったある日、テレビでグータラALDH2遺伝子について知った。
「あぁ・・・そう・・・だったんだぁ・・・・」
なん~と気が楽になったことか。
以来、無理して飲むことをやめた。
時にはドクター・ストップ、時には宗教上の理由、また時にはグータラALDH2遺伝子についての大演説 などにより、飲まない正当性を訴え、概ね奏功した。

近頃は昔に比べて下戸に対する社会的認知や理解が高まっている。
これは社会が成熟しているということだ。素晴らしい。(大袈裟な。あはは)
いや、本当に、下戸に対する理解がある席は有難く、そして楽しい。
理解してくれることのなんとありがたいことか。
感謝感激、感涙むせび泣きラッケンローなのである。
みんなー!愛してるぜぇ~!


あー、また長々と書いてしまった。

長々と書いたついでに、、、

この グータラALDH2遺伝子を持つ種族は日本人の45%にもなるのだそうだが、その中で俺のパターンは ADHグータラALDH2
これは日本人の中で5%くらいなんだそうだ。
残りは、ADHグータラALDH2
この場合、アルコール分解能力が低いため、生成されるアセトアルデヒドが少ない。
なのでそこそこ飲めてしまうが、酔い易く、さらに二日酔いに苦しむらしい。
これもまたキツそうだね・・・

しかし、俺、
ALDH2がグータラじゃなかったらハーレーオーナーにはなれなかっただろうな。

6 件のコメント:

  1. どもです
    いやー
    かなり興味深く読ませていただきました
    僕は今ほぼ毎日お酒(アルコール)の事を考えて過ごしています
    というのも
    禁酒してまだ一年経ってないのですが
    アル中禁断症状がほとんどないのです
    もともと下戸なのかどっちのパターンなのかな?
    と毎日考えています
    そんな事考えている
    それ自体が禁断症状なのでしょうか?

    もともとは、まったく飲めませんでした

    30代半ばあたりから無茶苦茶飲めるようになりました

    飲んですぐに頭痛・不快感・あちこち痒い等の日もありました
    調子いい時はいくら飲んでも気持ち良いのです
    そのうち
    お酒なしでは眠れなくなり
    毎晩寝酒するようになりました(なんだか病院で答えてるみたい、ハハ)
    しかし
    一日のお酒代とか表に飲みに行くお金を計算してみたら
    なんと
    楽々ハーレーオーナーになれちゃう事に気づきましたのです
    そんな理由で(他にもあるけれど)お酒やめました
    タバコもヘビースモーカーだったけれど
    やめました
    ニコチンもALDH2説みたいなのあるんですかね
    もともとニコチンが駄目
    とか
    吸ってるうちに慣れてくるとか
    いくら吸っても駄目な人とか
    あるんですかね?
    どちらにしろ禁酒中なのでとても勉強になりました
    つか
    たぶん、もう飲まないと思います
    ハーレーでお酒以上に気持ち良く酔えるからです
    タイケさん、エジプト人さん、ファラオさん
    どうもありがとう(全然意味わかんないね)

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  2. 川上ぃ~! 毎度どもです~!

    よく覚えてないんだけど、弱ADH+グータラALDH2の人の場合、肝臓が別のアプローチでアルコールを分解し出すようになるらしいよ。
    この時はアセトアルデヒドにならないんだったかな?
    で、なんだか酒に強くなっちゃったって感じになるんだって。
    でも、肝臓的には、かなりヤバいとかなんとか。
    もしかしたら、川上、このパターンだったかもね。

    禁酒して禁断症状が出てないってのは、良かったね。

    強ADHタイプだったら、禁酒できなかったかもしれないよ。


    ニコチンねー。ありそうだね。
    きっとあるでしょ。
    今度調べてみよっと。

    んだね、ハーレーは酔えるねー。
    ファラオさん、ありがとうだねー。
    って、全然関係ねーし。

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  3. 自分は親が酒豪だったその血を引いているせいか、かなり飲める人だと思う。

    「強ADH+スーパーALDH2」なんでしょうか…(^^ゞ

    でも最近はなんか弱くなってきているような気がするんだなぁ。
    すぐ眠くなっちゃうし、次の日残るし…
    でも健康診断では肝機能の数値は 20年前と変わってない…

    ちなみに体重も 20年前と変わってない。

    ってことはただの歳ってことなのかしらん?

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  4. コジぃ~! 毎度どもです~!

    強ADH+スーパーALDH2っすか!そりゃスゲー!

    > すぐ眠くなっちゃうし、次の日残るし…
    > でも健康診断では肝機能の数値は 20年前と変わってない…

    あ、「次の日残る」ってのもALDH2の話の番組中で解説してました。
    感覚的には「残る」なんだけど、アルコールはすべて代謝されてるそうです。
    で、この「残る」感は、肝臓が疲弊してることの全身症状だそうです。

    眠くなるのはアルコールの作用もあるけど、肝臓への負担から脳が身体を休ませようとする作用てのもあるそうです。

    だから、ちょっと肝臓お疲れ気味なのかも知れませんねぇ。
    ・・・ま、ようするに歳ってことなんでしょか。
    くれぐれもご自愛くださいまし。

    でも、肝機能の数値が正常値ってスゲーですね。
    俺の知る限り、酒を良く飲んでてこの歳で正常値ってコジが初めてですわ。
    そりゃ、モノスゲー酒豪か、酒量をわきまえて飲んでるか、普段の食事のバランスがチョー良いか、いずれかまたは全部ですね。
    ほんと、素晴らしい!

    > ちなみに体重も 20年前と変わってない。
    素晴らしい!
    やっぱ、食事のバランスがすんげー良いんでしょうね。

    俺も今は20年前と変わらないっす。
    一時期ブクブク太って70Kg代に乗ったことがありますけどね。

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  5. >普段から酔っ払いと同等のテンションと思考なので、酔う必要もないのだが。
    ハハ!

    わっはっはっはっはーーーーー!!

    返信削除
  6. 下戸ネコさ~ん! コメントどもです~!

    って、ネコさんも下戸だったんですか。
    結構イケる口かと思ってました。

    > わっはっはっはっはーーーーー!!
    ガ~~~ッハッハッハッハッハ!

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